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8 側近候補?らしいです
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あの後、アレク殿下は大事を取って2日ほど学園をお休みされた。
毒を盛られた事は秘匿され、公務の都合と公表されている。
事の顛末はサイラス様から聞かされた。
結局のところ、護衛騎士は直接には暗殺事件に関わってはいなかったらしい。
ただし、私のでっち上げは事実だった。
護衛騎士と件の女生徒は本当にそういう仲だったらしい。
あの日も医務官が留守にするという情報を得て、2人で籠っていたらしい。
、、、呆れてものが言えないわ。
「騎士は子爵家の嫡男でして。女生徒は男爵家の次女なので夫人の座を狙っていた様ですね。」
「つまり既成事実を狙ったと?」
「はい。どうやら友人に唆された様ですね。婚約者もいないので狙い目だと。」
「どこからそんな情報が⁈」
「その友人の婚約者です。コイツはアズロ家の所縁の者ですね。ですが、残念ながらそれだけでは罪に問えません。」
「、、、実行犯は?」
サイラス様が首を横に振る。
辿れなかったという事か。
「公に出来ない以上これが限界です。、、、敵には司法局長官もおりますので。」
「なッ⁈」
「とりあえず、護衛騎士は職務放棄で騎士資格剥奪の上実家は男爵位へ降爵となりました。、、、見せしめの為です。」
「、、、甘いんじゃないかしら?」
「と言うと?」
「仮にも王太子殿下の護衛を蔑ろにしたんですよ?不敬罪で極刑でも良いくらいだわ。そんな人間貴族籍に残す価値あります?そしてそんな跡取りしか育てられなかった家も要らなくないですか?更に言えば、女生徒も未成年でありながら、王太子の護衛騎士を職務中に誘惑するなんて非常識にも程があるわ。そんな倫理観の持ち主も要らないわよね?まぁこっちは次女らしいから、両親の蟄居込みでの貴族位剥奪かしら?」
「わぁ、アリア様、流石容赦ないですね!」
「は?なんで“様”⁈」
「了解しました。王太子殿下の側近からの要望として奏上しておきますね!奴の生家は領地、爵位共に没収で!女生徒の方は両親と共に貴族位剥奪、爵位は次代に継承で!」
「側近?ああ、サイラス様からという事ですね?」
「やだな、アリア様ですよ~。」
「はぁ⁈」
「時期に正式な要請が王家から出されると思いますよ。王太子の側近にって言う。」
「ええっ⁈」
「今回の件は国王陛下にも報告しています。アリア様にとても感謝されておられましたよ。よくぞアレク殿下の命を救ってくれたと。さすがエストラージュという事で、今後も殿下の側で見守ってほしいとの事です。」
「えええ~。」
「アレク殿下も頼りにしておられます。あの方は隙あらば毒を盛られてるので、、、。」
遠い目で仰る。
そんな事言われたら、、、。
私だって、殿下が苦しまれる姿なんて2度と見たくもないわ。
「承知致しました。私にできる事なら何なりと。」
「わーい、言質取りましたからね!」
「はい?」
「今まで僕1人で大変だったんです!殿下人使い荒いし!仲間ができて嬉しいです!」
めちゃくちゃ喜んでくれるのは、歓迎されてるって事で嬉しいのだけど、、、。
早まったかしら、、、?
そうして一週間ほど後に、サイラス様の仰った通りに、正式な要請として我が家にアレク殿下の側近となる様にとの勅命が下ったのだ。
父は大混乱だった。
何故そんな事に⁈辞退できないのか⁈
と。
普通王太子殿下の側近なんて誉れ、喜びこそすれ、辞退だなんて。
そもそも、この男は勅命の意味を分かっていないの?
断れる訳ないでしょ⁈
「お父様、側近に選ばれることは貴族家にとって誉れです。辞退などと何を考えておいでですか⁈」
「う、煩い!お前は女だろうが!家でじっとしてれば良いんだ!」
「はぁ?私は次期侯爵になるんですよ?何を馬鹿な事を⁈」
「爵位はライオネルが継ぐ事になってる。お前じゃないわ!」
「それこそ何を言っているんですか!あの馬鹿に継げるわけ無いでしょう!」
「内向きの実務はお前がやれば良い。だが王太子の側近になったらそういう訳にいかなくなる!体面が悪すぎるだろう!侯爵を差し置いて侯爵夫人が側近だなどと!」
「馬鹿な事言わないで下さい!貴方に次代を決める権限なんてありません!」
「煩い!親に向かって何だその口の聞き方は⁈サリーと違って本当に可愛げのない!」
「、、、サリー?誰ですか、それ?」
聞きなれない名前に怪訝な顔になる。
すると、父は明らかにマズイという顔をした。
「とにかく、今の当主は私なんだ!偉そうな口をきくな!」
またいつもの捨て台詞で、父は邸を出て行った。
“サリー、、、?”
あの男、外に愛人でも囲ってるのかしら?
もしかして、領地に帰ると見せかけて、その愛人の元に通ってたり?
もはや“父”などと、呼ぶ気にもならなくなった。
エストラージュの直系である私をなんだと思ってるの?
ライオネルを次期当主にするですって?
ふざけた事を!
あの男は、エストラージュがどうなっても良いというのね。
ようく分かったわ。
ならもう容赦はしない。
あの男はこの家には必要ないわ。
王太子殿下の側近となるからには、身辺整理は大事よね?
そして、“大事な側近”の一大事だもの。
殿下も手をお貸し下さるわよね?
父もライオネルも関係した者全て、みんなまとめて潰してあげる。
そう心で誓っていた私は、、、。
とても殿下には見せられない表情をしていたかもしれない。
毒を盛られた事は秘匿され、公務の都合と公表されている。
事の顛末はサイラス様から聞かされた。
結局のところ、護衛騎士は直接には暗殺事件に関わってはいなかったらしい。
ただし、私のでっち上げは事実だった。
護衛騎士と件の女生徒は本当にそういう仲だったらしい。
あの日も医務官が留守にするという情報を得て、2人で籠っていたらしい。
、、、呆れてものが言えないわ。
「騎士は子爵家の嫡男でして。女生徒は男爵家の次女なので夫人の座を狙っていた様ですね。」
「つまり既成事実を狙ったと?」
「はい。どうやら友人に唆された様ですね。婚約者もいないので狙い目だと。」
「どこからそんな情報が⁈」
「その友人の婚約者です。コイツはアズロ家の所縁の者ですね。ですが、残念ながらそれだけでは罪に問えません。」
「、、、実行犯は?」
サイラス様が首を横に振る。
辿れなかったという事か。
「公に出来ない以上これが限界です。、、、敵には司法局長官もおりますので。」
「なッ⁈」
「とりあえず、護衛騎士は職務放棄で騎士資格剥奪の上実家は男爵位へ降爵となりました。、、、見せしめの為です。」
「、、、甘いんじゃないかしら?」
「と言うと?」
「仮にも王太子殿下の護衛を蔑ろにしたんですよ?不敬罪で極刑でも良いくらいだわ。そんな人間貴族籍に残す価値あります?そしてそんな跡取りしか育てられなかった家も要らなくないですか?更に言えば、女生徒も未成年でありながら、王太子の護衛騎士を職務中に誘惑するなんて非常識にも程があるわ。そんな倫理観の持ち主も要らないわよね?まぁこっちは次女らしいから、両親の蟄居込みでの貴族位剥奪かしら?」
「わぁ、アリア様、流石容赦ないですね!」
「は?なんで“様”⁈」
「了解しました。王太子殿下の側近からの要望として奏上しておきますね!奴の生家は領地、爵位共に没収で!女生徒の方は両親と共に貴族位剥奪、爵位は次代に継承で!」
「側近?ああ、サイラス様からという事ですね?」
「やだな、アリア様ですよ~。」
「はぁ⁈」
「時期に正式な要請が王家から出されると思いますよ。王太子の側近にって言う。」
「ええっ⁈」
「今回の件は国王陛下にも報告しています。アリア様にとても感謝されておられましたよ。よくぞアレク殿下の命を救ってくれたと。さすがエストラージュという事で、今後も殿下の側で見守ってほしいとの事です。」
「えええ~。」
「アレク殿下も頼りにしておられます。あの方は隙あらば毒を盛られてるので、、、。」
遠い目で仰る。
そんな事言われたら、、、。
私だって、殿下が苦しまれる姿なんて2度と見たくもないわ。
「承知致しました。私にできる事なら何なりと。」
「わーい、言質取りましたからね!」
「はい?」
「今まで僕1人で大変だったんです!殿下人使い荒いし!仲間ができて嬉しいです!」
めちゃくちゃ喜んでくれるのは、歓迎されてるって事で嬉しいのだけど、、、。
早まったかしら、、、?
そうして一週間ほど後に、サイラス様の仰った通りに、正式な要請として我が家にアレク殿下の側近となる様にとの勅命が下ったのだ。
父は大混乱だった。
何故そんな事に⁈辞退できないのか⁈
と。
普通王太子殿下の側近なんて誉れ、喜びこそすれ、辞退だなんて。
そもそも、この男は勅命の意味を分かっていないの?
断れる訳ないでしょ⁈
「お父様、側近に選ばれることは貴族家にとって誉れです。辞退などと何を考えておいでですか⁈」
「う、煩い!お前は女だろうが!家でじっとしてれば良いんだ!」
「はぁ?私は次期侯爵になるんですよ?何を馬鹿な事を⁈」
「爵位はライオネルが継ぐ事になってる。お前じゃないわ!」
「それこそ何を言っているんですか!あの馬鹿に継げるわけ無いでしょう!」
「内向きの実務はお前がやれば良い。だが王太子の側近になったらそういう訳にいかなくなる!体面が悪すぎるだろう!侯爵を差し置いて侯爵夫人が側近だなどと!」
「馬鹿な事言わないで下さい!貴方に次代を決める権限なんてありません!」
「煩い!親に向かって何だその口の聞き方は⁈サリーと違って本当に可愛げのない!」
「、、、サリー?誰ですか、それ?」
聞きなれない名前に怪訝な顔になる。
すると、父は明らかにマズイという顔をした。
「とにかく、今の当主は私なんだ!偉そうな口をきくな!」
またいつもの捨て台詞で、父は邸を出て行った。
“サリー、、、?”
あの男、外に愛人でも囲ってるのかしら?
もしかして、領地に帰ると見せかけて、その愛人の元に通ってたり?
もはや“父”などと、呼ぶ気にもならなくなった。
エストラージュの直系である私をなんだと思ってるの?
ライオネルを次期当主にするですって?
ふざけた事を!
あの男は、エストラージュがどうなっても良いというのね。
ようく分かったわ。
ならもう容赦はしない。
あの男はこの家には必要ないわ。
王太子殿下の側近となるからには、身辺整理は大事よね?
そして、“大事な側近”の一大事だもの。
殿下も手をお貸し下さるわよね?
父もライオネルも関係した者全て、みんなまとめて潰してあげる。
そう心で誓っていた私は、、、。
とても殿下には見せられない表情をしていたかもしれない。
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