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7 アリアって怖いね?
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コホン、と咳払いをして気持ちを立て直す。
「毒に触れた経緯は分かりました。問題はなぜそんな仕込みを許したかですね?護衛騎士は何をしていたのですか?私がここにきた時もいませんでしたが?」
「元々いたはずの護衛は、目の前で女子生徒が気分を悪くして倒れたので、医務室まで連れて行っていたそうです。更に言えば、丁度運良く医務官が席を外していた為に、その医務官が戻るまで付き添っていたそうですね。」
「、、、は?」
「それで、ここを離れている間に仕掛けをされた上、僕らがやってきて罠に嵌ったという事らしいです。」
真面目な顔をしてサイラス様が説明された。
「、、、それ、真面目に言ってます?」
「護衛騎士の供述です。」
「、、、。」
「ねー、馬鹿でしょ?」
「、、、誰が?」
「そいつも僕らも。」
「、、、。」
「無言は肯定です?」
どう返事をしろと?
今まで一言も喋っていない殿下を見ると、“痛恨”という表情をしていた。
そうか、殿下も今知った事実なのよね。
、、、いいや、スルーしておこう。
「ではその護衛騎士の自作自演というのは考えられませんの?」
「はい。とりあえず、女生徒を医務室に連れて行ったのは事実でした。誘導に引っかかっただけなのか、共犯かは分かりませんけど。、、、騎士はすでに捕縛して尋問していますが、女生徒は拘束する理由がなくて一通りの事情聴取しか出来てないんです。」
サイラス様が答えてくださる。
「女生徒の身元は?」
「三年生の男爵家の次女です。特に派閥はありません。、、、アズロ派との関わりも確認できません。」
殿下のご質問にまたサイラス様が答えられる。
有能と言うのは本当なのね。
この短時間でよくここまで調べられたわね。
「女生徒は何と言ってる?」
「体調が悪くて迷い込んだ所を騎士に助けられたと。」
「わざわざこんな所に迷い込みます?」
「グレーですよね。どうにか尋問できればいいんですけど、、、。」
サイラス様が口元に手を当てて思案顔をされる。
捕まえる口実が欲しいって事ね?
だったら、、、。
「まぁ、何と言う事でしょう?護衛騎士ともあろう方が、あろう事か王太子殿下の護衛を放棄して、医務室で女生徒と逢瀬をしていたなんて!今までも繰り返していたかもしれませんわよね?その女生徒からもしっかり事情を聞く必要がありますわよね?何といっても業務放棄と教唆ですもの?」
わざとらしく言ってみる。
と、殿下とサイラス様が互いに顔を見合わせて、ニヤリと笑った。
「その通りだな!」
「由々しき事態です。事もあろうに王太子殿下の護衛任務の最中に、女生徒と相引きしていたなどと!不敬にも程があります!確かに今までも繰り返していたかも知れません。これはしっかり追及しなくてはいけませんね。すぐに女生徒を捕縛します!」
そう言ってサイラス様が飛び出して行った。
捕縛って言っちゃってるし。
呆れて見送ってたら、クスクスと笑う声がして振り向いた。
「アリアは恐いなぁ。」
すっごく楽しそうにアレク殿下が笑っていた。
うわぁ、眼福、、、じゃなくて。
「失礼ですね。問題提起して差し上げただけですよ?」
「ありがとう。」
「さぁ、お薬をお飲み下さい。これで完全に毒素は抜けるはずです。安定剤も入れていますから、一眠りして下さいね。目覚めたら体調も良くなってますよ。」
「うん。」
そう言って薬を飲んで横になられた。
お布団をかけ直して差し上げると、
「アリア、側にいてくれる?」
なんて、上目使いで言われて。
なんなのコレ⁈なんかの罠⁈
「お一人に出来るわけないでしょう?サイラス様が戻られるまでお側に居ますよ。」
「ふふふ、ありがとう。」
と、嬉しそうに笑う。
落ち着け私。
体調不良で甘えたになっているだけよ。
まだ熱っぽいので、濡らした手ぬぐいを額に乗せながら平常心を保とうとしているのに、
「アリアの手は冷たくて気持ちいいね、、、。」
なんて言いながら、私の手を取って自分の頬に擦り寄せる。
「!!!?」
安心しきった顔で、すぅっと眠りに落ちていった。
年上の、しかも王太子殿下なのに、
可愛くって仕方ないんですけど⁈
もう!本当にどうしてくれるの⁈
サイラス様が戻られるまでに、真っ赤になっただろう顔と煩すぎる心臓をどうにかする為には、とてつもない労力が必要だった。
「毒に触れた経緯は分かりました。問題はなぜそんな仕込みを許したかですね?護衛騎士は何をしていたのですか?私がここにきた時もいませんでしたが?」
「元々いたはずの護衛は、目の前で女子生徒が気分を悪くして倒れたので、医務室まで連れて行っていたそうです。更に言えば、丁度運良く医務官が席を外していた為に、その医務官が戻るまで付き添っていたそうですね。」
「、、、は?」
「それで、ここを離れている間に仕掛けをされた上、僕らがやってきて罠に嵌ったという事らしいです。」
真面目な顔をしてサイラス様が説明された。
「、、、それ、真面目に言ってます?」
「護衛騎士の供述です。」
「、、、。」
「ねー、馬鹿でしょ?」
「、、、誰が?」
「そいつも僕らも。」
「、、、。」
「無言は肯定です?」
どう返事をしろと?
今まで一言も喋っていない殿下を見ると、“痛恨”という表情をしていた。
そうか、殿下も今知った事実なのよね。
、、、いいや、スルーしておこう。
「ではその護衛騎士の自作自演というのは考えられませんの?」
「はい。とりあえず、女生徒を医務室に連れて行ったのは事実でした。誘導に引っかかっただけなのか、共犯かは分かりませんけど。、、、騎士はすでに捕縛して尋問していますが、女生徒は拘束する理由がなくて一通りの事情聴取しか出来てないんです。」
サイラス様が答えてくださる。
「女生徒の身元は?」
「三年生の男爵家の次女です。特に派閥はありません。、、、アズロ派との関わりも確認できません。」
殿下のご質問にまたサイラス様が答えられる。
有能と言うのは本当なのね。
この短時間でよくここまで調べられたわね。
「女生徒は何と言ってる?」
「体調が悪くて迷い込んだ所を騎士に助けられたと。」
「わざわざこんな所に迷い込みます?」
「グレーですよね。どうにか尋問できればいいんですけど、、、。」
サイラス様が口元に手を当てて思案顔をされる。
捕まえる口実が欲しいって事ね?
だったら、、、。
「まぁ、何と言う事でしょう?護衛騎士ともあろう方が、あろう事か王太子殿下の護衛を放棄して、医務室で女生徒と逢瀬をしていたなんて!今までも繰り返していたかもしれませんわよね?その女生徒からもしっかり事情を聞く必要がありますわよね?何といっても業務放棄と教唆ですもの?」
わざとらしく言ってみる。
と、殿下とサイラス様が互いに顔を見合わせて、ニヤリと笑った。
「その通りだな!」
「由々しき事態です。事もあろうに王太子殿下の護衛任務の最中に、女生徒と相引きしていたなどと!不敬にも程があります!確かに今までも繰り返していたかも知れません。これはしっかり追及しなくてはいけませんね。すぐに女生徒を捕縛します!」
そう言ってサイラス様が飛び出して行った。
捕縛って言っちゃってるし。
呆れて見送ってたら、クスクスと笑う声がして振り向いた。
「アリアは恐いなぁ。」
すっごく楽しそうにアレク殿下が笑っていた。
うわぁ、眼福、、、じゃなくて。
「失礼ですね。問題提起して差し上げただけですよ?」
「ありがとう。」
「さぁ、お薬をお飲み下さい。これで完全に毒素は抜けるはずです。安定剤も入れていますから、一眠りして下さいね。目覚めたら体調も良くなってますよ。」
「うん。」
そう言って薬を飲んで横になられた。
お布団をかけ直して差し上げると、
「アリア、側にいてくれる?」
なんて、上目使いで言われて。
なんなのコレ⁈なんかの罠⁈
「お一人に出来るわけないでしょう?サイラス様が戻られるまでお側に居ますよ。」
「ふふふ、ありがとう。」
と、嬉しそうに笑う。
落ち着け私。
体調不良で甘えたになっているだけよ。
まだ熱っぽいので、濡らした手ぬぐいを額に乗せながら平常心を保とうとしているのに、
「アリアの手は冷たくて気持ちいいね、、、。」
なんて言いながら、私の手を取って自分の頬に擦り寄せる。
「!!!?」
安心しきった顔で、すぅっと眠りに落ちていった。
年上の、しかも王太子殿下なのに、
可愛くって仕方ないんですけど⁈
もう!本当にどうしてくれるの⁈
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