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15 僕、頑張るよ?
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あの断罪から一週間が経った。
エストラージュの大スキャンダルは世間をそれはもう震撼させた。
誰がビビったかって、そりゃあ浮気をしている男性達よ?
特に婿養子の皆様は人権がなくなったそう。
ま、自業自得だけど?
これで少しはまともな男性が増えると良いわね?
元父は当然だけど損失の返済が出来なくて終身刑になったんですって。
労働奉仕だとかでどこかの鉱山にでも行っちゃったかしら?
興味ないから知らないわ。
実家のメイソン伯爵家は爵位と領地を返上して平民になったんですって。
欲深いって罪ね?
恨むなら元父とその兄にしてね?
クレヴィス伯爵も元父と同じ。
何してるのかしらね?
そして、一族の成人男子は宣言通り国外追放になった。
これは私への逆恨みを懸念しての事でもあったのだけど、実はアレク様がライオネルが私に接触するかもしれないのを心配してくれたからだったとか。
サイラス様がこっそり教えて下さった。
コレって公私混同にはならないのかしら?
まぁ、陛下が容認されたならいいんでしょ。
アレの顔を二度と見なくていいなら嬉しいわ。
本当にどれだけ助けて頂いたかしら。
これから側近としてしっかりお返ししなくちゃ!
家族はいなくなっちゃったけど、元々あの男はほとんど家には居なかったから、生活自体はそんなに変わらない。
ただ、問題は空席になってしまったエストラージュ侯爵位の事。
私はまだ成人前だから継げない。
直系はお祖父様だけなのよね。
領地から出てきていただかないと、、、。
「アリア、お待たせ。どうしたの?難しい顔して?可愛い顔が台無しだよ?」
はっ、と顔を上げると、アレク殿下が向かいの席に座っていた。
もうまたこの方はこういう言い方を!
サイラス様との噂の話をしたからムキになっているのかしら?
私じゃなかったら勘違いしますよ⁈
私だって、いいかげん勘違いしますよ、、、。
ここは王宮の殿下の執務室だ。
大事な話があるって言われてやって来た。
人払いされたみたいで、さっきまでいた従者がいなくなっている。
「はい、どうぞ。」
「えっ?」
そう言って目の前に置かれたのは、綺麗なティーカップ。
え?殿下が淹れて下さったの⁈
「申し訳ありません!お茶でしたら私が!」
「大丈夫,慣れてるから。僕お茶淹れるの得意なんだ。」
どうぞ、と示されたので、有り難く頂く。
「あ、美味しい、、、。」
「ふふふ、良かった。」
にっこり微笑んだお顔が、はぁ、癒されます。
「今日はサイラス様はいらっしゃらないんですね?」
「うん、アリアに大事な話があるからね。」
「何でしょう?」
「うん、まぁその前に、さっき難しい顔してたのはどうしたの?何か心配事?」
「あ、、、。いえ、エストラージュの爵位の事で。今空席でしょう?私は未成年だし、直系の親族も祖父しかいなくて、どうしたら良いのかなって。」
「ああ、そうだね。いつまでも保留じゃ不味いよね。」
「祖父に復帰してもらうしかないと思うんですけど、父の事も知らせたんですが、連絡が取れなくて、、、。」
「、、、ったく、あのクズめ。」
「?殿下?なんて?」
ボソッと言われた言葉が聞き取れなかった。
「何でもないよ。それも含めて、提案があるんだ。」
「提案ですか?」
「うん。」
そう言って殿下は、テーブルを回り込んで、あろうことか私の前で跪かれた。
「でっ殿下⁈」
止めようとして出した私の手を取って。
「アリア、僕と結婚してくれないか?」
そんな事を仰った。
時が止まった気がした。
「本気、、、ですか?」
「もちろんだ。僕にはアリアしかいない。僕は王太子だ。、、、近いうちに王になる。その時隣にいてくれるのは、アリアがいい。たくさん苦労をさせると思う。それでも、アリアにそばにいて欲しい。僕は誰よりもアリアを愛してる。」
こんな夢みたいな事があっても良いの⁈
心は全身で頷いてる!
だけど、だけど、だけど!!!
涙が溢れてくる。
これはいつかの嬉しい涙なんかじゃなくて。
「無理ですよ、、、!だって私はエストラージュの後継です。直系は私しかいないんですから!」
「うん、知ってるよ。、、、て事は、それがクリアできればオッケーって事だね?」
「だから!」
「でもさ、次代が2人以上いれば良いんじゃない?」
「はい?」
意味不明な言葉に一瞬で涙が止まる。
「だから、王家の後継ぎとエストラージュの後継ぎ。予備にもう1人いれば完璧だよね!僕頑張るから♡」
「な、な、な⁈」
「あはは、アリア顔真っ赤!」
「殿下!」
もうもうもう!
なんて事言うの?この人は⁈
さっきまでの私の葛藤をどうしてくれるの⁈
「とりあえずは前候爵、アリアのお祖父様に復帰してもらって、潰れるまで頑張っていてもらおう。そもそも、あんなクズをアリアの母上の婿に選んだ責任を取らせないとね?」
「そんなに上手く行きますか、、、?」
「いかせてみせるよ。知ってるでしょう?僕、有言実行が座右の銘。」
パチンと音がしそうなウインクをして、楽しそうに笑う。
最初から分かってる。
貴方の望みは全て叶えたいのだ、私は。
何より、私を望んでくれるなんてこんな幸せ。
だけど、、、。
「でも殿下、お忘れではないですか?エストラージュには女児しか生まれません。王家の後継は望めない、、、!」
「うーん、でもね?過去に女王がいなかった訳じゃないし、王位は男でないと駄目って決まりはないよね?それに、エストラージュと反対で王家はどっちかっていうと男系なんだよね。」
「えっ?」
「面白いと思わない?果たしてどっちの遺伝子が勝つんだろうね?賭けてみる?」
「もう!殿下!」
あははは、と楽しそうに笑う。
もう本当にこんな方だったなんて誰が思うって言うの⁈
「だからねぇ、アリア。お願いだ。僕の妃になって。父と違って側妃なんて絶対娶らないって誓う。君だけを一生大切にすると誓うから。」
ああ、その不安もお見通しでしたか。
貴方を誰かと“共有する”なんて考えられない。
「もし約束を破ったら、僕を殺して良いよ?」
「!なんて事言うんです、、、!」
「元々、君に拾ってもらった命だもの。惜しくないよ?」
「殿下、、、。」
「だからね?絶対君を裏切らないと誓うから、僕の手を取って。お願いだから。」
何度も何度も懇願される。
ああ、もう、本当に!
「約束ですよ!」
初めから私に勝ち目なんてないのに。
「うん、ありがとう。」
そう言って、アレク殿下は宝物に触れる様にそっと私を抱きしめてくれた。
溢れ出す涙を止められない。
けれど、
今度のそれは、紛れもない嬉し涙だ。
エストラージュの大スキャンダルは世間をそれはもう震撼させた。
誰がビビったかって、そりゃあ浮気をしている男性達よ?
特に婿養子の皆様は人権がなくなったそう。
ま、自業自得だけど?
これで少しはまともな男性が増えると良いわね?
元父は当然だけど損失の返済が出来なくて終身刑になったんですって。
労働奉仕だとかでどこかの鉱山にでも行っちゃったかしら?
興味ないから知らないわ。
実家のメイソン伯爵家は爵位と領地を返上して平民になったんですって。
欲深いって罪ね?
恨むなら元父とその兄にしてね?
クレヴィス伯爵も元父と同じ。
何してるのかしらね?
そして、一族の成人男子は宣言通り国外追放になった。
これは私への逆恨みを懸念しての事でもあったのだけど、実はアレク様がライオネルが私に接触するかもしれないのを心配してくれたからだったとか。
サイラス様がこっそり教えて下さった。
コレって公私混同にはならないのかしら?
まぁ、陛下が容認されたならいいんでしょ。
アレの顔を二度と見なくていいなら嬉しいわ。
本当にどれだけ助けて頂いたかしら。
これから側近としてしっかりお返ししなくちゃ!
家族はいなくなっちゃったけど、元々あの男はほとんど家には居なかったから、生活自体はそんなに変わらない。
ただ、問題は空席になってしまったエストラージュ侯爵位の事。
私はまだ成人前だから継げない。
直系はお祖父様だけなのよね。
領地から出てきていただかないと、、、。
「アリア、お待たせ。どうしたの?難しい顔して?可愛い顔が台無しだよ?」
はっ、と顔を上げると、アレク殿下が向かいの席に座っていた。
もうまたこの方はこういう言い方を!
サイラス様との噂の話をしたからムキになっているのかしら?
私じゃなかったら勘違いしますよ⁈
私だって、いいかげん勘違いしますよ、、、。
ここは王宮の殿下の執務室だ。
大事な話があるって言われてやって来た。
人払いされたみたいで、さっきまでいた従者がいなくなっている。
「はい、どうぞ。」
「えっ?」
そう言って目の前に置かれたのは、綺麗なティーカップ。
え?殿下が淹れて下さったの⁈
「申し訳ありません!お茶でしたら私が!」
「大丈夫,慣れてるから。僕お茶淹れるの得意なんだ。」
どうぞ、と示されたので、有り難く頂く。
「あ、美味しい、、、。」
「ふふふ、良かった。」
にっこり微笑んだお顔が、はぁ、癒されます。
「今日はサイラス様はいらっしゃらないんですね?」
「うん、アリアに大事な話があるからね。」
「何でしょう?」
「うん、まぁその前に、さっき難しい顔してたのはどうしたの?何か心配事?」
「あ、、、。いえ、エストラージュの爵位の事で。今空席でしょう?私は未成年だし、直系の親族も祖父しかいなくて、どうしたら良いのかなって。」
「ああ、そうだね。いつまでも保留じゃ不味いよね。」
「祖父に復帰してもらうしかないと思うんですけど、父の事も知らせたんですが、連絡が取れなくて、、、。」
「、、、ったく、あのクズめ。」
「?殿下?なんて?」
ボソッと言われた言葉が聞き取れなかった。
「何でもないよ。それも含めて、提案があるんだ。」
「提案ですか?」
「うん。」
そう言って殿下は、テーブルを回り込んで、あろうことか私の前で跪かれた。
「でっ殿下⁈」
止めようとして出した私の手を取って。
「アリア、僕と結婚してくれないか?」
そんな事を仰った。
時が止まった気がした。
「本気、、、ですか?」
「もちろんだ。僕にはアリアしかいない。僕は王太子だ。、、、近いうちに王になる。その時隣にいてくれるのは、アリアがいい。たくさん苦労をさせると思う。それでも、アリアにそばにいて欲しい。僕は誰よりもアリアを愛してる。」
こんな夢みたいな事があっても良いの⁈
心は全身で頷いてる!
だけど、だけど、だけど!!!
涙が溢れてくる。
これはいつかの嬉しい涙なんかじゃなくて。
「無理ですよ、、、!だって私はエストラージュの後継です。直系は私しかいないんですから!」
「うん、知ってるよ。、、、て事は、それがクリアできればオッケーって事だね?」
「だから!」
「でもさ、次代が2人以上いれば良いんじゃない?」
「はい?」
意味不明な言葉に一瞬で涙が止まる。
「だから、王家の後継ぎとエストラージュの後継ぎ。予備にもう1人いれば完璧だよね!僕頑張るから♡」
「な、な、な⁈」
「あはは、アリア顔真っ赤!」
「殿下!」
もうもうもう!
なんて事言うの?この人は⁈
さっきまでの私の葛藤をどうしてくれるの⁈
「とりあえずは前候爵、アリアのお祖父様に復帰してもらって、潰れるまで頑張っていてもらおう。そもそも、あんなクズをアリアの母上の婿に選んだ責任を取らせないとね?」
「そんなに上手く行きますか、、、?」
「いかせてみせるよ。知ってるでしょう?僕、有言実行が座右の銘。」
パチンと音がしそうなウインクをして、楽しそうに笑う。
最初から分かってる。
貴方の望みは全て叶えたいのだ、私は。
何より、私を望んでくれるなんてこんな幸せ。
だけど、、、。
「でも殿下、お忘れではないですか?エストラージュには女児しか生まれません。王家の後継は望めない、、、!」
「うーん、でもね?過去に女王がいなかった訳じゃないし、王位は男でないと駄目って決まりはないよね?それに、エストラージュと反対で王家はどっちかっていうと男系なんだよね。」
「えっ?」
「面白いと思わない?果たしてどっちの遺伝子が勝つんだろうね?賭けてみる?」
「もう!殿下!」
あははは、と楽しそうに笑う。
もう本当にこんな方だったなんて誰が思うって言うの⁈
「だからねぇ、アリア。お願いだ。僕の妃になって。父と違って側妃なんて絶対娶らないって誓う。君だけを一生大切にすると誓うから。」
ああ、その不安もお見通しでしたか。
貴方を誰かと“共有する”なんて考えられない。
「もし約束を破ったら、僕を殺して良いよ?」
「!なんて事言うんです、、、!」
「元々、君に拾ってもらった命だもの。惜しくないよ?」
「殿下、、、。」
「だからね?絶対君を裏切らないと誓うから、僕の手を取って。お願いだから。」
何度も何度も懇願される。
ああ、もう、本当に!
「約束ですよ!」
初めから私に勝ち目なんてないのに。
「うん、ありがとう。」
そう言って、アレク殿下は宝物に触れる様にそっと私を抱きしめてくれた。
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