[完結]聖女?いいえ容赦のない鬼だそうなので、クズな父と婚約者をまとめてヤっちゃっていいですか? 、、、そして私は王妃になります。

masato

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14 鬼で結構よ

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エストの五家,筆頭侯爵家エストラージュに対する背任と策謀という事で、国王陛下立会いの下断罪が行われる事となった。

アズロ宰相閣下自らが指揮を取ってくださるそう。
こういうのって司法局の仕事じゃないの?って思ったけど、そういえば司法長官はアズロ公爵派だったっけ?

「もちろん、文句言ってきたよ。越権行為だって。でもほら、アリアは僕の側近だし?何より被害を受けたのがエストラージュだから政治的意味合いが大きいから最高府で預かるって押し切ったんだよ。」
「そうなんですね。」
「、、、更に言えば,王太子妃候補だからって、、、ッうぷ!」
「煩いよお前!」
「えっ?」
「何でもないよ!さぁそろそろ行こう。皆集まってる頃だ!」

??? サイラス様の言葉、よく聞こえなかったんだけど、まぁいいでしょう。
これからが本番だもの。


断罪の場は謁見の間だった。
正面の玉座には両陛下が座られている。
そして入り口から玉座まで一直線に続く赤い絨毯の両脇に主だった文官や近衛達が整然と並んでいた。

玉座の左斜め前にアズロ宰相が構え、反対側にアレク殿下とサイラス様、私が並ぶ。
うわぁ、当事者とはいえ、上座と言える位置に立たされるなんて緊張するわぁ。

やがて、陛下のお言葉の後、断罪が始まる。

「此度、我が国の重鎮たる、更には医療の要であるエストラージュ侯爵家に対する背任と謀略があったと報告を受けた。誠に遺憾である。全ての罪を明らかにせよ。」
「承知いたしました。罪人を!」

陛下のお言葉に応じて宰相閣下が近衛達に声をかけると、父とその兄のメイソン伯爵、クレヴィス伯爵が両手首を縄で拘束された状態で玉座の前に連れてこられた。
皆総じて青い顔をしている。
流石に自分の罪を自覚してるのかしらね?

「オスカー・エストラージュ侯爵、お前はすでに平民と結婚していながらそれを偽って財産目的でエストラージュに婿入りした二重結婚の詐欺容疑が持たれている。認めるな。」
「ちっ、違います!確かに付き合いはありましたが!」
「子供まで作っていながら何を今更。更にはその女と娘のために、莫大な金額を注ぎ込んでいるな?エストラージュの資産から。」
「そ、それは、、、。」
「そして実家たるメイソン伯爵家はそれを推奨、黙認したと。」
「も、申し訳ありません。」
「では、認めるのだな。」
「、、、。」

黙秘?往生際の悪い事。
ああ、頭も悪かったものね。
それにしても、伯父様かぁ。
そう言えば、会った事なかったわね。
ウチに来た事なかったわよ?
少しは罪の意識でもあって、顔を出せなかったって言うなら、ちょっとは可愛げもあるけれど、ねぇ?

「オスカー・エストラージュ、お前、更には侯爵としての仕事さえ何一つしてなかったな。エストラージュ家に対して害悪でしかない。よって背任の責を取り,貴族籍を剥奪する。更に、エストラージュに与えた損害は全て返済せよ。これは実家たるメイソン伯爵家も連座である。オスカーが払えぬ場合は責任を持って支払うように。」
「そっ、そんな!あんまりです!私は関係ありません!」

あ、全然可愛くなかったわ。

「馬鹿を言うな。つい先程、知ってて黙認したと認めたではないか。同罪だろうが。」

今まで静かに見守っていた国王陛下が、イラついたように仰った。
あ、陛下怒ってらっしゃるみたい。
あはは、面白いくらいオジサマが真っ白なお顔になったわ。

「まだ試算だが、総額は100億は超えよう。心して支払えよ。期限はひと月とする。支払いが遅れた場合は終身刑として収監するものとする。」
「ヒィィ⁈」

わぁ、宰相閣下容赦ないわぁ。
たかが弱小の伯爵家にどんだけ無理強い~。
領地と爵位売ればまぁいけるか?
事実上の爵位剥奪ね。

「アッ、アリア!助けてくれ!お前なら何とかできるだろう⁈血を分けた父がそんな目にあってもいいと思ってるのか⁈」
「そ、そうだ!アリア様、こんな事で親族を不幸にするなんてあり得ないでしょう!お助けください!」

父と叔父が何を思ったか、私に縋ってくる。
いや、何言ってんの、この人達?

「貴方今まで父親らしい事をした事がありまして?はっきり言って迷惑しかかけられた覚えはありませんわ。それで、どうして助けてもらえるなんて妄想できるのかしらね?」
「それが親に言う言葉か⁈お前は鬼か⁈」
「鬼で結構ですわ。貴方にかける情けなど一切ありませんもの。そして伯父様、初めまして、ですわね?今まで一切関わりを持たなかったくせに、今更親族顔しないで頂けますか?あなた方はそこの不良品を我がエストラージュに押し付けた迷惑極まりない一族でしてよ?しっかり責任を取って下さいませ。」

腹が立ったので、ついキツい言い方になった自覚はある。
でもね、サイラス様
「こっわ!」
じゃないわよ。
聞こえてるからね⁈

コホン、と宰相閣下が咳払いをされ、場を切り替えられた。

「次にクレヴィス伯爵。お前は、その事実を知ってオスカーを脅したな?」
「知りません!誤解です!」
「では、オスカーから奪い取った金銭や金も払わずせしめた膨大な量の薬剤はどう説明する気だ?」
「それは、、、業務提携のためで!きょ、共同出資の、えー、、、、。」
「いい加減にせよ。」
「嘘ではありません!その証拠に両家の縁談が整っておりまして!」
「なるほど、貴様、エストラージュ簒奪まで企てていたか!」
「ええッ⁈違っ!」
「陛下!ご裁可を!とんでもない陰謀にございます‼︎」
「違っ!」
「エストラージュ簒奪などと、不愉快極まる!エストラージュは我が国の医療の要だぞ!極刑を与えよ!」
「そんな!違います!私は!」
「御意。クレヴィス伯爵家は断絶、領地、資産は全て没収とする。なお、これはエストラージュへの損失の補填とする。当主ブルーノ・クレヴィスは終身刑、一族は全て貴族籍剥奪と成人以上の男子は国外追放とする。」
「うわぁぁぁー!!!」

ほんと、うわぁぁだわ。
なにこのスピード裁決⁈アリなの⁈
宰相閣下ほんっと容赦ないわぁ!

呆れているうちに、クレヴィス伯爵とメイソン伯爵は連れ出されて行った。

「アリア」

名を呼ばれて振り向くと、すぐ横にアレク殿下が立っていた。
あれ?サイラス様はどこに行ったの?
あ、宰相閣下の横にいる。
いつの間に⁈

「エストラージュ前侯爵も連れて行かれるよ。もう会う事もないだろう。話しておく事はないかい?」

お別れ、と言うことね?
気遣って下さるのね。
でもね、

「ございませんわ。顔を見たら色々文句を言ってやろうと思ってはおりましたが、もう良いのです。、、、アレは何を言っても反省などしませんわ。相手をするだけ無駄だと痛感致しました。あとは存分に痛い目を見て後悔すれば良いのです。」
「ふふふ。」
「、、、殿下まで鬼だと仰るので?」
「こんなに優しい鬼はいないよ?」
「なっ⁈」
「頑張ったね、アリア。」
「っ、、、。」


この方は、また私を泣かせようとする、、、。
でもね、絶対泣かないわ。

この決別は私が望んで決めた事。
最後まで見届けると決めていたの。

さようなら、父だった人。
もう2度と貴方のことは思い出さないわ。



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