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12 宰相閣下は良い人でした
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何とか軌道修正した話し合いの結果。
まずは実務レベルでご相談を。
コンコンとドアをノックする音が響いた。
室内に戻り待機していた侍従が対応に当たる。
「殿下、お呼びですか?」
現れたのは、あろうことかこの国の行政トップのアズロ宰相閣下だった。
え、そんな人呼び出していいの⁈
ていうか、アズロ宰相って、アズロ公爵の弟でしょう?
敵じゃなかったの⁈
「忙しいところすまない。例のエストラージュの件で相談があるんだ。」
殿下がいきなり本題に入る。
すると、側に私がいる事に気がついたアズロ宰相が穏やかな笑みを浮かべてご挨拶して下さった。
「ああ、これはエストラージュ侯爵令嬢、初めてお目にかかる。カルロス・アズロと申します。よろしくお願いします。」
「こちらこそ、お会いできて光栄です。アリア・エストラージュでございます。この度殿下の側近を務めさせていただく栄誉を頂きました。よろしくお願い致します。」
丁寧にご挨拶下さったので、こちらもしっかりと受け答えする。
渾身のカーテシー。
仮にも侯爵令嬢ですからね。
「さすが、アリーチェ様以来のご才女と名高いお方ですな。いやまったく、殿下に相応しい!」
「宰相。」
「いや失礼、先走りました。それで、エストラージュの件ですね。」
???よくわからないけれど、まぁいいでしょう。
アリーチェ様というと、私達の親世代の方で、学園始まって以来の才女だったと誉高い方よね?
私の母の二つ上だそうで、母も憧れていたと言っていた。
ウチと同じくエストを冠する五家の一つ、エストリア伯爵家のご出身で、意に沿わぬ縁談を蹴って隣国ラジアンへ単身渡り、王女殿下の侍女を経て今は公爵夫人になられたと聞く。
女生徒の間では伝説級の女性だわ。
そんな方と比べられるなんて光栄ね。
側近に相応しいと思って下さっていると受け取って良いのかしらね?
みんな揃って、ソファーに移動する。
殿下はお誕生席。
斜めのソファーに私、その向かいのソファーに宰相閣下とサイラス様が並んで座る。
殿下が今まで話し合っていた内容を宰相閣下に説明して、エストラージュの家宅捜査の依頼をされた。
「ふむ、なるほど。承知しました。では即座にエストラージュの差し押さえと家宅捜索の準備を致しましょう。」
即座に請け負って下さったけれど、この方はアズロ公爵家の方なのに、敵ではないの?
私の不安に気づいた殿下が説明して下さった。
「大丈夫だよ、アリア。彼は確かにアズロの出身ではあるけれど、僕が一番信頼している人物だからね。」
「でっ、殿下⁈」
わぁ、本人の目の前でなんて事を⁈
「ああ,“アズロ”という事で不安にさせてしまいましたか。申し訳ない。ですが安心して下さい。私はあの家とは随分と前に縁を切っています。色々ありましてね、私は彼らにとって最大の敵だと思いますよ。私の望みはあの家を倒す事ですから。」
一体何があったというのだろう。
けれど、殿下が信頼するというなら自分も信じるだけだ。
「分かりました。私も貴方様を信じます。どうぞご助力お願い致します。」
「承知致しました。お任せ下さい。エストラージュを潰させはしませんよ。」
そうして、力強く請け負って下さった言葉に嘘はなく。
この三日後、エストラージュに激震が走った。
王宮からの騎士団が邸を取り囲み封鎖。
そして50人を超える執政官や文官達が家宅捜査に入ったのだ。
ちなみにこの日、父は件の愛人の元におり、同時にこちらにも捜査の手が入る。
まぁ、わざとその日を狙ったんだけど。
更に、父の実家であるメイソン伯爵家と、クレヴィス伯爵家にも時を同じくして家宅捜査が行われた。
後に“エストラージュ危機”なんて名をつけられる一大スキャンダルである。
まずは実務レベルでご相談を。
コンコンとドアをノックする音が響いた。
室内に戻り待機していた侍従が対応に当たる。
「殿下、お呼びですか?」
現れたのは、あろうことかこの国の行政トップのアズロ宰相閣下だった。
え、そんな人呼び出していいの⁈
ていうか、アズロ宰相って、アズロ公爵の弟でしょう?
敵じゃなかったの⁈
「忙しいところすまない。例のエストラージュの件で相談があるんだ。」
殿下がいきなり本題に入る。
すると、側に私がいる事に気がついたアズロ宰相が穏やかな笑みを浮かべてご挨拶して下さった。
「ああ、これはエストラージュ侯爵令嬢、初めてお目にかかる。カルロス・アズロと申します。よろしくお願いします。」
「こちらこそ、お会いできて光栄です。アリア・エストラージュでございます。この度殿下の側近を務めさせていただく栄誉を頂きました。よろしくお願い致します。」
丁寧にご挨拶下さったので、こちらもしっかりと受け答えする。
渾身のカーテシー。
仮にも侯爵令嬢ですからね。
「さすが、アリーチェ様以来のご才女と名高いお方ですな。いやまったく、殿下に相応しい!」
「宰相。」
「いや失礼、先走りました。それで、エストラージュの件ですね。」
???よくわからないけれど、まぁいいでしょう。
アリーチェ様というと、私達の親世代の方で、学園始まって以来の才女だったと誉高い方よね?
私の母の二つ上だそうで、母も憧れていたと言っていた。
ウチと同じくエストを冠する五家の一つ、エストリア伯爵家のご出身で、意に沿わぬ縁談を蹴って隣国ラジアンへ単身渡り、王女殿下の侍女を経て今は公爵夫人になられたと聞く。
女生徒の間では伝説級の女性だわ。
そんな方と比べられるなんて光栄ね。
側近に相応しいと思って下さっていると受け取って良いのかしらね?
みんな揃って、ソファーに移動する。
殿下はお誕生席。
斜めのソファーに私、その向かいのソファーに宰相閣下とサイラス様が並んで座る。
殿下が今まで話し合っていた内容を宰相閣下に説明して、エストラージュの家宅捜査の依頼をされた。
「ふむ、なるほど。承知しました。では即座にエストラージュの差し押さえと家宅捜索の準備を致しましょう。」
即座に請け負って下さったけれど、この方はアズロ公爵家の方なのに、敵ではないの?
私の不安に気づいた殿下が説明して下さった。
「大丈夫だよ、アリア。彼は確かにアズロの出身ではあるけれど、僕が一番信頼している人物だからね。」
「でっ、殿下⁈」
わぁ、本人の目の前でなんて事を⁈
「ああ,“アズロ”という事で不安にさせてしまいましたか。申し訳ない。ですが安心して下さい。私はあの家とは随分と前に縁を切っています。色々ありましてね、私は彼らにとって最大の敵だと思いますよ。私の望みはあの家を倒す事ですから。」
一体何があったというのだろう。
けれど、殿下が信頼するというなら自分も信じるだけだ。
「分かりました。私も貴方様を信じます。どうぞご助力お願い致します。」
「承知致しました。お任せ下さい。エストラージュを潰させはしませんよ。」
そうして、力強く請け負って下さった言葉に嘘はなく。
この三日後、エストラージュに激震が走った。
王宮からの騎士団が邸を取り囲み封鎖。
そして50人を超える執政官や文官達が家宅捜査に入ったのだ。
ちなみにこの日、父は件の愛人の元におり、同時にこちらにも捜査の手が入る。
まぁ、わざとその日を狙ったんだけど。
更に、父の実家であるメイソン伯爵家と、クレヴィス伯爵家にも時を同じくして家宅捜査が行われた。
後に“エストラージュ危機”なんて名をつけられる一大スキャンダルである。
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