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21 サイラス病は不治の病(エピローグ3)アレク
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私が王位に即位して、つまりアリアと結婚して5年が経った。
この間に、アズロ派を一掃する大粛清と呼ばれる貴族達の処分が行われた。
取り潰しとなった貴族家は5家にのぼり、当主が責任を取り代替わりとなった家は10を超えた。
更には罪を問われた文官達も数知れず、、、。
とにもかくにも、国は大混乱だ。
この混乱に乗じて他国に攻め入られる、、、なんて事にならなかったのはひとえにサイラスのおかげだった。
あいつが、隣の大国ラジアンの大貴族リンドバーグ公爵家の姫君と結婚して、エストロジアを継いだから。
この姫君があいつが拗らせてた初恋の相手なんだが、おかげでエストロジアに更にはエスト王国に大国ラジアンの庇護があると知らしめられた訳だ。
他力本願ちょっと情けないものはあるが、おかげで他国に怯える事なく、内政に注力できた。
5年経った今、国内は随分と落ち着いた。
そして、アリアは一昨年、双子の子を産んだ。
第一王女 アリステア と、
第一王子 アラン。
家族みんな“ア”で始まる名前で紛らわしい、とサイラスには不評だったが、
「お揃い!」
と言って、アリアが喜んでるんだからいいじゃないか。
そして、アリアは今新しい命をお腹に宿している。
「今度は男の子かな女の子かな?」
「ふふふ、アレク様はどちらがよろしいのです?」
「どっちでもいいけど、ほら結婚前にした賭け覚えてる?王家とエストラージュ、どっちの遺伝子が強いかって。」
「アレク様ったら、、、。」
「今のところ引き分けだから、今度こそ決着がつくね?」
「もう。」
「女の子ならアリアの勝ち、男の子なら私の勝ち。アリア、勝ったら何を望む?」
「、、、そうですね、今が幸せすぎて、何も思い付きませんわ。」
「ふふふ、幸せだと思ってくれてるんだ?」
「もちろんです。素敵な旦那様と愛しい我が子達がいて、やりがいのあるお仕事があって。」
思わずクスクスと笑ってしまう。
「、、、何ですの?」
アリアの眉間に皺が寄る。
不機嫌の合図。
「ごめんごめん。“王妃”をお仕事って言っちゃうところが、昔と変わってないなって思ったんだよ。」
「ああ、そんなこともありましたわね。“王太子”をお仕事って言って、あなた方に馬鹿にされましたわ。」
ツンとそっぽを向いてしまった。
やばいやばい、機嫌を損ねる。
「馬鹿になんてしてないさ。可愛いって思っただけだよ。もちろん、今もね?」
「、、、もう。アレク様こそ変わりませんわ。あの頃から、何かにつけて可愛いとか綺麗とかって、口がお上手ですこと!」
「心外だね?心から思ってるのに。だって君以外に言ったことはないからね?」
「、、、もう、またそんな事を、、、。」
そう言って真っ赤になったアリアが可愛すぎてどうしてくれよう。
くそう、まだ安定期じゃないんだから我慢我慢、、、。
「そう言えばね?サイラスのところの執事が言ってたんだよね。サイラスの溺愛っぷりって異常じゃない?」
「ああ、、、。」
クスクスとアリアが笑う。
機嫌は治ったかな?
「本当に良かったですよね、拗らせた初恋が実って。」
「だな!でだ、そのサイラスの溺愛って伝染病なんじゃないかって言うんだよ。」
「はぁ?」
「あいつの周りそんな奴ばっかりらしいよ。もちろんその執事もね?」
「、、、エストロジアって平和なんですのね~。」
呆れたように笑う。
「あ、信じてないね?私だって絶対感染してるのに!だってほら、アリアが可愛くって仕方ないんだもの。」
「なっなっなっ!!!」
ああもう、これだけ毎日可愛いって言われ続けて何で慣れないのかなぁ?
まぁ、そこがまた可愛いくて仕方ないんだけども。
「だからね?これからもずっと君を愛し続けるから、いつまでも変わらないアリアでいてね?“僕、頑張るから♡”」
「なっなっなっ⁈」
あははは、といつかの様に笑う。
本当にね、こんなに愛しい存在が共にいてくれる幸せが訪れるなんて。
昔の私に教えてあげたい。
人生って捨てたものじゃないよ、ってね?
( fin )
✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎
エストラージュ侯爵家編、これにて完結です。
お付き合い下さった皆様、本当にありがとうございました。
❤️や栞をつけてお話しを追いかけて下さった方、とっても嬉しかったです。
前作エストロジア編がダブルヒロインで重い内容だったので、自身、書いててしんどかったので、今回ははっちゃけました!
書いててすっごい楽しかったです!
少しでも楽しんで頂けたなら嬉しいのですが、、、。
次はまたしばらくお休みしますが、子爵家編or男爵家編始めます。
ハイ、次世代のお話です。
アリステアちゃんとアランくん➕αくん出てきます。
よろしかったらお付き合い下さると嬉しいです。
この間に、アズロ派を一掃する大粛清と呼ばれる貴族達の処分が行われた。
取り潰しとなった貴族家は5家にのぼり、当主が責任を取り代替わりとなった家は10を超えた。
更には罪を問われた文官達も数知れず、、、。
とにもかくにも、国は大混乱だ。
この混乱に乗じて他国に攻め入られる、、、なんて事にならなかったのはひとえにサイラスのおかげだった。
あいつが、隣の大国ラジアンの大貴族リンドバーグ公爵家の姫君と結婚して、エストロジアを継いだから。
この姫君があいつが拗らせてた初恋の相手なんだが、おかげでエストロジアに更にはエスト王国に大国ラジアンの庇護があると知らしめられた訳だ。
他力本願ちょっと情けないものはあるが、おかげで他国に怯える事なく、内政に注力できた。
5年経った今、国内は随分と落ち着いた。
そして、アリアは一昨年、双子の子を産んだ。
第一王女 アリステア と、
第一王子 アラン。
家族みんな“ア”で始まる名前で紛らわしい、とサイラスには不評だったが、
「お揃い!」
と言って、アリアが喜んでるんだからいいじゃないか。
そして、アリアは今新しい命をお腹に宿している。
「今度は男の子かな女の子かな?」
「ふふふ、アレク様はどちらがよろしいのです?」
「どっちでもいいけど、ほら結婚前にした賭け覚えてる?王家とエストラージュ、どっちの遺伝子が強いかって。」
「アレク様ったら、、、。」
「今のところ引き分けだから、今度こそ決着がつくね?」
「もう。」
「女の子ならアリアの勝ち、男の子なら私の勝ち。アリア、勝ったら何を望む?」
「、、、そうですね、今が幸せすぎて、何も思い付きませんわ。」
「ふふふ、幸せだと思ってくれてるんだ?」
「もちろんです。素敵な旦那様と愛しい我が子達がいて、やりがいのあるお仕事があって。」
思わずクスクスと笑ってしまう。
「、、、何ですの?」
アリアの眉間に皺が寄る。
不機嫌の合図。
「ごめんごめん。“王妃”をお仕事って言っちゃうところが、昔と変わってないなって思ったんだよ。」
「ああ、そんなこともありましたわね。“王太子”をお仕事って言って、あなた方に馬鹿にされましたわ。」
ツンとそっぽを向いてしまった。
やばいやばい、機嫌を損ねる。
「馬鹿になんてしてないさ。可愛いって思っただけだよ。もちろん、今もね?」
「、、、もう。アレク様こそ変わりませんわ。あの頃から、何かにつけて可愛いとか綺麗とかって、口がお上手ですこと!」
「心外だね?心から思ってるのに。だって君以外に言ったことはないからね?」
「、、、もう、またそんな事を、、、。」
そう言って真っ赤になったアリアが可愛すぎてどうしてくれよう。
くそう、まだ安定期じゃないんだから我慢我慢、、、。
「そう言えばね?サイラスのところの執事が言ってたんだよね。サイラスの溺愛っぷりって異常じゃない?」
「ああ、、、。」
クスクスとアリアが笑う。
機嫌は治ったかな?
「本当に良かったですよね、拗らせた初恋が実って。」
「だな!でだ、そのサイラスの溺愛って伝染病なんじゃないかって言うんだよ。」
「はぁ?」
「あいつの周りそんな奴ばっかりらしいよ。もちろんその執事もね?」
「、、、エストロジアって平和なんですのね~。」
呆れたように笑う。
「あ、信じてないね?私だって絶対感染してるのに!だってほら、アリアが可愛くって仕方ないんだもの。」
「なっなっなっ!!!」
ああもう、これだけ毎日可愛いって言われ続けて何で慣れないのかなぁ?
まぁ、そこがまた可愛いくて仕方ないんだけども。
「だからね?これからもずっと君を愛し続けるから、いつまでも変わらないアリアでいてね?“僕、頑張るから♡”」
「なっなっなっ⁈」
あははは、といつかの様に笑う。
本当にね、こんなに愛しい存在が共にいてくれる幸せが訪れるなんて。
昔の私に教えてあげたい。
人生って捨てたものじゃないよ、ってね?
( fin )
✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎
エストラージュ侯爵家編、これにて完結です。
お付き合い下さった皆様、本当にありがとうございました。
❤️や栞をつけてお話しを追いかけて下さった方、とっても嬉しかったです。
前作エストロジア編がダブルヒロインで重い内容だったので、自身、書いててしんどかったので、今回ははっちゃけました!
書いててすっごい楽しかったです!
少しでも楽しんで頂けたなら嬉しいのですが、、、。
次はまたしばらくお休みしますが、子爵家編or男爵家編始めます。
ハイ、次世代のお話です。
アリステアちゃんとアランくん➕αくん出てきます。
よろしかったらお付き合い下さると嬉しいです。
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