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52 こんなはずじゃなかった(カルヴァン)
エストロジア公爵邸に捜索に入った。
物を隠してある場所は分かっているからすぐ見つかると思ったのに、見つけたと言う報告はなく、時間が過ぎるばかりだ。
そもそも公爵邸に無理矢理捜査に入ったのに、無かったで済む訳がない。
グレンめ、何をした!
「さて、カルヴァン伯爵、何も出ませんね。どう責任を取られるおつもりですか?」
「もう少し待ちたまえ、まだ邸全て捜索されてはいない。」
「良いですよ、存分にお探しください。ですが、何も無かった時の責任はきちんと取って頂きますよ。」
「っ!」
公爵が不在だからと甘く見てたが、生意気な息子だ。怯える様子もない。
何故だ?どうしてこんなに余裕がある?
やはり気付かれていたのか?
「報告致します!」
そこへ、玄関の扉を開けて、エントランスに騎士が飛び込んできた。
「カルヴァン伯爵邸より違法薬物及び密輸品が大量に発見押収されました!」
「何だと⁈どう言うことだ!何故私の邸に⁈」
「私が指示しておりました。」
そう言って上階から大階段を降りて来たのはアズロ宰相だった。
「お前、何故ここに⁈」
「貴方が陛下の呼び出しを無視してここに来ると思っていましたからね。お待ちしてました。」
「なっ⁈」
「お前の企みは全て分かっていた。ついでに言うと、お前の息子グレンも既に拘束している。いい加減諦めろ。」
宰相に続いて降りて来た第一王子が続ける。
グレンが捕まった⁈
あの馬鹿ヘマをしたのか⁈
何と言うことだ!
「よくも私を裏切ってくれたな。」
そう言って、最後に降りて来た人物は、
国王陛下だった。
「へ、、、陛下?」
「お前を信じていた自分が本当に情け無い。」
「ちっ、違うのです!これはきっと誰かの、そう、そいつらの罠で!」
「良い加減にしろ。お前がこの邸に捜査に入る前に見せた命令書は誰のものだと言った?」
「っ!」
「お前はこう言ったな?「国王陛下の命である。」と。私はそんな命令を出した覚えはないぞ。」
「それは、その、スムーズに捜索をする為に、、、。悪気はなく!私は国のために!」
「ふざけるな。王命を騙るということがどれほど重い罪か知らん訳ではなかろう!それ程に私はお前に軽んじられていたという事だな。」
「陛下!」
「衛兵!カルヴァンとその部下達を全員拘束しろ。城へ連れて返る。ひとまず牢に入れておけ。」
護衛騎士が私と共に来た部下たちを拘束していく。
「何故私達まで⁈」
「我らは長官に命令されてついて来ただけです!」
部下達が口々に叫ぶ。
コイツらだって甘い汁を吸っていた癖に。
「お前達は私の出頭命令を知っていてコイツについて来たのだろう?王命を軽視した罪は十分投獄に値しよう。余罪についてはこれからしっかり調べてやろう。楽しみにしておけ。」
陛下が、本気で怒っている。
思えばこの方が本気で怒っている所など殆ど見た事がなかった。
だから、舐めていたんだ。
少しくらいなら許されると。
どうする⁈どうすれば逃げられる?
全てアズロのせいにできないか?
私は騙されただけだと。
だがグレンはどうする?私の指示だと知っている。
グレンを始末する方法はないか?
どうにか逃げられないかと考えているうちに、拘束された私は気づけば城の地下牢に入れられていた。
物を隠してある場所は分かっているからすぐ見つかると思ったのに、見つけたと言う報告はなく、時間が過ぎるばかりだ。
そもそも公爵邸に無理矢理捜査に入ったのに、無かったで済む訳がない。
グレンめ、何をした!
「さて、カルヴァン伯爵、何も出ませんね。どう責任を取られるおつもりですか?」
「もう少し待ちたまえ、まだ邸全て捜索されてはいない。」
「良いですよ、存分にお探しください。ですが、何も無かった時の責任はきちんと取って頂きますよ。」
「っ!」
公爵が不在だからと甘く見てたが、生意気な息子だ。怯える様子もない。
何故だ?どうしてこんなに余裕がある?
やはり気付かれていたのか?
「報告致します!」
そこへ、玄関の扉を開けて、エントランスに騎士が飛び込んできた。
「カルヴァン伯爵邸より違法薬物及び密輸品が大量に発見押収されました!」
「何だと⁈どう言うことだ!何故私の邸に⁈」
「私が指示しておりました。」
そう言って上階から大階段を降りて来たのはアズロ宰相だった。
「お前、何故ここに⁈」
「貴方が陛下の呼び出しを無視してここに来ると思っていましたからね。お待ちしてました。」
「なっ⁈」
「お前の企みは全て分かっていた。ついでに言うと、お前の息子グレンも既に拘束している。いい加減諦めろ。」
宰相に続いて降りて来た第一王子が続ける。
グレンが捕まった⁈
あの馬鹿ヘマをしたのか⁈
何と言うことだ!
「よくも私を裏切ってくれたな。」
そう言って、最後に降りて来た人物は、
国王陛下だった。
「へ、、、陛下?」
「お前を信じていた自分が本当に情け無い。」
「ちっ、違うのです!これはきっと誰かの、そう、そいつらの罠で!」
「良い加減にしろ。お前がこの邸に捜査に入る前に見せた命令書は誰のものだと言った?」
「っ!」
「お前はこう言ったな?「国王陛下の命である。」と。私はそんな命令を出した覚えはないぞ。」
「それは、その、スムーズに捜索をする為に、、、。悪気はなく!私は国のために!」
「ふざけるな。王命を騙るということがどれほど重い罪か知らん訳ではなかろう!それ程に私はお前に軽んじられていたという事だな。」
「陛下!」
「衛兵!カルヴァンとその部下達を全員拘束しろ。城へ連れて返る。ひとまず牢に入れておけ。」
護衛騎士が私と共に来た部下たちを拘束していく。
「何故私達まで⁈」
「我らは長官に命令されてついて来ただけです!」
部下達が口々に叫ぶ。
コイツらだって甘い汁を吸っていた癖に。
「お前達は私の出頭命令を知っていてコイツについて来たのだろう?王命を軽視した罪は十分投獄に値しよう。余罪についてはこれからしっかり調べてやろう。楽しみにしておけ。」
陛下が、本気で怒っている。
思えばこの方が本気で怒っている所など殆ど見た事がなかった。
だから、舐めていたんだ。
少しくらいなら許されると。
どうする⁈どうすれば逃げられる?
全てアズロのせいにできないか?
私は騙されただけだと。
だがグレンはどうする?私の指示だと知っている。
グレンを始末する方法はないか?
どうにか逃げられないかと考えているうちに、拘束された私は気づけば城の地下牢に入れられていた。
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