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53 ラジアンからの使者 (サイラス)
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全てを終わらせる為に王城へ向かう。
父も今頃、王命を持って(本物だよ)騎士団と共にアズロ公爵一族を捕らえて王城に向かっているはずだ。
王城に到着すると、ラジアンからの使者が来て待っていると報告された。
陛下以下慌てて謁見室に向かう。
予定では明後日と聞いていたのに相当急いで来てくれたらしい。
「ようこそいらした、ロイエンタール公爵からの使者殿。」
陛下が玉座からお声を掛けられる。
玉座の前で膝を折る最敬礼の姿勢で応える騎士服の青年。
僕等と同年代の彼には見覚えがあった。
ユリア様と同じプラチナブロンドにアメジストの瞳。
忘れもしない、ロイエンタールの小公子。
「ご拝謁賜り光栄に存じます。ロイエンタールが嫡子、フレドリック・フォン・ロイエンタールと申します。陛下におかれましてはご機嫌麗しく。」
「はは、あまり麗しくはないがな。して、公子殿自らお越しの用向きは?」
「はい、そちらのユリアーナ公女からの依頼を受け調査した結果のご報告です。両国にとって重要事項と判断しました。」
ユリア様の仰っていたミランダ妃からの情報か?
「ユリアーナ公女からの?余程の事か?」
「はい、誠に遺憾ながら。」
「聞かせてもらおう。立ってくれ。」
陛下以下、宰相にアレク殿下、ユリア様にディアンジェロ様そして僕が見守る中、またとんでもない問題がもたらされた。
「ユリアーナ様から私共ロイエンタールに書状が届いたのは5日ほど前です。手紙には、ある場所で禁止薬物が栽培されているか確認してくれというものでした。」
「「「「はぁ⁈」」」」
まさか、薬物は輸入していたのではなく自家栽培だったって言うのか⁈
全員が驚きで息を呑んだ。
「どっ、どこで?それは本当にあったのですか?」
宰相が気を取り直して聞いた。
フレドリック様が宰相の方へ向き直って答える。
「はい、情報通りでした。ロイエンタール領と国境の隣り合わせのアズロ領との境、山奥の森の中に、膨大な広さの薬草畑がありました。そこに毒薬を含む禁止薬物となる薬草が大量に栽培されておりました。我が領でも取り締まっても取り締まっても薬物の流入が無くならず、頭を痛めておりました。どうやらアズロ領主体でラジアンの商人も乗っかって栽培と精製、それを元に密輸をしていたようですね。こちらの首謀者は捕らえました。ことが事です、外交問題になりかねませんので、ロイエンタールの名代として、またラジアン王国の王族として私が全権を持って参りました。」
「委細承知致しました。ご迷惑をお掛けし申し訳ありません。」
「謝罪は不要です。エスト王国だけの問題ではありません。ラジアンの商人も絡んでおります。どちらが主導かも分からない状況ですから。」
「ありがとうございます。今アズロ公爵一族を捕らえに行かせております。到着次第断罪を行いたいと思います。ご同席頂けますか?」
「もちろんです。証人として立たせて頂きましょう。」
「感謝いたします。」
宰相が頭を下げる。
縁を切っているとはいえ実家の犯した大罪に顔色は青を通り越して白くなってるぞ。
本当に本当の大事だ。
密輸だけでも大罪なのに、栽培しての売買って。
あー、なるほど、息の根を止められる訳だ。
隣に立つユリア様を見ると、何かを考えているようだ。
僕の視線に気がついたのか、見上げてくるとふわっと笑われて。
え、何その表情、ヤメテ、顔がニヤけるでしょうが!
「時にユリア様、その情報は何処からもたらされたのですか?」
宰相が質問して来た。
もっともな質問だけど、見つめ合ってたユリア様が宰相の方へ向いてしまって、ホッとするやら残念なようなって、しっかりしろよ僕。
それどころじゃ無いだろうが!
「ミランダ妃殿下からですわ。」
「ミランダから⁈」
「「ミランダ妃から⁈」」
陛下と宰相、アレク殿下が叫ぶ。
そうだよね~、信じ難いよね~。
「何故、ミランダが?そんなことをすれば、自分の家門がどうなるか分かってて⁈」
陛下が呆然と聞かれる。
「ミランダ妃殿下は、仰いました「アズロとカルヴァンはあってはならない家門だと。私ではどうにもできないけれど、エストロジアとリンドバーグならば潰せるだろう」と託されたのです。」
「信じられない、何故、、、。」
「ミランダ妃殿下はずっとアズロ公爵達に脅迫されていたのです。言うことを聞かなければ、何の罪もない人達を殺すと。」
「「「はぁ⁈」」」
今度は僕も叫んだ。何その無差別テロな脅迫⁈
あり得ないだろう?本当なのか⁈
「そんな話、信じられるか⁈」
納得できないアレク殿下が叫ぶ。
それに宰相が思い出したように答える。
「いえ、でも確かに、陛下を嵌める相談をしている時に、ミランダは泣いて嫌がっていました。更には、反対した私が暴行を受けた所も見ていたし、殺され掛けたことも知っている。考えてみれば、まだ若い令嬢にとってどれほど恐ろしかったでしょう。」
「実際、ミランダ妃は宰相は殺されたと聞いていたそうですしね。自死する事さえ許されなかったそうですわ。」
「、、、知らなかった。そんな酷い目にあっていたなんて。なのに私はその元凶のカルヴァン達を信じて、ミランダを疎んでいたなんて。」
陛下が苦渋の顔をされる。
そして殿下も。
「そういえば、僕も直接あの人から嫌がらせを受けたことはないな。後宮から殆ど出てはこないし。母や僕を蔑むのもアズロ公爵一族やフランクリンだけだったのに、あの人も一緒だと思い込んでいたのかも。」
「先入観か、、、。」
僕なんて顔を見る事さえ稀なのに、そう思い込んでいた。
人の思考って怖いな。
「陛下、発言をお許し下さい。」
「何だね、リンドバーグ公女。」
「この度のアズロ公爵家の罪での、ミランダ妃とフランクリン王子の減刑を願います。」
ミランダ妃は分かる。
けど、フランクリンは許せないよ、ユリア様!
父も今頃、王命を持って(本物だよ)騎士団と共にアズロ公爵一族を捕らえて王城に向かっているはずだ。
王城に到着すると、ラジアンからの使者が来て待っていると報告された。
陛下以下慌てて謁見室に向かう。
予定では明後日と聞いていたのに相当急いで来てくれたらしい。
「ようこそいらした、ロイエンタール公爵からの使者殿。」
陛下が玉座からお声を掛けられる。
玉座の前で膝を折る最敬礼の姿勢で応える騎士服の青年。
僕等と同年代の彼には見覚えがあった。
ユリア様と同じプラチナブロンドにアメジストの瞳。
忘れもしない、ロイエンタールの小公子。
「ご拝謁賜り光栄に存じます。ロイエンタールが嫡子、フレドリック・フォン・ロイエンタールと申します。陛下におかれましてはご機嫌麗しく。」
「はは、あまり麗しくはないがな。して、公子殿自らお越しの用向きは?」
「はい、そちらのユリアーナ公女からの依頼を受け調査した結果のご報告です。両国にとって重要事項と判断しました。」
ユリア様の仰っていたミランダ妃からの情報か?
「ユリアーナ公女からの?余程の事か?」
「はい、誠に遺憾ながら。」
「聞かせてもらおう。立ってくれ。」
陛下以下、宰相にアレク殿下、ユリア様にディアンジェロ様そして僕が見守る中、またとんでもない問題がもたらされた。
「ユリアーナ様から私共ロイエンタールに書状が届いたのは5日ほど前です。手紙には、ある場所で禁止薬物が栽培されているか確認してくれというものでした。」
「「「「はぁ⁈」」」」
まさか、薬物は輸入していたのではなく自家栽培だったって言うのか⁈
全員が驚きで息を呑んだ。
「どっ、どこで?それは本当にあったのですか?」
宰相が気を取り直して聞いた。
フレドリック様が宰相の方へ向き直って答える。
「はい、情報通りでした。ロイエンタール領と国境の隣り合わせのアズロ領との境、山奥の森の中に、膨大な広さの薬草畑がありました。そこに毒薬を含む禁止薬物となる薬草が大量に栽培されておりました。我が領でも取り締まっても取り締まっても薬物の流入が無くならず、頭を痛めておりました。どうやらアズロ領主体でラジアンの商人も乗っかって栽培と精製、それを元に密輸をしていたようですね。こちらの首謀者は捕らえました。ことが事です、外交問題になりかねませんので、ロイエンタールの名代として、またラジアン王国の王族として私が全権を持って参りました。」
「委細承知致しました。ご迷惑をお掛けし申し訳ありません。」
「謝罪は不要です。エスト王国だけの問題ではありません。ラジアンの商人も絡んでおります。どちらが主導かも分からない状況ですから。」
「ありがとうございます。今アズロ公爵一族を捕らえに行かせております。到着次第断罪を行いたいと思います。ご同席頂けますか?」
「もちろんです。証人として立たせて頂きましょう。」
「感謝いたします。」
宰相が頭を下げる。
縁を切っているとはいえ実家の犯した大罪に顔色は青を通り越して白くなってるぞ。
本当に本当の大事だ。
密輸だけでも大罪なのに、栽培しての売買って。
あー、なるほど、息の根を止められる訳だ。
隣に立つユリア様を見ると、何かを考えているようだ。
僕の視線に気がついたのか、見上げてくるとふわっと笑われて。
え、何その表情、ヤメテ、顔がニヤけるでしょうが!
「時にユリア様、その情報は何処からもたらされたのですか?」
宰相が質問して来た。
もっともな質問だけど、見つめ合ってたユリア様が宰相の方へ向いてしまって、ホッとするやら残念なようなって、しっかりしろよ僕。
それどころじゃ無いだろうが!
「ミランダ妃殿下からですわ。」
「ミランダから⁈」
「「ミランダ妃から⁈」」
陛下と宰相、アレク殿下が叫ぶ。
そうだよね~、信じ難いよね~。
「何故、ミランダが?そんなことをすれば、自分の家門がどうなるか分かってて⁈」
陛下が呆然と聞かれる。
「ミランダ妃殿下は、仰いました「アズロとカルヴァンはあってはならない家門だと。私ではどうにもできないけれど、エストロジアとリンドバーグならば潰せるだろう」と託されたのです。」
「信じられない、何故、、、。」
「ミランダ妃殿下はずっとアズロ公爵達に脅迫されていたのです。言うことを聞かなければ、何の罪もない人達を殺すと。」
「「「はぁ⁈」」」
今度は僕も叫んだ。何その無差別テロな脅迫⁈
あり得ないだろう?本当なのか⁈
「そんな話、信じられるか⁈」
納得できないアレク殿下が叫ぶ。
それに宰相が思い出したように答える。
「いえ、でも確かに、陛下を嵌める相談をしている時に、ミランダは泣いて嫌がっていました。更には、反対した私が暴行を受けた所も見ていたし、殺され掛けたことも知っている。考えてみれば、まだ若い令嬢にとってどれほど恐ろしかったでしょう。」
「実際、ミランダ妃は宰相は殺されたと聞いていたそうですしね。自死する事さえ許されなかったそうですわ。」
「、、、知らなかった。そんな酷い目にあっていたなんて。なのに私はその元凶のカルヴァン達を信じて、ミランダを疎んでいたなんて。」
陛下が苦渋の顔をされる。
そして殿下も。
「そういえば、僕も直接あの人から嫌がらせを受けたことはないな。後宮から殆ど出てはこないし。母や僕を蔑むのもアズロ公爵一族やフランクリンだけだったのに、あの人も一緒だと思い込んでいたのかも。」
「先入観か、、、。」
僕なんて顔を見る事さえ稀なのに、そう思い込んでいた。
人の思考って怖いな。
「陛下、発言をお許し下さい。」
「何だね、リンドバーグ公女。」
「この度のアズロ公爵家の罪での、ミランダ妃とフランクリン王子の減刑を願います。」
ミランダ妃は分かる。
けど、フランクリンは許せないよ、ユリア様!
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