穴に落ちたら、異世界に来ました~魔物使いの力を貰ったら、キメラ少女に出会いました~

風狼龍

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来訪と堕天使

始まり

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人はたまに不思議な体験というものを一つや二つくらいはするもんだろう。
幽霊を見た、UFOを見た、UMAに出会ったとか。
まぁ、本当に存在するかも謎だけど、そんな不思議体験をした人が何人かは絶対存在するはずだ。
というのも、俺も今、不思議な体験をしている。
いや、不思議体験というよりも……。

「だ、誰か助けてくれェェェェ!」

只今、俺、久遠くどう 裕司ゆうじは空中から地面目掛けて真っ逆さまに落ちている最中である。
まさにこれがI Can Flyというやつだな……って、呑気に考えている場合じゃない!
俺はなんで、こんなことになったのかを走馬燈の感覚で思い出す。





いつも通り、日曜日の朝。
赤と黒を基調としたパーカーとズボンを着込み、同じ色のヘッドホンを首からぶら下げながら、ゲーム売り場に来ていた。
最近、育成ゲームにハマッているから、何かそういうものはないだろうかと思ってきたのだ。
牧場系はやったし、街づくりのもやったしなぁ。
軍事系もやったし……次はファンタジー系を攻めてみようか。
そう思って、陳列棚を眺めていると、目が惹かれる物を見つける。
そこには『魔物育成』と書かれているタイトル。
シンプルな名前だな……と思いながらも、不思議と興味を抱いて手に取ってみる。
パッケージを見てみると、そこにはファンタジーの代表とも言えるスライムやゴブリンなどが描かれており、中には魔物が擬人化したであろう女の子や男の子が描かれている。
裏を確認し、どういったゲームか確認してみる。

「えっと、何々……? 『おめでとうございます! 貴方は魔物使いモンスターテイマーとして、当選しました! 今の世界にある全てを捨て、異世界へ招待します! もちろん、拒否権はありません!』なるほど、変わったキャッチフレーズ……ん?」

何やら浮遊感を感じ、足元を見てみると、そこには人一人が入れそうなくらいの大きさの穴が開いており、中は真っ暗で深さがわからなく……え?

「何で穴がぁぁぁぁぁ!?」

俺が叫ぶと同時にその穴に落ちてしまう。
その穴に落ちている時に持っていたゲームパッケージが光輝いて、俺の中に入った気がした。
で結果……最初のところに至るわけなのだが。

「落ちてる! 落ちてるって! 死ぬ! これはマジで死ぬ!」

下は辺り一面木々が生い茂る森!
運よく枝がクッションになるか? と考えてみるも、この高さからだ……無理だろう。
それよりも周りの風景が遅く見えるのはアドレナリンが凄い勢いで分泌でもされているのかね?
おかげで凄いスピードで思考できるけどさ。

「何か! 何かないのか!? っていうか、なんでこうなった!? 思い出せ、あの時をもう一度思い出せェ!」

俺はあの時の記憶を必死に思い出す。
その時、落ちる原因になったゲームを思い出す。
そうだ、あのパッケージに『異世界へ招待』とか書いてあったな。
何それ……最近のラノベとかで見る様なもの。
でもさ、ゲームパッケージ見ただけで問答無用って……っていうか、俺が落ちていくところ、周りの客気付いてなかった様な気が……。
それと同時にもう一つ、書いてあったことを思い出す。

「『魔物使いモンスターテイマー』……! もし、コレが本当なら!」

俺は魔物を使役できるはず……いや、待て。

「もし、ここが異世界なら……来たばかりの俺に使役している魔物なんていないんじゃないか……?」

俺は冷や汗をダラダラと流しながら、どうにかして確認できないかと考える。
大体ゲームならメニューでわかると思うけど……。

「メニュー!」

……出ないですね。
うん、わかってたよ。
現実でメニューウインドみたいなのが出るはずないもんね。
でもさ、目に見えてわかる様なことはないのか!?

「テイムモンスター!」

捕獲した魔物と言えばどうだ!?
そこまで言った瞬間、頭に何かの一覧が浮かんでくる。
簡単に言うなら、メニューウインドみたいなもなのだが……そこに書かれていたのは。


所持モンスター

なし


……うん、わかってた。
来たばかりの俺が何か使役しているはずがないっていうのはわかってたさ!
だからって、空中はあんまりじゃないですかね!? 恐らくここに連れてきたであろう神様ァァァァ!
やばい、思考がいくら早く回転していても、もうすぐ激突するのはわかる。
あぁ……短い人生だったよ、齢十八で亡くなる俺って……。
諦めかけたその瞬間、何かが影の様なものが俺へと飛来し、俺を抱きかかえる。
そのまま地面に着地し、それと同時に俺は放り投げられる。

「いてっ!?」

地面に激突して、思わず叫んでしまう。
まぁ、土だからそこまで痛くもないんだけど。
とりあえず、助かったのに安堵し、助けてくれた人へと視線を向ける。

「あの、助けてくれてありがとうござ……い……」

視線を向けると、そこには金髪で血の様に紅い瞳を持つ可愛らしい中学生くらいの少女がいた。
うん、可愛らしいんだけどね……顔と体以外に問題が。
背中から悪魔を思わせる翼が左に、天使を思わせる純白の翼が右に生えており、腰からは蛇が尻尾の様に伸びており、思いっきりこちらを威嚇してきている。
そして、腕はというとカマキリに似た腕なのだが、鎌の部分にちょっと待った……鎌じゃん、それ。
カマキリが獲物を捕まえるために用いる手じゃなくて、本物の刃じゃん、それ。
足はバッタに似た足をしていたが、人の足へと戻る。
もしかして、俺を助けたのはそのジャンプ力を使ってかな?
そして、気のせいだろうか。
少女の口からよだれがダラダラと流れ出ており、両手の刃を打ち合わせて、鳴らしながら近づいてくる。

「ご飯。久しぶり、ご飯! それも、人間!」

わぁ、日本語だ、やったね! じゃない!?
言葉が通じると安堵している場合じゃない!
明らかに人じゃない女の子が今にも、俺を切り刻んで食べようとしてきているんですけど!?
え、助けたのは食うために助けたの!?

「人間、食べる、久しぶり。お前、心臓、うまい?」
「うまくないです!」

美味いっていう馬鹿なんていません!

「そう。でも、心臓、食べる。言葉、上手、話せる、なる」
「あぁ、なるほど。単語的な喋り方だなとは思ってたけど……」
「大丈夫、骨、残さない。全部、食べる。安心、いいよ?」
「よくねぇよ!」

美味しく食べてね! って、言ってるわけじゃないんだよ!
だが、少女は知らんと言わんばかりにジリジリと俺に近寄ってくる。
待ってェ! ホント待ってェ!
こんな状況になって、お肉にされる前の豚や牛とかの気持ちがわかってきたよ!
今度から食べる時はもっとありがたみを持っていただこう……あ、死ぬから無理か。
いやいや、諦めるなよ、俺!?
そうだ、俺には『魔物使いモンスターテイマー』の力があるじゃないか!
なら、テイムしてしまえば!
そこまで考えた瞬間、頭に何かが思い浮かぶ。

【貴方に食欲、及び殺意を向けられているため、捕獲(テイム)できません。懐き度も0の為、不可能です】

何だとォ!?
いや、というより今更チュートリアルらしきものが!?
それ、空から落ちてる時に助かる方法のチュートリアルはなかったんですかね!?
空の投げ飛ばされることが前提ならさ!?
とりあえず、どうにかする必要があるのなら、次のチュートリアル、カモン!

【餌を上げるか、愛情を注いであげると懐き度が上がります】

「ふむ、定番だな。それで? この危機を脱するチュートリアルは?」

【懐いた後は名付けをすれば、捕獲テイムが完了し、契約の紋章が浮かびます。捕獲(テイム)の流れは以上です】

そう聞こえたと同時にプツンッとテレビを切ったかの様な音が聞こえてきた。
うん、チュートリアルだもんね、基本しか教えないよね。
つまりはだね。

「死んだかな、俺」
「人間、いただく!」

少女が飛び上がり、俺目掛けて突っ込んでくる。
ご丁寧に両手の刃を構えて。
俺はすぐさまポケットを弄り、何かないかと探した時、ポケットに入っているものに反応する。
ポケットに何か入れてた覚えは……えぇい、仕方ない!
俺はポケットから何かを取り出し、前へと突き出す。

「待てェ! これやるから、待てェ!」

俺が前に差し出した物……それを恐る恐る確認する。
それは……きび団子が入った袋。
……なるほど、どこぞの猫型ロボットのきび団子みたいな感じか。
いや、あんな凄い道具なハズがないから、ただのきび団子だよ、コレ!?
絶対、こっちより俺が食われて……。

「アレ?」

いつまで経っても襲い掛かってこない少女を不思議に思い、視線を向けると、そこには興味津々にきび団子を見ている少女がいた。

「……」

右に動かしてみる。
すると、少女が体ごと右へと向く。
左へと動かしてみる。
次は左へと体ごと向く。
上下に動かしてみると、それに呼応するかの様に上下に揺れる。
やばい……なんか楽しい、っていうか可愛い。
俺は袋を開けて、一つ取り出してみる。
すると、少女の視線は俺の取り出したきび団子に釘付けになり、よだれを垂らしている。

「えっと……ほしいのか?」
「!」

少女は俺の言葉に反応して、首を縦に何度も振る。
その仕草が可愛らしいと思いながら、差し出してみると、少女は奪い取る様に取ると、それを口に放り込み、食べ始める。
しばらく口をモゴモゴ動かした後、目を輝かせて、俺を見てくる。

「もっと、欲しい! コレ、うまい! 人間、もっと!」
「いいけど、その前に約束してくれ」
「約束?」
「あぁ、コレをあげる代わりに俺を食べない。約束できるか?」
「……わかった。言葉、上手、話したい。けど、約束、我慢、する。だから、ほしい」
「よし、約束だからな? ほら」

少女にきび団子が入った袋を差し出すと、それを受け取って、勢いよく食べ始める。
その顔は幸せそうで、さっき俺を襲おうとしていた顔はどこへやら。
この間に逃げ出すのが得策かもしれないな。
俺は少女にバレない様に抜き足差し足で、その場からコッソリと離れていく。
そして、ある程度距離を取ったのを確認してから安堵の息を吐く。
確認しながら逃げてきたが、少女はきび団子に夢中になっていた様だし、もう出会うことはないだろう。
とりあえず、ここがどこなのか、本当に異世界なのかの情報収集だが……異世界だろうな。
少女のあの姿……コスプレだ、中二病だ、言われたら頷きたくなるが、尻尾の蛇は俺を威嚇していたし。
作り物にしてはリアルすぎだったしな……。
もし、本当に異世界なら夢にまで見た『異世界転移』というやつじゃないか!
魔物使いモンスターテイマー』なんて力ももらってるし、他にももらってるんじゃないか!?
チート系能力とかさ!
そしたら、俺TUEEEE! できるんじゃないだろうか!?
もし、あるならどんな力をくれてるんだろうか。
膨大な魔力とかかな……?
もし、そうならぜひ魔法を使ってみたい。
いや、それとも俺しか使えない魔法とかか?
考えると夢は広がるが、まずは魔物をテイムしなくてはならない。
育成ゲームにハマっていた俺からすれば、この能力は嬉しいものだ。

「さぁ、それならまずはスライム辺りが出てきてもいいよな。それをテイムして、俺の物語はこれからだ! という感じで! スライムも愛情を持って育てれば、かなり強くなるだろう! さぁ、出てこい! スライム!」

叫んだ瞬間、近くの草がガサガサ! と揺れる。
まさか、スライムか!? 俺の願いでも届いたのか!
そう思って、視線をそちらへ向け、草むらが揺れ続け、中から出てきたのはスライム……ではなく。

「ガルルルル……!」
「うーん、口から炎を吐く黒い巨大犬……ヘルハウンドかな」

黒い犬……恐らく、ヘルハウンドが口から炎を漏らしながら、俺を睨んできている。
なるほど、こちらからも凄い敵意と殺意が感じれますねぇ。

【殺意と敵意があるため、テイムは不可能です】

こういう時だけ出てくるの!?

【懐き度も足りません】

「わかってるよ!? こんなの誰が見たってわかるよ!? あのモンスター見れば!」

【魔物名:炎黒犬ヘルハウンドです】

「そこを訂正するのかい!」

変な時にしか来ないの、このチュートリアル!?
いや、コレチュートリアルじゃない様な……。
そうこう考えている内にヘルハウンドは口に炎をため込み始める。
やばい、本格的にやばい!

「チュートリアル? ヘルプ? なんでもいいから、俺は魔法を使えるのか!?」

【魔力は一般人レベル。生活魔法が使える程度です】

「期待した俺がバカでした!」

俺TUEEE! は無理ですね!
むしろ、YOEEE! だったよ!
そんなやり取りをしている間にヘルハウンドが口から火球を発射。
迫りくる火球を見て、何度目かわからない死を悟る。
今度こそ、死んだと……。
だが、その瞬間、一つの影が間に割って入り、火球を真っ二つに切り裂き、俺の左右を通り過ぎて、散布する。
目の前に現れた影は……さっきの色々カッコいいパーツがついている少女だった。
少女はヘルハウンドを睨みつけ、逆に向こうは少女に反応し、敵意を俺から少女へと変える。

「お前……」
「この、人間。面白そう。だから、助ける」

そういうと少女は足をウサギの様な足に変えて、飛び跳ねて、ヘルハウンドの周りを飛び回り、翻弄する。
その飛ぶ素早さはまさにウサギそのものだ。
いや、ウサギより速いし……なんの足、アレ?

「グル……!」

さっきまで威嚇していたヘルハウンドは飛び回る少女に翻弄され始め、首を左右に振るばかり。
そして、少女はその隙をつくかの様に一気にヘルハウンド目掛けて跳躍し、すれ違いざまに両手をクロスする様に振るった。
そして、少女が着地したと同時にヘルハウンドの体にクロスの傷ができて、そこから血が噴き出し、短い悲鳴を上げて倒れる。
まだピクピクと動いている辺り、生きているんだろうけど。

「がる……」

苦しそうに短い声を出すヘルハウンドに少女は近づくと、そのまま手の刃先をヘルハウンドに向けて、振り下ろし、頭を突き刺す。
キャイン! と短い悲鳴を上げて力尽き、それを確認した少女は手と足を人の物へと戻す。
とりあえず、助かったみたいだ。
それに助けると言っていたし、味方と見ていいんだよな?
礼を言わないと思い、口を開ける。

「あの、ありがとう。たすか「えっと、あった! 心臓!」……うっぷ」

少女はヘルハウンドの死体で何かしていると思っていたら、心臓を撮り出したのだ。
俺の目からすれば、もうモザイクかけさせてもらっています。
それでも、気持ち悪いもので……胃酸が逆流してきたぞ、オイ。
俺は耐えきりながら、何かグチャッ! とか、二チャッ! とか、食べてる様な音が聞こえてくるけど、知らない。
見ざる聞かざる言わざるだ……最後はいらないか。
しばらくしてから、とんとんと肩を叩かれ、振り返ると口元が真っ赤な少女がいた。
うん、ケチャップだ、そうに違いない。
ヘルハウンドの死体が骨だけになっているけど、うん、ケチャップだよね、それ。

「骨、お腹、いっぱい、食べれない。貴方、食べる?」
「人は骨食わないよ!」

骨だけ食えるはずないし、魔物を食う気にはなれない。
とりあえず、助けてもらったんだし、ちゃんとお礼を言うか。

「助かった。ありがとな」

そういって、頭を撫でる。
それと同時にとあることに気付く。
思わずしてしまったが、こんなことすれば、少女の不興を買い、殺されてしまうのでは!?
恐る恐る少女を見るが、気持ちよさそうにしていて、受け入れてるのがわかる。

「不思議、人間、撫でられる。気持ちいい、初めて」
「え? 他にも撫でた人いたのかよ?」
「バンダナ、巻いた、集団。気持ち悪い、撫でる。だから、殺した」

うん、ここがファンタジーなら山賊じゃないかな、それ。
最低なことでも考えながら、この子に近づいて、頭を撫でた結果、それを悟られた感じか?
意外と鋭いんだな、この子。

【魔物名:合成獣キメラ、テイム可能です】

うおっ!? またいきなりだなコイツ!?
それにしても、キメラって……この子が?
まぁ、確かに色々なパーツ持ってるけど、キメラってこうやって、ころころパーツを変えれる様な奴だっけ?
まぁ、とりあえずキメラと言っているんだし、もしかしたら、この子から情報を集められるかもしれないし、交渉してみるか。

「あのさ、キメラ」
「ん……。私、人型、合成獣キメラ、気付いた?」
「あぁ、その……まぁな」

嘘です、チュートリアル? ヘルプ、でいいか。
ヘルプが教えてくれました。

「よかったら、俺と一緒に来ないか? 俺、テイマーなんだけどさ」
「テイマー……。私、仲間、捕まえた、奴、一緒……!」

【敵意が上がりました。テイムが不可能になりました】

うぇぇい! 選択間違えた!
恐らくだが、一緒に行動していた仲間がいたのだろうが、俺と同じスキル持ちによって、連れていかれてしまったのだろう。
どうやってかは知らないが、懐き度が上がらない限りはテイムはできないはずだが……。

「落ち着け。俺はそんなことしない。むしろ、お前の力を貸してほしい。俺には仲間のモンスターが一匹もいないんだ」
「ホント? 確かめる」

そういった瞬間、キメラの瞳に心を現すハートを中心に置いた魔法陣らしきものが浮かび上がる。
仲間に……なってくれないのだろうか。
何を確かめているかは知らないけど、きっと、俺はこの子に殺される。
この子の仲間が無理矢理連れていかれたんだ、そりゃ、同じ力を持つ奴がいたら敵意を持つよな。
しばらく俺をジッと見つめていたキメラの瞳は紋章が消え、人の瞳に戻る。

【敵意がなくなりました。テイム可能です】

「え?」

その言葉に俺は驚くしない。
一体、何が起こったのだろうか?
もしかして、さっきの瞳に秘密でもあったのだろうか?
だけど、キメラがそんな力を持ってるなんて聞いたことは……。

「お前、心、白い。私、利用、しない。友達、なれる! お前、良い奴! 仲間、なる!」

キメラの少女が仲間になりたそうな目でこちらを見ている! なんて言えそうだ。
それにしても、なるほど。
さっきの瞳には心を見る能力が付与されていたのかもしれない。
それで俺の心を覗いて……か。
真っ白な、クリーンな心の持ち主でよかったよ、俺!

「じゃあ、契約だ。もちろん、主従関係じゃない。友達として、大切な仲間としてだ」
「うん。それ、いい」
「じゃあ、そうだな。お前は……」

名前はどうしようか。
キメラって、他にも確かキマイラって呼んだよな。
……そうだな。

「お前の名前は『メイ』だ。これでどうだ?」
「メイ……。うん、私、メイ! 気に入った!」

その瞬間、俺とキメラ……メイを魔法陣が囲み、首筋に契約の証と言わんばかりの小さな紋章が浮かぶ。
そして、俺の手の甲にも同じ紋章が浮かび上がり、魔法陣が消える。

【契約完了しました。魔物名:合成獣キメラ、個体名:メイ、登録しました】

おぉ……いきなり上級モンスターみたいなのと契約したけど、凄いんじゃないか!
俺はワクワクしながら、メイを見る。

「これからよろしくな、メイ! 俺は裕司って呼んでくれ!」
「よろしく、ユージ」

こうして、初のモンスターをテイムした。
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