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001:プロローグ
しおりを挟む現在の己の知識を持ったまま過去に戻りたい。
10人に8人くらいは一生に一度は考えそうなことだ。
だが、現実として過去に戻る方法はない。しかし、もし過去に戻ることができるのであれば人はどうするか。
有名大学に進学し、大手企業に就職、そのまま出世街道をましっぐら。途中で永遠の愛を誓い合える相手と出会えれば完璧。そんな人生も良いだろう。
だが、所詮は人の子。自分ができることを他人ができないとは限らない。
だから思った。
過去ではなく異世界に転生したいと。
まあ、こんな妄想話をしても仕方がないので俺のことについて話そうと思う。
俺はとある有名校に通う見た目は普通の高校生だ。
勉強が何よりの生きがいで、俺の持っている知識はそんじょそこらの高校生とは比べ物にならないと自負している。
ビジュアルも悪くはないはずだし、友達付き合いもまあ……良いほうだろう。多分。
唯一の欠点といえば、運動が苦手というところだろうか。
それでも幼い頃から剣道を習っていたし、部活は剣道部に入部しているから、多少はマシになったと思いたい。
っと、俺についてはこんなところだが、次に家族構成について説明しよう。
俺は現在両親と2人の妹と暮らしている。
別段変わったこともなく模範的な一般家庭だと思う。
が、最近やたら両親が鬱陶しい。学校の成績だの、模試の結果だの………etc
まあ、これが普通であるとも言うのだろうが………
だが、さすが有名校というべきだろうか。俺にも勝てない奴がいる。
確かに知識だけなら負けないと思う(負けいてほしくない)が、校内の中間考査や全国模試で一度も上回ることができない奴がいるのだ。
確かに今までの俺は自分の能力に対し少しばかり酔っていたかもしれない。
だが、俺もそれなりに努力はしてきたつもりだ。
それでも、入学してからの2年間で一度も勝ったことがなく、それが誰であるかもわからないときた。
俺はこの時グレた。
俺の能力の及ばない世界の住人に単純に嫉妬していただけかもしれない。
だが、俺はこの時思ってしまったのだ。
俺より上に立つものがいない世界に行けたらと。
その結果、異世界に転移するとも知らずに。
▽▽▽▽▽▽
目を冷ますと見知らぬ天井があった。
っというお約束な展開にはならず、あたり一面真っ白な空間だ。
どこを見ても白、白、白。
歩いていても、止まっていても景色の変わらない不思議な空間だ。
全くもって何故ここにいるのかわからないが、今までの生活に比べれば幾分と期待が持てそうなので今は考えないようにする。
ここらで神様みたいなモノが現れて事情を説明して欲しいところなのだが、全く出てこない。
神様も忙しいのかね~、とか悠長に構えて脱出の計画を思案しているとソイツは出ていた。っと言うか、そこに存在しているのを感じ取った。
「やあ、君。元気にしているようで良かったよ。」
やっとでできたよ、神様。全くさっさと出て来てくれればいいのに。っというか馴れ馴れしいな。
「いや~、僕も忙しくてね。ちょっと遅く出て来たぐらい許してよ。その代わりと言ってはなんだけど、君にオッドアイを授けるからさ。」
いやいや、そんな中二病的なアイテムはいらないから。って心の中読めちゃうわけですか。さすがは神様ですね。
「まあね。けど、君は魔眼がいらないのかい?結構便利な機能があって、持っていて損はしないと思うよ。」
まさか、オッドアイって魔眼のこと?最初から魔眼だと言えばわかるのに。そこんとこ神としてどうなんだか。
「いや~、ごめんね。500年ほど下界の住人と会話をしていなくてね。君みたいな存在との会話の感覚がわかなないんだ。」
まあ、いいんだけどさ。魔眼ってどんな機能があるわけ?
「んーっとね。マップと鑑定、読解のスキルだったかな。他にもあったような気がするけど忘れちゃったよ。」
おいおい、忘れちゃいかんでしょ。でか、一つの魔眼でそんな多くの機能があるってことか?それとも、魔眼一個に対して一つの機能ってことか?
「多分ーーー、前者だったよ。」
おい!今の間はなんだ。いろいろ忘れすぎだろ。
まったく、お前は本当に神なのか?
「んーーー、まさかこんな早々に聞かれるとは思わなかったよ。これは困ったなぁ。
じゃあさ、僕が神ではないと言ったらどうする?」
そんなんこと言われても何も変わらないだろ。神だろうが、神じゃなかろうがここはお前の世界だろ。だだの人間がどうこうできる領域じゃない。
「ふーーーん。結構現実的なんだね。
なかなかいい答えだとは思うけどね。だから、君にもう一つプレゼントをあげるよ。受け取ってくれるよね。」
▽片手剣スキルを得た
無理やり受け取らせたな………ってこれはなんだ?片手剣スキルってゲームによくある、はじめのころに覚えるスキルだよな。ゲームとかだったらヘルプやらなんやらがあるが、説明書とかないのか?
「まあまあ、今から説明するからさ。えっーとね、それは片手の武器を持ったときに発揮するスキルさ。一応スキルレベルはMAXだから、役に立つと思うよ。」
へぇー……、ってそのまんまのスキルだな。まあ、無いよりかはいいと思うが。
で、これからどうするんだ。まさか、このままここおいていくわけじゃないだろ。
「まあね。君にはとある世界に行ってもらうよ。君なら結構良い感じにやっていけると思うけど、死なないでね。」
おいおい、いきなり超展開だな。元の世界に戻す気はないんだな。
「戻す気なんて全くないよ。だって君が望んだことでしょ。違う世界に行きたいって。それを僕は叶えてあげようと思ってここに呼んだんだよ。まさか、戻りたいなんて思ってないよね?」
どうだろうな。戻りたいっていったらどうするんだ?
「どうするもこうするも……戻せないんだけどね。………っということで、行ってもらうから。」
えーっとですね、神様。はじめから戻れないと言えば良かったのではないですか?それとも戻せると思って召喚したはいいが、今さっき戻せないと判明したとかですか?
「………っと細かいことは置いといて、早速転生しちゃおうか。それでは、行ってらっしゃーい。」
って、ちょーーとまっーーーてーー………………
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