人間の赤ん坊に憑依した悪魔の俺がデーモンサマナー学科に入れられるなんて皮肉でしかない

湯島

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人間に転生だ

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その時、偶発的に召喚用の魔法陣プログラムが起動して、俺は呼び出された。
そして更なる偶然が重なって、俺は人間の赤ん坊の中に入り込んだんだ。

その際に自我もろくに発達していない赤ん坊の魂は、俺に吸収された。
まさに悲劇って奴だ(注一)。
なんだってこの俺が、やたら弱くてうるさいだけの人間の赤ん坊にならないといけないんだ。

注一「これ以上の悲劇はない。脆弱な赤ん坊の肉体なんかに閉じ込められた俺があまりにも哀れすぎる」

とにかく、俺は奴らの中に紛れて暮らす羽目になった。
幸い、この赤ん坊の家族はただの人間だったから、俺の正体がバレることもなかったが。

それでどうにか十二年ばかし、無事にやり過ごせた。
この頃になるとある程度の魔力も回復し、扱えるようになってきた。
ところが一難去ってまた一難、俺はその魔力のせいで、再び厄介事を背負う羽目になった。

人間どもが天使や悪魔、又は精霊と呼ばれる超自然的存在(注二)を使役したり、
あるいは討伐する為の人材を教育し、養成する機関に俺を放り込もうとしているんだ!

注二「つまり俺やその同類達のことだ。その中でも俺は高位存在として敬われていたんだぜ。今じゃただの人間のガキだがな」

なんでも俺は、奴らの言う適正テストに合格したらしい。
ウォーリア、メイジ、サマナー、どれをとっても素晴らしい素質があると、俺は検査官に太鼓判を押されたよ(注三)。

注三「アリンコが貨物列車に向かって力持ちだねと褒めるようなもんだ。
何だか俺は馬鹿にされてるんじゃないかとすら思えたね」

そういうわけで俺は、スーパーナチュラルアカデミーに明日から通うことになった。
なんてこった。



アカデミーには、俺と同じくらいの年頃の人間はいなかった。
みんな、大体は十六歳以上って所か。
だから周りの学生連中は、俺を奇異の目でジロジロと見ていた。おい、少しは遠慮したらどうだ?

そんなに俺が珍しいのか?見てくれは高々十二歳程度の人間のガキなのにか?

それとも俺がスーパーナチュラル(超自然的存在)だとバレてるってことか?
だが、どう考えたってこいつらにそれほど高性能なサードアイ(注四)が備わっているようには思えない。

注四「第三の目はスーパーナチュラルの存在を見透かしたり、魔力の痕跡などを見ることができる。
他にも色々と便利な機能が備わっており、使用者のスキルが上がれば性能も良くなっていく。
ちなみに俺も使える。それも人間なんかとは比べ物にならないほどのな」

それから何日か過ぎて行き、俺は授業を終えるとアカデミーの図書館に引っ込むようになった。
他の学生に話しかけられたりするのを避けるのと、今後の情報収集の為だ。

俺は別に人間と仲良くなりたいとは思ってなかったし、正体がバレた場合のリスクを考えていた。
もしも俺の正体がスーパーナチュラルだと判明した場合どうなるのか。

見世物にするのか、それとも生体実験の材料(注五)か。そして、そんなもん俺はどっちもお断りだった。
当たり前だろう?逆に歓迎する奴がいるなら見てみたいもんだ。
人間、スーパーナチュラル、どっちも問わずな。

注五「勿論、俺もタダで実験材料になる気はない。人間に転生して力が大分弱まったとはいえ、
全くの無力ってわけでもない。そうなったら、出来る限りの大勢の人間どもを道連れにし、地獄に引きずり込んでやる」

それから俺は図書館の隅に陣取るようになった。
一番端のタイル、そこが俺の縄張りになった。アカデミー内での俺の唯一の居場所だ。



スーパーナチュラルとの契約方法は、大雑把に分ければ貢物で釣り上げるか、
完膚無きまでに痛めつけて無理やり従わせるかだ(注七)。

注七「特に後者は一番確実でもある。それに元手もかからない。人間の中にはこれを好む者も多い。
なんせ、連中は強力なスーパーナチュラルも大勢で取り囲んでリンチしちまう。契約するまでな」

あとは何かのキッカケで仲良くなって、人間と契約する場合もあるがこれは少数派と言ってもいいだろうな。
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