人間の赤ん坊に憑依した悪魔の俺がデーモンサマナー学科に入れられるなんて皮肉でしかない

湯島

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男女のデーモンバスター6

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「おやめなさい、お二人共。無駄に争うのは。そうですね、私に手を貸すなら、貴方達が気に入るテリトリーを差し上げますよ。
ほほほ、どうですか」
俺は悪役の口調を真似ながら二人に尋ねた。そんな俺の申し出に二人が顔を見合わせる。

最初に乗ってきたのは鬼の方だった。食いつきが良いな。
「喜んで手をお貸ししますっ、アスタロト様っ」

「ほほほ、そうですか。所でそちらの巫女さんはどうですか」
「私も是非手伝わせてくださいませっ」

どうやら二人とも結構現金なタイプのようだな。悪くない。俺は自分に素直な奴は嫌いじゃないからだ。
「そういえば、お二人のお名前をまだ伺っていませんでしたね」

「私の名前は美琴と申します、守護神族の出でございます、アスタロト様」
「あたしは理沙っ、誇り高き黒鬼族に連なる者ですっ」

「ほほほ、美琴さんに理沙さんですか、それではお二人とも今後共協力のほどよろしく頼みますよ」
よし、俺もある程度は力が増したし、美琴と理沙が加わって戦力もアップしたし、今日は言うことなしだ。

十三

それから俺達は近隣の異界に乗り込んでは荒らし回った。
「ほほほほ、美琴さんに理沙さんっ、この者達をやっておしまいなさいっ」

「「ははっ」」

俺の命令と同時に二人が飛びかかってくるデーモンどもを薙ぎ倒していく。
討ち漏らしたデーモンはレブが片付けてくれるので、俺はほとんど手を出さずに眺めているだけでいい。

これはとても楽だ。雑魚はこいつらに任せておけばいいだけだからな。
少々面倒な奴が出てきた時だけ、俺が戦闘に加わればいい。

今夜も大量のソウルプラズマを得ると、俺は分配を済ませて(注三十)アカデミーの寮にある自室へと戻った。

注三十「ソウルプラズマの配分は、俺が四割で残りの六割を三等分にしている」

自室に備え付けられたベッドに腰を下ろし、俺は緑茶を啜った。
この飲み物も悪くない。コーヒーと同じくらいには気に入っている。

寮に戻ってきた後、こうして茶を飲むのは俺の習慣になっていた。
それから俺はベッドで朝が来るのを待った。瞑想しながらだ。

窓に取り付けられたブラインドから淡い陽光が差し込み、朝が訪れたのを告げると俺はベッドから降りた。
備え付けのシャワーブースで身体を洗い、歯を磨く。

熱い湯が汗を洗い流していく感覚は悪くない。それから着替えると俺は自室を出た。
いつものように図書館へと向かう。

その途中で俺は学生達の悩みを耳にした。主に男子学生の悩みだったが。
悩みの大半はこんな具合だった。

彼女が欲しい、やりたい、脱童貞を果たしたい、ナンパした女が連絡をくれない、ご無沙汰だ、
誰でもいいからコーマンを恵んでくれ、もう一年も童貞を貫いている(注三十一)などだ。

注三十一「一年も童貞って貫くってどういう意味なんだろうな。あんた、わかるか?」

図書館でいつものように少々読書を楽しんでから食堂へと向かい、食事を取った。
遅れてやってきたカズマと美紀が、俺の真向かいのテーブル席に座る。

「やあ、明、調子はどうだい?」
「まあまあってとこだ」

俺はカレーを食いながら答えた。
カズマの隣にいた美紀がクラウドブレッド(注三十二)のサンドイッチをちぎりながら、
今度の模擬戦のこと考えると頭痛いわねとボヤく。

注三十二「グルテンフリーのこの食物は女子学生に大人気だ。
炭水化物をほとんど含まず、低カロリーで高タンパク質なこのサンドイッチは、ダイエットの強い味方ってわけ。
ちなみに材料は卵とカッテージチーズ、それとベーキングパウダーのみで出来ている」

「どうかしたのか?」
俺は頭を抱えている美紀を見た。

「ああ、近々チーム同士での模擬戦があるんだけどさ、結構強い連中も出てくるからどうしようかって、
悩んでるのよね。一位から三位まで賞品や賞金が出るんだけど。特に一位が新しい召喚用デバイスでさ。
それでどうしようかなって思ってたのよ」
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