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男女のデーモンハンター5
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俺は二人に近づくと声をかけた。
「お前ら、そんなところで何をしてるんだ?」
こういう時、できるだけ穏やかな口調で話しかけた。だが、二人共俺を無視したままいがみ合っている。
俺は再び、フレンドリーに振る舞いながら腕を大きく広げ、両手一杯に降った。
それと同時に巫女と鬼が俺目掛けてエネルギーボルトを叩き込んでくる。
避ける暇もなかった。俺はモロに<エネルギーボルト>を食らってしまった。
その衝撃に俺は遥か後方へと吹き飛ばされた。こいつはかなりやばい。
俺は虚空に放り出されたまま思った。
脆弱な人間が耐えられるような威力ではなかったからだ。
脳みそがシェイクされ、五体をミキサーに掛けられたような感覚に陥る。
俺は人間で言うところの生死の狭間を覗いていた。
だが、俺はなんとか生きていた。ソウルプラズマを使って傷口を素早く修復する。
ソウルプラズマの容量が増大しているのがわかった。
それに肉体も以前より強固になっている。
どうやら先ほどの攻撃を受け、生死の境目を彷徨ったおかげで一気にパワーアップを果たしたようだ。
人間も生死の狭間を覗いた者の中には、急激に力を増すタイプがいる。
俺が乗っ取った赤ん坊もどうやらその手のタイプだったらしいな。
服についた土埃や雑草を払い落とし、俺はゆっくりと立ち上がった。
あのふたりに対し、俺はパワーアップに協力してくれた礼をしなければならないだろう。
それが礼儀というものだからな。
俺は巫女と鬼のふたりに向かって、この前読んだ漫画のセリフをありったけの声を張り上げて叫んだ(注二十八)。
「その時読んだ漫画はドラゴンボールってタイトルだったな。人間ってのは面白いもんを作るな」
「ぜったいに許さんぞっ、虫けらどもっ、じわじわとなぶり殺しにしてくれるっ、一人たりともにがさんぞっ、覚悟しろっっ!」
俺はふたりの間に突撃し、<ソニックブーム>を手当たり次第に連発してやった。
地面が大きく抉れ、切り倒された木々が次々に音を響かせて倒れていく。
「な、何なんだお前はっ」
突然乱入してきた俺に鬼が慌てふためく。まあ、それは巫女の方も同じだったが。
「これは私とこの鬼との問題ですっ、部外者の人間は引っ込んでいてくださいっ」
両腕を組みながら俺は空中に浮かびあがると、ふたりを見下ろした。
「ほほほ、人間風情と一緒にされては困りますね。貴方達、私が誰だかわかっているのですか?」
俺は漫画に出てきた悪役の物真似をしながら、瞳の色を変えてみせた。
途端に二人が震え上がる。
その時、隠れていたレブが間髪入れずにこの前見たドラマのセリフを吐いた(注二十九)。
「このお方をどなたと心得るっ、偉大にして至高なる存在っ、あらゆるスーパーナチュラルを束ねられるアスタロト様であるぞっ、
図が高いっ、控えおろうっ」
注二十九「確か水戸黄門だったかな、ありゃ」
すると巫女と鬼が俺の前に膝をつき、頭を下げた。
「も、申し訳ありませんでしたっ、アスタロト様とは露知らずっ」
「どうかご無礼をお許しくださいませっ」
俺はふたりに対し、鷹揚に頷いて見せた。ここで寛容な所を見せないとな。
「ほほほ、いいでしょう。おふたりとも知らなかったことでしょうから許します。それよりも争いの原因はなんですか。
まあ、鬼と巫女ならば何となく察しがつきますが、念の為に聞いておきましょうか」
最初に口を開いたのは巫女だった。
「それはこの鬼が私の神社を乗っ取ろうと……」
「ふん、こんな異界化した神社、今では誰も寄り付かないだろうが。このあたしが乗っ取って何が悪いって言うのさっ」
それから二人は再び、いがみ合いを始めた。
「お前ら、そんなところで何をしてるんだ?」
こういう時、できるだけ穏やかな口調で話しかけた。だが、二人共俺を無視したままいがみ合っている。
俺は再び、フレンドリーに振る舞いながら腕を大きく広げ、両手一杯に降った。
それと同時に巫女と鬼が俺目掛けてエネルギーボルトを叩き込んでくる。
避ける暇もなかった。俺はモロに<エネルギーボルト>を食らってしまった。
その衝撃に俺は遥か後方へと吹き飛ばされた。こいつはかなりやばい。
俺は虚空に放り出されたまま思った。
脆弱な人間が耐えられるような威力ではなかったからだ。
脳みそがシェイクされ、五体をミキサーに掛けられたような感覚に陥る。
俺は人間で言うところの生死の狭間を覗いていた。
だが、俺はなんとか生きていた。ソウルプラズマを使って傷口を素早く修復する。
ソウルプラズマの容量が増大しているのがわかった。
それに肉体も以前より強固になっている。
どうやら先ほどの攻撃を受け、生死の境目を彷徨ったおかげで一気にパワーアップを果たしたようだ。
人間も生死の狭間を覗いた者の中には、急激に力を増すタイプがいる。
俺が乗っ取った赤ん坊もどうやらその手のタイプだったらしいな。
服についた土埃や雑草を払い落とし、俺はゆっくりと立ち上がった。
あのふたりに対し、俺はパワーアップに協力してくれた礼をしなければならないだろう。
それが礼儀というものだからな。
俺は巫女と鬼のふたりに向かって、この前読んだ漫画のセリフをありったけの声を張り上げて叫んだ(注二十八)。
「その時読んだ漫画はドラゴンボールってタイトルだったな。人間ってのは面白いもんを作るな」
「ぜったいに許さんぞっ、虫けらどもっ、じわじわとなぶり殺しにしてくれるっ、一人たりともにがさんぞっ、覚悟しろっっ!」
俺はふたりの間に突撃し、<ソニックブーム>を手当たり次第に連発してやった。
地面が大きく抉れ、切り倒された木々が次々に音を響かせて倒れていく。
「な、何なんだお前はっ」
突然乱入してきた俺に鬼が慌てふためく。まあ、それは巫女の方も同じだったが。
「これは私とこの鬼との問題ですっ、部外者の人間は引っ込んでいてくださいっ」
両腕を組みながら俺は空中に浮かびあがると、ふたりを見下ろした。
「ほほほ、人間風情と一緒にされては困りますね。貴方達、私が誰だかわかっているのですか?」
俺は漫画に出てきた悪役の物真似をしながら、瞳の色を変えてみせた。
途端に二人が震え上がる。
その時、隠れていたレブが間髪入れずにこの前見たドラマのセリフを吐いた(注二十九)。
「このお方をどなたと心得るっ、偉大にして至高なる存在っ、あらゆるスーパーナチュラルを束ねられるアスタロト様であるぞっ、
図が高いっ、控えおろうっ」
注二十九「確か水戸黄門だったかな、ありゃ」
すると巫女と鬼が俺の前に膝をつき、頭を下げた。
「も、申し訳ありませんでしたっ、アスタロト様とは露知らずっ」
「どうかご無礼をお許しくださいませっ」
俺はふたりに対し、鷹揚に頷いて見せた。ここで寛容な所を見せないとな。
「ほほほ、いいでしょう。おふたりとも知らなかったことでしょうから許します。それよりも争いの原因はなんですか。
まあ、鬼と巫女ならば何となく察しがつきますが、念の為に聞いておきましょうか」
最初に口を開いたのは巫女だった。
「それはこの鬼が私の神社を乗っ取ろうと……」
「ふん、こんな異界化した神社、今では誰も寄り付かないだろうが。このあたしが乗っ取って何が悪いって言うのさっ」
それから二人は再び、いがみ合いを始めた。
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