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吾輩は誰であ~るか
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ヒンヤリとした冷たい妖気が室内に充満した。レイスが俺達を見回す。
「封印されていた吾輩を解放してくれたのはお前達であるか?礼を言うのであ~る……んん」
レイスが背筋を伸ばし、前後に首を振り立てた途端、目の前から消えた。
それと同時に「きゃあああああああッッ!」という美琴のつんざくような悲鳴が轟いた。
振り返ると尻を押さえて美琴が地面にへたり込んでいた。
レイスが合わせた両手から突き出た二本の人差し指をクンクン嗅いでいる。
「うーん、なんとも芳しい香りであ~る。次はそっちの鬼娘であ~る」
「ふんっ、やれるもんならやってみなっ」
レイスの言葉に理沙が身構えた。だが、再びレイスが瞬間移動し、理沙の背後に回る。
そしてヒョウ柄のビキニに包まれたヒップの中心目掛けて、二本の人差し指を突き立てた。
「ひぎゃあああああああッッ」
美琴と同じように理沙も悲鳴を上げながら地面にへたり込んでしまう。
理沙の尻から引き抜いた指をレイスがクンクンと嗅いだ。
「やはり美しい娘に秘められたこの蕾の芳醇な匂いは、いつ嗅いでも素晴らしいであ~る。
これは人間もスーパーナチュラルも問わずであ~る」
「我が主よ、このレイス、中々厄介な性格のようですね」
「ああ、そうだな」
レブの言葉に俺は同意した。レイスというのは無口なタイプが多い。
だが、こいつは饒舌だし、エキセントリックでパンクな性格をしているようだ(注四十七)。
注四十七「頭に釘が刺さってるレイスってのは本当に珍しいんだぜ」
「封印が解けて早々に美しい娘達の芳香を味わえたのは僥倖(ぎょうこう)であ~る。このふたりの美しい娘達は吾輩が貰い受けるのであ~る」
「おいおい、何言ってんだ、お前は。さっき助けてやった礼が云々言ってた癖によ」
「吾輩は吾輩であ~る。お前ではないのであ~る。それに礼はもう言ったのであ~る」
癖のある巻き舌口調の喋り方が何だか滑稽だ。見ていて面白そうな奴ではあるな。
「おい、レイス、俺の目を見ろ」
「なんであ~るか。それよりもお前は人間であ~るか?我々と同類の気配がするのだが?」
「それよりもさっさと俺の目を覗け」
俺が言い募ると奴は素直に俺の両眼を見た。結構律儀な奴なのかもしれないな。
俺は瞳の色を変えた。
「その瞳……汝は孤高なるアスタロトッ、吾輩に何か用であ~るか?」
物怖じしない奴だな。個人的にはこう言う奴は嫌いじゃないぜ。
「おい、レイス、俺に力を貸してくれないか。協力するならお前の望むものをやるぜ」
「今の所は特にないのであ~る。それよりもこの娘ふたりの芳香をこれから楽しみたいなら、吾輩の邪魔をしないで欲しいのであ~る」
「若くて綺麗な娘の尻の匂いを嗅ぎたいなら俺についてくれば、いくらでも嗅げるぞ」
「ふむ、それならついていくのであ~る」
「よし、よし、所でお前の名前はなんだ?」
「吾輩の名前?吾輩の名前はなんであ~るか」
こいつ、もしかして自分の名前もわからないのか。
「そういえば吾輩は誰であ~るか?吾輩は誰だ?誰だ?誰だッ!」
このレイスの頭には釘が何本も刺さってるようだな。
「いいだろう。俺が名前をつけてやる。お前の名前はダレだ」
「吾輩の名前はダレであ~る。ダレはダレであるか」
こいつと喋っているとこっちの頭までおかしくなっちまいそうだ。
俺は尻を押さえて呻いている美琴と理沙を両脇に抱き抱えると、レブとダレを連れてひとまず異界から離れた。
二十六
「ダレはダレであ~る」
そう言いながら人間に化けたダレが、黒いリボンを結んだ口ひげを人差し指で撫でていた。
俺がコーヒーを淹れたカップをダレに差し出す。
ダレはコーヒーの香りを楽しむと、ずずっと啜ってみせた。
「それで若い娘達はどこにいるのであ~るか。この黒い液体の香りも悪くはないが、娘達の芳香には劣るのであ~るが」
「まあ、まあ、そんなに慌てるなよ。今に好きなだけ嗅げるさ」
「嫌であ~る。ダレは今すぐに嗅ぎたいのであ~る。娘達の芳醇な秘められしあの香りを思う存分味わいたいのであ~る」
そう言い残すとダレがのそりと立ち上がり、開けられた部屋の窓から夜空へと飛んでいく。
なんつう、滅茶苦茶な奴なんだ。もしかしたらとんでもないトラブルメーカーかもしれないぞ、こりゃ。
俺は出て行ったダレの奴を追いかけることにした。
と思った途端、闇に包まれたアカデミーのキャンパス内に少女の悲鳴が木霊した。
早速、ダレの奴が誰かの尻を指で抉ったらしい。困った奴だ。
悲鳴が聞こえた方向へ行くと、尻を押さえて呻いている少女が倒れていた。
あいつ、どこ行ったんだ。
すると、再び甲高い叫び声が聞こえてくる。
どうやら、アカデミーの敷地から出て行ったようだな。
二十七
裏路地にたむろする三人組の少女達の尻をダレが二本の人差し指で突き刺していく。
ダレが少女達のヒップに指を第二関節までめり込ませたあと、ひねりながら引き抜いていく。
ダレの犠牲になった少女達はその衝撃と痛みに地面に倒れ伏していた。
「良い香りであ~る」
ダレは指先に付いた少女達の香りを鼻を鳴らして嗅いだ。
「封印されていた吾輩を解放してくれたのはお前達であるか?礼を言うのであ~る……んん」
レイスが背筋を伸ばし、前後に首を振り立てた途端、目の前から消えた。
それと同時に「きゃあああああああッッ!」という美琴のつんざくような悲鳴が轟いた。
振り返ると尻を押さえて美琴が地面にへたり込んでいた。
レイスが合わせた両手から突き出た二本の人差し指をクンクン嗅いでいる。
「うーん、なんとも芳しい香りであ~る。次はそっちの鬼娘であ~る」
「ふんっ、やれるもんならやってみなっ」
レイスの言葉に理沙が身構えた。だが、再びレイスが瞬間移動し、理沙の背後に回る。
そしてヒョウ柄のビキニに包まれたヒップの中心目掛けて、二本の人差し指を突き立てた。
「ひぎゃあああああああッッ」
美琴と同じように理沙も悲鳴を上げながら地面にへたり込んでしまう。
理沙の尻から引き抜いた指をレイスがクンクンと嗅いだ。
「やはり美しい娘に秘められたこの蕾の芳醇な匂いは、いつ嗅いでも素晴らしいであ~る。
これは人間もスーパーナチュラルも問わずであ~る」
「我が主よ、このレイス、中々厄介な性格のようですね」
「ああ、そうだな」
レブの言葉に俺は同意した。レイスというのは無口なタイプが多い。
だが、こいつは饒舌だし、エキセントリックでパンクな性格をしているようだ(注四十七)。
注四十七「頭に釘が刺さってるレイスってのは本当に珍しいんだぜ」
「封印が解けて早々に美しい娘達の芳香を味わえたのは僥倖(ぎょうこう)であ~る。このふたりの美しい娘達は吾輩が貰い受けるのであ~る」
「おいおい、何言ってんだ、お前は。さっき助けてやった礼が云々言ってた癖によ」
「吾輩は吾輩であ~る。お前ではないのであ~る。それに礼はもう言ったのであ~る」
癖のある巻き舌口調の喋り方が何だか滑稽だ。見ていて面白そうな奴ではあるな。
「おい、レイス、俺の目を見ろ」
「なんであ~るか。それよりもお前は人間であ~るか?我々と同類の気配がするのだが?」
「それよりもさっさと俺の目を覗け」
俺が言い募ると奴は素直に俺の両眼を見た。結構律儀な奴なのかもしれないな。
俺は瞳の色を変えた。
「その瞳……汝は孤高なるアスタロトッ、吾輩に何か用であ~るか?」
物怖じしない奴だな。個人的にはこう言う奴は嫌いじゃないぜ。
「おい、レイス、俺に力を貸してくれないか。協力するならお前の望むものをやるぜ」
「今の所は特にないのであ~る。それよりもこの娘ふたりの芳香をこれから楽しみたいなら、吾輩の邪魔をしないで欲しいのであ~る」
「若くて綺麗な娘の尻の匂いを嗅ぎたいなら俺についてくれば、いくらでも嗅げるぞ」
「ふむ、それならついていくのであ~る」
「よし、よし、所でお前の名前はなんだ?」
「吾輩の名前?吾輩の名前はなんであ~るか」
こいつ、もしかして自分の名前もわからないのか。
「そういえば吾輩は誰であ~るか?吾輩は誰だ?誰だ?誰だッ!」
このレイスの頭には釘が何本も刺さってるようだな。
「いいだろう。俺が名前をつけてやる。お前の名前はダレだ」
「吾輩の名前はダレであ~る。ダレはダレであるか」
こいつと喋っているとこっちの頭までおかしくなっちまいそうだ。
俺は尻を押さえて呻いている美琴と理沙を両脇に抱き抱えると、レブとダレを連れてひとまず異界から離れた。
二十六
「ダレはダレであ~る」
そう言いながら人間に化けたダレが、黒いリボンを結んだ口ひげを人差し指で撫でていた。
俺がコーヒーを淹れたカップをダレに差し出す。
ダレはコーヒーの香りを楽しむと、ずずっと啜ってみせた。
「それで若い娘達はどこにいるのであ~るか。この黒い液体の香りも悪くはないが、娘達の芳香には劣るのであ~るが」
「まあ、まあ、そんなに慌てるなよ。今に好きなだけ嗅げるさ」
「嫌であ~る。ダレは今すぐに嗅ぎたいのであ~る。娘達の芳醇な秘められしあの香りを思う存分味わいたいのであ~る」
そう言い残すとダレがのそりと立ち上がり、開けられた部屋の窓から夜空へと飛んでいく。
なんつう、滅茶苦茶な奴なんだ。もしかしたらとんでもないトラブルメーカーかもしれないぞ、こりゃ。
俺は出て行ったダレの奴を追いかけることにした。
と思った途端、闇に包まれたアカデミーのキャンパス内に少女の悲鳴が木霊した。
早速、ダレの奴が誰かの尻を指で抉ったらしい。困った奴だ。
悲鳴が聞こえた方向へ行くと、尻を押さえて呻いている少女が倒れていた。
あいつ、どこ行ったんだ。
すると、再び甲高い叫び声が聞こえてくる。
どうやら、アカデミーの敷地から出て行ったようだな。
二十七
裏路地にたむろする三人組の少女達の尻をダレが二本の人差し指で突き刺していく。
ダレが少女達のヒップに指を第二関節までめり込ませたあと、ひねりながら引き抜いていく。
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