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俺たちゃガキギャング
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瞼の裏側に差し込む朝日を感じ、いつものように目を覚ます。いつもの廃屋、見慣れた風景。
ブリキのタライに汲んだ水で顔を洗い、口をすすいだ。
槍を点検、俺の大事な商売道具だ。
漂うスープの匂い、吊るした鍋で朝食を作るシェリルとニコルの姿。
起き出してくるミッキー、スープの香りに釣られたか。
それから四人で朝食を取る。うーん、まともな朝飯だ。
野菜と具がたっぷり入ったスープに固くないパン、それに新鮮なオレンジ。悪くない気分だ。
ドール兄弟にいくらピンハネされるか考えていたが、奴ら、俺達が思っていたよりも多く分け前をよこした。
多分、俺達が真面目に薬草を摘んで、キラー・ウィードをまともに狩れるからだろうな。
金を貯めたら新しい武器と装備が欲しい。こんな手製の槍じゃなくて、もっと良い奴だ。
せめてまともに見れるだけの装備を新調するんだ。俺と仲間の分をな。
そうすりゃ、ドール兄弟なんぞに使われずに自分達で金を稼げる。
食事を済ませてから俺とミッキーとニコルの三人で待ち合わせ場所の広場へと向かう。
広場にはジェイクや他の孤児達が集まっていた。
少し遅れてやって来たドール兄弟──兄貴のロディーは十六歳で、弟のマイキーが十五歳だ。
兄貴の方は痩せているが、弟のマイキーは巨漢、かなり対照的な兄弟だ。
恐らくは兄貴が母親似で弟が父親似なんだろう。あるいはその逆か。
いつものようにゾロゾロと、街を出て森へと進んでいく。おい、ニコル、仕事中に酒はよせ。
それから日が暮れる前に摘められるだけ薬草を袋に詰め込む。
キラー・ウィードを狩りながらな。それで仕事を終えて街へと引き上げる。
街に戻ったら次の仕事だ。俺は朝に採取と狩りをして、夜は流しのギター弾きをやった。
少しでも稼ぎたかったからな。
酒場で一曲演奏する。酒場の名前は<ゴブリンロード>だ。ゴブリンの通り道。
乱雑に置かれた椅子とテーブルは商売女と客に占領されている。
安っぽいエールとタバコの煙、ホコリを被ったランプ、労働者や露天商人、街のごろつき傭兵、様々な客層が集まっている。
おい、ニコル、酔っ払いから財布をスリ取ろうとするな。
俺は酔漢共の前でデルタブルースを弾いた。サン・ハウスやチャーリー・パットンの名曲だ。
這わせた指がブロンズの弦を振動させ、音色を紡ぎ出す。
「ガキのくせに面白れえ曲弾くじゃねえか」
と、労働者風の男が俺達に小銭を投げてよこす。俺は黙って頭を下げた。
曲を披露しながら俺は客の様子を伺った。どの曲が客に一番受けるのか。
比較的酔いながら楽しめる曲が受けそうだな。
それで俺はマディ・ウォーターズの『フーチークーチーマン』を演奏した。
こいつが客から受けた。当たりだ。降り注ぐ小銭の雨がチャリン、チャリンと良い音を奏でる。
急いで小銭をかき集めるミッキーとニコル、俺は曲を弾き続けた。
それから続けて何曲か演奏した所で、
いい加減に指が痛くなってきたので曲を切り上げる。
それからカウンターで三人分のビールを注文した。喉が酷く乾いていたからな。
「今日も良い曲だったぜ、パウロ。本当に良い曲だった。確かブルースだったな」
「ああ、俺のお気に入りだ」
カウンターの向こうに立っているのはこの酒場の主人だ。名前はジャンゴ、左腕が義手になっているオヤジだ。
見かけは四十半ば、気立ては良さそうだ。
俺達は注がれたビールを一気に飲み干した。うまい。
それから店を後にすると俺達はほろ酔い気分で路地裏を歩いた。
そこで物陰から飛び出てきた二人の男たちに囲まれた。一体何だっていうんだ?
「おい、ガキども、その金をこっちに寄こせ」
ボロを着た浮浪者同然の格好をしている男のひとりが、ナイフをチラつかせながら俺達を脅す。
こいつら、あの酒場で俺達が稼ぐのを見てたのか。それで回り込んだんだな。
「ふざけんなよっ、お前らガキ相手にタカるつもりかよっ」と文句を言うミッキー。
「うるせいっ、いいからとっとと金を出せっ、このクソガキどもがっ」
黄色く濁った男達の両眼──肝臓か脾臓が悪いんだろうな。とにかくどうするか。
俺がこの場を上手く切り抜ける方法を模索している最中にミッキーが既に動いていた。
お得意の投げナイフが右側にいた男の股間に突き刺さる。
こうなりゃ、やるしかない。
俺も素早く身を屈めて左側の男の足にタックル──取り出したナイフで男のふくらはぎを切り裂く。
路地裏に轟く叫び声、男の流した血が俺の掌を濡らした。
くそっ、血がヌメついて危うくナイフを落としそうになったぞ。
それから身を翻すと俺達は隠れ家へと走った。あの足なら俺達を追いかけることはできないはずだ。
住処に戻ると俺はすぐにタライの水で血を洗い落とした。
懐から取り出した折りたたまれた紙を広げるニコル、どっから持ってきたんだ?
俺の問いかけにニコルが答える。
「あの浮浪者からスリ取ってやったんだ」
いつの間にスリ取ったんだか。俺も気づかなかった。紙は何かの地図のようだった。
「宝の地図かな?」
ニコルが俺達の顔を見やりながら言う。
「あんな乞食がなんでそんなもん持ってんだ」と、ミッキー。
「これ、ダロルの森みたいだな。面白そうじゃないか。宝じゃなくても、何か金目のものがあるかもよ」
俺が茶化しながら喋ると、ミッキーとニコルが地図を食い入るように見つめた。
「なあ、もし、金目の物があるかもしれないってんなら、行ってみないか?」
ブリキのタライに汲んだ水で顔を洗い、口をすすいだ。
槍を点検、俺の大事な商売道具だ。
漂うスープの匂い、吊るした鍋で朝食を作るシェリルとニコルの姿。
起き出してくるミッキー、スープの香りに釣られたか。
それから四人で朝食を取る。うーん、まともな朝飯だ。
野菜と具がたっぷり入ったスープに固くないパン、それに新鮮なオレンジ。悪くない気分だ。
ドール兄弟にいくらピンハネされるか考えていたが、奴ら、俺達が思っていたよりも多く分け前をよこした。
多分、俺達が真面目に薬草を摘んで、キラー・ウィードをまともに狩れるからだろうな。
金を貯めたら新しい武器と装備が欲しい。こんな手製の槍じゃなくて、もっと良い奴だ。
せめてまともに見れるだけの装備を新調するんだ。俺と仲間の分をな。
そうすりゃ、ドール兄弟なんぞに使われずに自分達で金を稼げる。
食事を済ませてから俺とミッキーとニコルの三人で待ち合わせ場所の広場へと向かう。
広場にはジェイクや他の孤児達が集まっていた。
少し遅れてやって来たドール兄弟──兄貴のロディーは十六歳で、弟のマイキーが十五歳だ。
兄貴の方は痩せているが、弟のマイキーは巨漢、かなり対照的な兄弟だ。
恐らくは兄貴が母親似で弟が父親似なんだろう。あるいはその逆か。
いつものようにゾロゾロと、街を出て森へと進んでいく。おい、ニコル、仕事中に酒はよせ。
それから日が暮れる前に摘められるだけ薬草を袋に詰め込む。
キラー・ウィードを狩りながらな。それで仕事を終えて街へと引き上げる。
街に戻ったら次の仕事だ。俺は朝に採取と狩りをして、夜は流しのギター弾きをやった。
少しでも稼ぎたかったからな。
酒場で一曲演奏する。酒場の名前は<ゴブリンロード>だ。ゴブリンの通り道。
乱雑に置かれた椅子とテーブルは商売女と客に占領されている。
安っぽいエールとタバコの煙、ホコリを被ったランプ、労働者や露天商人、街のごろつき傭兵、様々な客層が集まっている。
おい、ニコル、酔っ払いから財布をスリ取ろうとするな。
俺は酔漢共の前でデルタブルースを弾いた。サン・ハウスやチャーリー・パットンの名曲だ。
這わせた指がブロンズの弦を振動させ、音色を紡ぎ出す。
「ガキのくせに面白れえ曲弾くじゃねえか」
と、労働者風の男が俺達に小銭を投げてよこす。俺は黙って頭を下げた。
曲を披露しながら俺は客の様子を伺った。どの曲が客に一番受けるのか。
比較的酔いながら楽しめる曲が受けそうだな。
それで俺はマディ・ウォーターズの『フーチークーチーマン』を演奏した。
こいつが客から受けた。当たりだ。降り注ぐ小銭の雨がチャリン、チャリンと良い音を奏でる。
急いで小銭をかき集めるミッキーとニコル、俺は曲を弾き続けた。
それから続けて何曲か演奏した所で、
いい加減に指が痛くなってきたので曲を切り上げる。
それからカウンターで三人分のビールを注文した。喉が酷く乾いていたからな。
「今日も良い曲だったぜ、パウロ。本当に良い曲だった。確かブルースだったな」
「ああ、俺のお気に入りだ」
カウンターの向こうに立っているのはこの酒場の主人だ。名前はジャンゴ、左腕が義手になっているオヤジだ。
見かけは四十半ば、気立ては良さそうだ。
俺達は注がれたビールを一気に飲み干した。うまい。
それから店を後にすると俺達はほろ酔い気分で路地裏を歩いた。
そこで物陰から飛び出てきた二人の男たちに囲まれた。一体何だっていうんだ?
「おい、ガキども、その金をこっちに寄こせ」
ボロを着た浮浪者同然の格好をしている男のひとりが、ナイフをチラつかせながら俺達を脅す。
こいつら、あの酒場で俺達が稼ぐのを見てたのか。それで回り込んだんだな。
「ふざけんなよっ、お前らガキ相手にタカるつもりかよっ」と文句を言うミッキー。
「うるせいっ、いいからとっとと金を出せっ、このクソガキどもがっ」
黄色く濁った男達の両眼──肝臓か脾臓が悪いんだろうな。とにかくどうするか。
俺がこの場を上手く切り抜ける方法を模索している最中にミッキーが既に動いていた。
お得意の投げナイフが右側にいた男の股間に突き刺さる。
こうなりゃ、やるしかない。
俺も素早く身を屈めて左側の男の足にタックル──取り出したナイフで男のふくらはぎを切り裂く。
路地裏に轟く叫び声、男の流した血が俺の掌を濡らした。
くそっ、血がヌメついて危うくナイフを落としそうになったぞ。
それから身を翻すと俺達は隠れ家へと走った。あの足なら俺達を追いかけることはできないはずだ。
住処に戻ると俺はすぐにタライの水で血を洗い落とした。
懐から取り出した折りたたまれた紙を広げるニコル、どっから持ってきたんだ?
俺の問いかけにニコルが答える。
「あの浮浪者からスリ取ってやったんだ」
いつの間にスリ取ったんだか。俺も気づかなかった。紙は何かの地図のようだった。
「宝の地図かな?」
ニコルが俺達の顔を見やりながら言う。
「あんな乞食がなんでそんなもん持ってんだ」と、ミッキー。
「これ、ダロルの森みたいだな。面白そうじゃないか。宝じゃなくても、何か金目のものがあるかもよ」
俺が茶化しながら喋ると、ミッキーとニコルが地図を食い入るように見つめた。
「なあ、もし、金目の物があるかもしれないってんなら、行ってみないか?」
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