魔獣戦役

ame-ba

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世界は平和を謳歌していた。

ここ日本でも桜が舞い散る季節であった。

人々はこれからの人生に思いを巡らせ期待を胸に踊らせる。

そんな幸せな季節。。。




現実は悲しい。。。




人々の日常は無惨にも崩れさる。

突然、スマホから鳴る警報音。Jアラートである。

人々はミサイルが発射されたのかと危機感を覚える。

知識ある人々は地下へ逃げていく。

しかし、ミサイルの着弾予測はいつまで経っても通知されない。

人々が違和感を覚え出した頃、空が曇天に覆われる。

それは、人々が初めて見る空の色だった。

紫のようで所々に雷が渦巻く不思議な雲。

この不思議な現象に人々は空を見上げた。

その瞬間、人々に向かって雲が降りてくる。

地響きのような音を発しながら落ちてくる雲は人々に恐怖を与えた。

しかし、一瞬にして世界を飲み込んだ雲は特に害はないものであった。

人々は雲の中を必死に彷徨っていた。

しかも、世界中でこの現象は起こっていた。

一瞬にして地球は雲(霧)の惑星になってしまったのである。

各国はこの雲(霧)がどういう現象なのかを調べた。

停滞したままの霧は各国のあらゆる経済活動を阻害した。

道路は視界が見えず、運転不可能。

船の輸出・入も視界が見えず運航不可能。

空の飛行機も視界不良で飛行不可能。



このような状態では国家が破綻してしまう。

そう考えた政府は霧の原因究明を行う。。。はずだった。

突然、霧の中で怪物に襲われたという報告が全国から寄せられたのである。

これには政府も動揺した。

怪物が存在しているのであれば霧の中で暮らす民間人の不安はとてつもなく大きいもののはずであるからだ。

さらに、怪物出現の報道で細々と行われていた物資輸送も完全に停止してしまったのである。

過疎地域にいる民間人はこの瞬間から孤立してしまったのである。


このままでは地域間の連携が取れないと判断した政府は、自衛隊による”怪物”の調査・討伐を開始。

東京や大阪など都市圏の調査並びに物資供給の作戦が開始される。



北海道と福岡を中心とした九州。米軍の駐屯していた沖縄は怪物調査の結果、怪物の出現を確認できず。そのまま地域の防衛に当たっていた。

この段階で怪物の出現が多数報告されていた大阪に多数の調査員を派遣。

前段階では5メートルほどあるトカゲを10体以上確認していた。

さらに、高層ビルの間に巣を作っていた10メートルほどの蜘蛛、
5メートルほどの鹿などさまざまな動物が巨大化しているのを報告してきていた。

ここに来て、政府ではこの霧で動物が巨大化しているのではないかという仮説を立て、作戦を決行する。

しかし、巨大化した動物に人間の兵器や武器が効くのか?という疑問が浮かび上がっていた。

もし、亀などが巨大化していた場合は、銃弾や砲弾では貫通できない可能性もあったからである。


しかし、懸念があるなかで作戦は決行された。

作戦決行の裏には昆虫や植物、動物が以前のように狩られる側であるという思い込みが抜けきっていなかった自衛隊や政府上層部の楽観的な思考ゆえであった。



結果は惨敗であった。

自衛隊は10万人規模の部隊で大阪に進出するも、視界不良のために野砲や戦車は使用できず。遭遇戦による被害が急激に増加してしまったのである。

さらに、戦闘機や戦闘ヘリを展開することができずに遭遇地へ
援軍をすぐに送ることができなかったのである。

大阪付近の民間人を保護するため家屋を捜索するも家屋はほとんどが崩壊しており、保護できた民間人は1万人のみであった。

騒動初期に避難できた民間人も相当数いると考えられているが、それでも結構な数の民間人が行方不明のままであった。

しかし、保護した民間人とともに京都方面へ撤退した自衛隊は補給ができず立ち往生することになる。

今回の大阪での戦闘でさまざまな情報を得ることができた。

大阪で確認された動物は、ネズミやカラスなど普段から目にすることの多い動物や、蛇など日本古来の動物が多く確認された。

しかも、川や湾岸には巨大化したワニや鯉など川辺の生物なども確認されており、船舶での大阪湾への進出は危険であると認識されていく。

ゴキブリやヤモリといった家屋で見る生物もいくつか確認された。

この段階で発見された生物や昆虫、またこれまでの生態系で構築されていた生物を危険度で判断してくというプロジェクトも始動していく。

主に、動物や昆虫、魚などをきちんんとした危険度で判断しようということである。

その生物に対するきちんとした対処法の構築も計画範囲内であった。

しかし、世界中で無線を使うことができなくなっており、国内では有線での通信をなんとか敷いているところであった。

そのため、領海内を航行していた護衛艦などは行方不明であり、湾内で停泊していた船舶のみが残っているだけであった。

ここにきて、政府は反撃する能力もなくなり国家機能は停止したのである。
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