異世界冒険少女

柊 亮

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三ツ眼の蛇

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第8話 三ツ眼の蛇

ーーー

ラグス『今の場所は、ユクトピの森と呼ばれている…』
ラグス『あの場所では…年間でおよそ100人の旅人が行方不明となっている…』

ラグス『君も危なかったよ…』

「あの…」

迷いの森を抜けて林道に出る…
ふと…ある1つの疑問を抱く…

「どうぞ…続けてくれ…」

「何故…迷いの森で…皆さんは迷っていなかったのですか?」
「まるで…濃い霧の中でも…周りが鮮明に見えている様でした。」

私の問い掛けに多少驚きつつも…兵団の1人がこう呟く…

「まさか…魔法術を…」
「旅の者…怪しい言動は避けよ…」

もう1人の兵団も驚きを隠せて居なかった。
あの時の私は…
何か…言ってはいけない言葉を発したのだろうか?
と…不安と緊張で心臓の鼓動が耳でも伝わってくる状況だった。

「怪しい言動か…私にはそう思えないが…」

ラグスさんの言葉で気持ちが少し楽になる…

「しかし…」

「確かに…魔法術を知らないのは…魔法を知らないと同義だが…」
「私にとって…疑念を抱くには不十分だと思っている…」

彼の発言に何ひとつ理解できず…
困惑している…私が居た。
私の発言が何を持ってして…疑念を抱かせたのか…
この時の私には見当も付かなかった。

「ただ…伝えた方がいいだろう…」

ラグス『我々「魔導兵団」の者達は、「魔力感知」と「気配認識」と言う…常に、この「基礎能力」を活かす事が必須となるのだよ…』
ラグス『勿論…磨けば…私みたいに鮮明に感じ取ることも出来る…』

ラグス『だが…暗い場所では、灯りを灯さないと当然…視認することが出来ない…』
ラグス『あくまで…戦闘に特化した「基礎能力」と言えるだろう…』

「何故…あの場所にいらっしゃったのですか?」

「極力…発言は慎め…」
「まだ子供とは言え…捕縛は免れん…」

魔導兵団の1人がこう呟くと…
ラグスさんは手を出し…制止した。

ラグス『我が国…リートグルムには、私が率いる「魔導兵団」があってね…』
ラグス『何者かから…ユクトピの森に魔獣が出没したと報告を受けて来た。』

ラグス『おや…』
ラグス『あれが…セルミナの町だ。』

林道の先には町が見えた。

セルミナの町に着くと…周りに人集りができて一瞬で囲まれる。

「碧の瞳(あおのめ)だ。」
「魔導兵団…碧の瞳が来てくれたぞ!」
「此処まで…ご足労を…」

ラグスさんが率いる魔導兵団…「碧の瞳」は人々から信頼を寄せられており…
私も同行しただけで…無償で宿屋に泊めて貰えることになった。

部屋のベッドで休んで居ると…
ある会話が聞こえてくる…

ラグス『報告どうり…魔獣が姿を現したが…この周辺も…人々が安住する環境でなくなっている…』
ラグス『何か他に…原因があるかもしれない…警戒を怠るな…』

「ハッ!」

その日の夜…お風呂上がりで、ポカポカしていると…
部屋にラグスさんが尋ねて来る…

コンッコンッ…

「君に少し話がある…」
「事情を話しておかないとね…」

パメラ『はい…どうぞ…』

「旅の者…お休みの所…すまない…」

ラグス『我が国の「魔導兵団」に近頃…不穏な気配を感じてね…』

「いつまでも…調査報告書を届けなかったり…重要な任務に1人居なかったりと…真面目な私の部下だ。」
「こんな事態は今まで無かった。」

「これは…ただの問題では無いと睨んでいる…君も…気を付けて我が国に立ち寄って欲しい…」

パメラ『はい…』

その旨を伝えると、ラグスさんは自室に戻って行った。
かなり疲れている様にも見えた。

翌朝…ラグスさんと共に…
王立国リートグルムに向かう…

王立国リートグルム…
王都エルシエラ…

豪華絢爛な建造物で溢れかえる…
人々の活気が伝わる…明るい都市だった。

ラグス『旅で逸れたのなら…此処に辿り着いて居ると思うが…』

「先ずは、近くのギルド養成所に向かうといい…あの場所は、町案内も行っているからね…」
「私の勘になるが…ギルド養成所に居ると思うよ…」

彼の言った通り…ギルド養成所に向かって早々…面倒事を起こしている…
レクサムと再会した。
私は、嬉しさのあまり…彼に抱きついていた。

レクサム『えっ!なに?パメラ…お前無事だったか…』

其処には、ニイさんとシェルピーの姿も見える…3人共無事だったのだ。

ニイ『パメラさんの気配が完全に消えてしまい…暫く森を彷徨って…魔導兵団にも依頼する所でした。』

シェルピー『良かった!本当に良かったよ!』

歳が近い…2人で再会を喜ぶ…
確か…号泣していた記憶がある…

レクサム『でも…お前…何故無事なんだ?』

「あれから…気配が消えたお前を探す為…王都まで来たのは正解だったが…』
「魔導兵団にことの顛末を伝えれば捜索の依頼は出来る…だが…お前を探すのは困難だ。」

レクサム『流石に俺でも…「魔力感知」が機能しない迷いの森で…視覚と聴覚だけで気配の消えたお前を探すのは不可能だ。』

ニイ『私達は…「迷い子の道標」で切り抜けられましたが…』

シェルピー『無防備なパメラさんがどんなに危険だったか…』

レクサム『確か…お前は、「魔力感知」も出来ない…「気配認識」も出来ない…』
レクサム『ましてや…剣もろくに振れない…魔法も使えないガキだけど…』

それは言い過ぎだ。

パメラ『私はラグスさんが率いる…魔導兵団に助けられました。』

レクサム『ラグス?ああ…「魔導将軍」か…それは相当手練れだろうな…』
レクサム『魔法を専門とし…王国直属と魔導協会が指揮する…「魔導兵団」のトップが「魔導将軍」だ。』

「魔導将軍は…軍事を有する国に属しており…それが…そのまま…国の強さに直結するんだとよ…」
「確か…こいつらギルドにも似た様な強さを持つ者達が居たよな…」

レクサム『こいつらの中にも…知っている奴が1人ぐらい居るだろ…「三ツ眼の蛇」という…パーティー名を…』
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