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第21話作戦
しおりを挟む豊影との戦の軍義を開くため皆広間に集まっている。
経丸が皆に向かって
「何か作戦がある方はいますか?」
凛は勢いよく手をあげて
「はい、私に策があります」
「じゃあ、凛ちゃんその策を教えて」
「わかりました。道具を使って説明します」
凛は座っている皆の前に凛はたらいに砂を入れたものとひょうたんと紙を持ってきた。
「このたらいの中の砂をひょうたんにどうやったらこぼさずに入れられるとおもいますか?」
「凛、ひょうたんと砂が戦に関係あるのか?」
「ないけど、今は私の質問に答えて」
皆が答えられないでいると片倉が
「私がやってみます」
そう言って片倉は紙を片方の口は大きくもう片方の口はひょうたんの口に入るくらいの大きさの筒を作りその筒を通してたらいの砂を
ひょうたんに入れた。
凛は笑顔で
「さすが片倉さん」
片倉は少し照れながら頭をかいた。
「じゃあ豊影との戦どう戦えば勝てると思いますか?」
片倉は自信無さそうに
「俺はこの戦はここで籠城をし最近支配した土地の兵を久留里城に集め頃合いを見て久留里城から突撃させ籠城している俺達と挟み撃ちにするのが良いかと思うけど」
「片倉さん、さすがです。ただ籠城は一切しない短期で決着をつけます」
「なぜ籠城しないのですか?」
「相手は百%私達が籠城をすると考えるじゃないですか」
「確かに、そう考えると思います。あっ!」
凛は
「相手の考えることをやっていては格上の相手には勝てないですよ」
落ち込む片倉に凛は
「しかし、久留里城に兵を集めるって案はよかったから参考にさせてもらいます」
そう言って片倉に笑顔で親指を立てた。
片倉も凛に笑顔で親指を立てた。
「まず、敵方の兵力の方が多い先ほど片倉さんにやってもらったのは何だかわかりますか?」
「砂を敵兵に見立てているってことですか?」
「そう、経丸さん正解です」
士郎はキョトンとした顔で
「えっ?どういうこと」
「兄貴、砂が敵兵だとしたら紙も使わないでひょうたんに入れようとしたらほとんど入らずこぼれるだろ」
「そりゃ、そうだ」
「これを敵兵に例えると広い場所で戦えば敵兵の数に対応できなくて飲み込まれてしまうでも狭い一か所の場所に集めれば一気に大勢が攻め込むことはできないじゃん」
「おーなるほど、それはわかった」
士郎が納得したのを確認して凛は
「横長の陣形で攻め込まれると数が多いから対応ができないだから敵の陣形を縦長にする必要があるそこでまずは城に敵をおびき寄せる。この城の入り口は狭いから自然と陣形が縦長になる、そしてギリギリまで城の本丸に引き付ける」
「そのおとり役それがしにやらせろ。凛」
「兄貴この役目大変危険なのわかってる?」
士郎は笑いながら
「危険ならなおさらそれがし以外に務まる奴はいないよ」
「敵をうまくおびき寄せるかが鍵となるんだよ」
「任せろ」
「そしてもう一つはさっき片倉さんが言っていた久留里城に兵を集めて頃合い見て豊影軍に襲い掛かる」
片倉は真剣な顔で
「その役目私にやらせてください」
「絶対、敵に気配を感じさせないでくださいよ」
「もちろん」
「経丸さんには本陣で待機していただきたい」
「わかりました」
「ひのちゃんは経丸さんの横にいてください」
「はい」
「稲荷はさんは情報伝達をお願いします」
「わかった」
「これにて作戦会議を終了させたいのですが経丸さん何かありますか?」
「特にないです」
作戦会議が終わり皆で戦の準備をした。
戦前日の夜
士郎は経丸の部屋に呼ばれていた。
士郎は経丸の部屋に入ってすぐ経丸を茶化すように
「何だよ経丸、また恐くなったのか?恐いのなら一緒に寝てやろうか?」
「ホント、士郎?」
経丸の言葉に士郎は顔を真っ赤にしながら
「えっ、えっ?」
経丸は笑いながら
「冗談に決まってるじゃん、何動揺してるのよ」
「クッソ生意気な経丸だぜ、で何の用だよ」
「何も用なんてないよ」
「用もないのに呼んだのか?」
怒り気味の士郎に経丸は悲しそうな顔で
「用がないと呼んじゃいけないの?」
士郎は経丸の顔を見て少し同様しながら
「いや、そんなことないけど」
「何か、士郎と二人でいると落ち着くんだよね」
「そうなのか」
「まぁ、ホントは私の弱音も聞いてくれると嬉しいんだけど」
「弱音くらい聞いてやるよ」
経丸が弱音を吐きはじめてしばらくすると
「おい、うじうじしすぎなんだよ」
「何よ弱音吐いてもいいって言ったの士郎でしょ」
「言ったけど経丸のはなげぇよ」
「士郎ってホント最低‼」
大事な戦前夜まで大ゲンカをする二人であった。
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