17 / 17
17
しおりを挟む
朝起きると、布団にいるのは竹野だけだった。キッチンのほうからかたかた音がするから、おそらく小槙はそこにいるのだろう。出汁のいいにおいもする。
身体は少しだるく、動かしにくい。だが肌はすっかりさらさらとしていた。小槙の部屋に置いていた、パジャマ代わりのジャージも着ている。あのまま自分は寝てしまった気がするから、小槙が身体を拭って着させてくれたのだろうか。あとでちゃんとお礼を言おう。そう思いつつ竹野はもそもそとタオルケットの中で身じろぐ。
それにしても、ちゃんと入るもんなんだなあ……。
竹野はしみじみと人体の不思議について考えた。どう考えても幅というか太さというか、許容値を超えているように見えたのに。もちろん、まったくなんともない、というわけではないのだろう。まだ何か挟まっているような感覚がある。
竹野は心配になり、なんとか身体を捻りジャージのズボンをずり下げる。おそるおそる尻を触ったが、問題なく閉じていた。ただ、少し腫れているだろうか。それはつまり、本当に、小槙が触れて入った、ということだ。
入るもんなんだなあ。竹野はやっぱりしみじみした。
「竹野?」
小槙の声に、竹野は慌ててタオルケットに潜った。自分の状態も状態で、まだ寝たふりをしていたい。小槙に声をかけられただけで昨日の自分の痴態やら耳元で囁かれたことを思い出して、顔が熱を持っている。いますぐ冷やすためにも頬を叩きたい。矛盾に気づかず竹野はシーツに逃げた。
「シーツもジャージもめくれてるよ」
顔が見えなくても、小槙が笑っているのが分かる。余計に顔が熱くなるのでやめてほしい。小槙は竹野の服を直し、タオルケットをかけ直した。さらに腰の辺りを擦られて、大丈夫か訊ねられる。竹野は首を縦にも横にも振りながら、もごもごと言葉にもならない返事をした。タオルケットを巻きつけるようにさらに籠もる。
「おはよう」
「……おはよう」
起きているのはすっかり知られている。竹野は観念して挨拶を返す。小槙は笑いながら、お腹すかない? とタオルケットの上から竹野を撫でる。
「朝ごはん準備できてるけど」
「食べたい……」
「うん。食べよう」
そう言われたら出てこざるを得ない。もそもそとタオルケットから顔を出すと、おはよう、とまた小槙がにっこりと挨拶をする。テーブルはすぐそこなのに、小槙は竹野の手を取って足腰を支えた。
「今日のゆでたまごは会心の出来」
小槙の言葉に、竹野は笑う。いつもおいしいよ。竹野の言葉に、小槙はだよな、とますます破顔した。朝だけではない眩しさだ。
腰やら脚やらの痛みが気にならないわけでもないが、それよりも空腹が勝る。竹野はごそごそとなんとか起きると、朝ごはんが支度されたテーブルに着いた。座布団が三枚くらい重ねられている気遣いがこそばゆい。
朝から肉が焼かれているのが小槙らしい。竹野はつい笑ってしまう。ゆでたまごもいつも通りテーブルの上にあった。
いただきます。パン、と手を叩くように合わせる小槙に、竹野も習う。箸を手に取りつつ、あじのりの袋を破いている小槙をこっそり眺めた。
あのとき、結局媚薬を口に含んだのは小槙だ。特に変わったところはないが、本当に大丈夫だったのだろうか。
「なに?」
のりをぱりぱりとごはんに巻きつけながら、小槙が目を瞬かせる。竹野はずいぶんじっと眺めていたから、さすがに気づかれてしまったようだった。
「あの、あの薬舐め……口に入れてたけど、身体とか、その」
「ああ! それか。なんともないよ」
小槙は答えながらどんどんごはんを口に入れていく。相変わらず食べっぷりがいい。会話をしているはずなのに、特に食べ汚いということもなく、いつのまにか茶碗が空になっている。竹野はいまだにどうしてこんなに小槙がすばやく食事ができるのか、ついつい観察してしまう。
竹野の視線には馴れているのだろう。小槙は気にせずに炊飯器から白飯をもりもりと注いでいる。
「あれ、ほんとに中身はビタミン剤だから。はちみつ? ローヤルゼリー? とかも入ってたか」
「ああ、はちみつの甘さもあったんだ」
「桃のにおいが強かったし、ちょっとだけだと思うけど」
竹野は頷く。確かに香りは甘さが濃く、もったりとしていた。結局竹野の口にはほぼ入らなかったので、液体があまいかどうかは分からない。
「昔は、はちみつとか甘いもの……バニラとかチョコレートとか? 栄養が高いものは媚薬として用いられてたみたいだし」
妙に詳しいと竹野がいぶかしげに見つめると、調べたと小槙はスマートフォンを片手で振って見せた。
「俺も中身が気になったし。前のときに問い合わせもしたから。本当に気にしなくって大丈夫」
「そ、そうなんだ……」
竹野は思わず、腹の底から息を吐いた。問い合わせまでしているのなら、本当に大丈夫なのだろう。うっかり流されてしまったけれど、小槙へのトラブルに繋がらなくてよかったとしみじみする。
次は零す前にしっかり飲もう。竹野は密かに決意する。
「あれって甘いから、なんていうか、そういう雰囲気になるのかと思った」
「そういう効果もあるかもしれないけど。栄養を付けて精も付けるみたいなもんかな」
「ああ。そういう……」
竹野は頷きながら、食事の席でなんの話をしているのかとそわそわし始めた。はちみつもチョコレートも滋養強壮と言えばわかりやすいが、媚薬とつなげられるとなんだか色々思い出されて気まずくて仕方がない。
小槙は竹野の落ち着きのなさに気づいているのか、にっ、と笑う。その表情の理由が分からず、竹野は首を傾げた。小槙は小さな椀の中に入れられているゆでたまごを手に取る。
「あとたまごもね」
「え?」
小槙から差し出されるたまごをなんの疑いもなく竹野は受け取り、傾げた首をさらに深める。じわじわと何を言われたのか、脳が理解し始めた。
「たまごもその栄養を付けるもののひとつ」
「……媚薬ってこと?」
「竹野、知ったら意識しそうだから」
まったくその通りだった。竹野はつるつるとしたたまごを持て余しながら、眉根を寄せ、くちを尖らせる。小槙を恨めしげに睨んだ。
小槙がますます楽しそうな顔になるのが腹立たしい。
「たまごが食べられなくなるじゃないか」
「食べたらいいよ。その媚薬の効果が出るのは、俺の前だけだと思うから」
自信満々にのたまう小槙がたいへん憎たらしい。憎たらしいのに、眩しいほどの魅力に溢れた笑顔に竹野は言葉も出せず、赤面した。
竹野にとって、小槙自身が媚薬みたいなものだ。竹野はもはや反論もできない。
つるりとその手からたまごが滑り落ち、皿に当たって殻にひびが入る。今日もきっと、小槙の作ったゆでたまごはおいしいのだろう。
それをどんな顔で食べたらいいのか。竹野はひびの入ったたまごを前に途方に暮れた。
身体は少しだるく、動かしにくい。だが肌はすっかりさらさらとしていた。小槙の部屋に置いていた、パジャマ代わりのジャージも着ている。あのまま自分は寝てしまった気がするから、小槙が身体を拭って着させてくれたのだろうか。あとでちゃんとお礼を言おう。そう思いつつ竹野はもそもそとタオルケットの中で身じろぐ。
それにしても、ちゃんと入るもんなんだなあ……。
竹野はしみじみと人体の不思議について考えた。どう考えても幅というか太さというか、許容値を超えているように見えたのに。もちろん、まったくなんともない、というわけではないのだろう。まだ何か挟まっているような感覚がある。
竹野は心配になり、なんとか身体を捻りジャージのズボンをずり下げる。おそるおそる尻を触ったが、問題なく閉じていた。ただ、少し腫れているだろうか。それはつまり、本当に、小槙が触れて入った、ということだ。
入るもんなんだなあ。竹野はやっぱりしみじみした。
「竹野?」
小槙の声に、竹野は慌ててタオルケットに潜った。自分の状態も状態で、まだ寝たふりをしていたい。小槙に声をかけられただけで昨日の自分の痴態やら耳元で囁かれたことを思い出して、顔が熱を持っている。いますぐ冷やすためにも頬を叩きたい。矛盾に気づかず竹野はシーツに逃げた。
「シーツもジャージもめくれてるよ」
顔が見えなくても、小槙が笑っているのが分かる。余計に顔が熱くなるのでやめてほしい。小槙は竹野の服を直し、タオルケットをかけ直した。さらに腰の辺りを擦られて、大丈夫か訊ねられる。竹野は首を縦にも横にも振りながら、もごもごと言葉にもならない返事をした。タオルケットを巻きつけるようにさらに籠もる。
「おはよう」
「……おはよう」
起きているのはすっかり知られている。竹野は観念して挨拶を返す。小槙は笑いながら、お腹すかない? とタオルケットの上から竹野を撫でる。
「朝ごはん準備できてるけど」
「食べたい……」
「うん。食べよう」
そう言われたら出てこざるを得ない。もそもそとタオルケットから顔を出すと、おはよう、とまた小槙がにっこりと挨拶をする。テーブルはすぐそこなのに、小槙は竹野の手を取って足腰を支えた。
「今日のゆでたまごは会心の出来」
小槙の言葉に、竹野は笑う。いつもおいしいよ。竹野の言葉に、小槙はだよな、とますます破顔した。朝だけではない眩しさだ。
腰やら脚やらの痛みが気にならないわけでもないが、それよりも空腹が勝る。竹野はごそごそとなんとか起きると、朝ごはんが支度されたテーブルに着いた。座布団が三枚くらい重ねられている気遣いがこそばゆい。
朝から肉が焼かれているのが小槙らしい。竹野はつい笑ってしまう。ゆでたまごもいつも通りテーブルの上にあった。
いただきます。パン、と手を叩くように合わせる小槙に、竹野も習う。箸を手に取りつつ、あじのりの袋を破いている小槙をこっそり眺めた。
あのとき、結局媚薬を口に含んだのは小槙だ。特に変わったところはないが、本当に大丈夫だったのだろうか。
「なに?」
のりをぱりぱりとごはんに巻きつけながら、小槙が目を瞬かせる。竹野はずいぶんじっと眺めていたから、さすがに気づかれてしまったようだった。
「あの、あの薬舐め……口に入れてたけど、身体とか、その」
「ああ! それか。なんともないよ」
小槙は答えながらどんどんごはんを口に入れていく。相変わらず食べっぷりがいい。会話をしているはずなのに、特に食べ汚いということもなく、いつのまにか茶碗が空になっている。竹野はいまだにどうしてこんなに小槙がすばやく食事ができるのか、ついつい観察してしまう。
竹野の視線には馴れているのだろう。小槙は気にせずに炊飯器から白飯をもりもりと注いでいる。
「あれ、ほんとに中身はビタミン剤だから。はちみつ? ローヤルゼリー? とかも入ってたか」
「ああ、はちみつの甘さもあったんだ」
「桃のにおいが強かったし、ちょっとだけだと思うけど」
竹野は頷く。確かに香りは甘さが濃く、もったりとしていた。結局竹野の口にはほぼ入らなかったので、液体があまいかどうかは分からない。
「昔は、はちみつとか甘いもの……バニラとかチョコレートとか? 栄養が高いものは媚薬として用いられてたみたいだし」
妙に詳しいと竹野がいぶかしげに見つめると、調べたと小槙はスマートフォンを片手で振って見せた。
「俺も中身が気になったし。前のときに問い合わせもしたから。本当に気にしなくって大丈夫」
「そ、そうなんだ……」
竹野は思わず、腹の底から息を吐いた。問い合わせまでしているのなら、本当に大丈夫なのだろう。うっかり流されてしまったけれど、小槙へのトラブルに繋がらなくてよかったとしみじみする。
次は零す前にしっかり飲もう。竹野は密かに決意する。
「あれって甘いから、なんていうか、そういう雰囲気になるのかと思った」
「そういう効果もあるかもしれないけど。栄養を付けて精も付けるみたいなもんかな」
「ああ。そういう……」
竹野は頷きながら、食事の席でなんの話をしているのかとそわそわし始めた。はちみつもチョコレートも滋養強壮と言えばわかりやすいが、媚薬とつなげられるとなんだか色々思い出されて気まずくて仕方がない。
小槙は竹野の落ち着きのなさに気づいているのか、にっ、と笑う。その表情の理由が分からず、竹野は首を傾げた。小槙は小さな椀の中に入れられているゆでたまごを手に取る。
「あとたまごもね」
「え?」
小槙から差し出されるたまごをなんの疑いもなく竹野は受け取り、傾げた首をさらに深める。じわじわと何を言われたのか、脳が理解し始めた。
「たまごもその栄養を付けるもののひとつ」
「……媚薬ってこと?」
「竹野、知ったら意識しそうだから」
まったくその通りだった。竹野はつるつるとしたたまごを持て余しながら、眉根を寄せ、くちを尖らせる。小槙を恨めしげに睨んだ。
小槙がますます楽しそうな顔になるのが腹立たしい。
「たまごが食べられなくなるじゃないか」
「食べたらいいよ。その媚薬の効果が出るのは、俺の前だけだと思うから」
自信満々にのたまう小槙がたいへん憎たらしい。憎たらしいのに、眩しいほどの魅力に溢れた笑顔に竹野は言葉も出せず、赤面した。
竹野にとって、小槙自身が媚薬みたいなものだ。竹野はもはや反論もできない。
つるりとその手からたまごが滑り落ち、皿に当たって殻にひびが入る。今日もきっと、小槙の作ったゆでたまごはおいしいのだろう。
それをどんな顔で食べたらいいのか。竹野はひびの入ったたまごを前に途方に暮れた。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました
あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」
穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン
攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?
攻め:深海霧矢
受け:清水奏
前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。
ハピエンです。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
自己判断で消しますので、悪しからず。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード
中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。
目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。
しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。
転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。
だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。
そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。
弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。
そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。
颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。
「お前といると、楽だ」
次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。
「お前、俺から逃げるな」
颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。
転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。
これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。
続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』
かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、
転生した高校時代を経て、無事に大学生になった――
恋人である藤崎颯斗と共に。
だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。
「付き合ってるけど、誰にも言っていない」
その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。
モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、
そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。
甘えたくても甘えられない――
そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。
過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの
じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。
今度こそ、言葉にする。
「好きだよ」って、ちゃんと。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる