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2章
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しおりを挟む「本当にあの皇子は何を考えているんでしょうか!!いくらカリナ様との仲が良くないとはいえ、あんなとこをするなんて!
ましてや噂になっている幼なじみをエスコートして!」
プリプリと音が出てそうな可愛い怒り方をしているアイリ。
開会式が終わり、宿泊する部屋に移動してきた私たちは荷物の整理をしてからお茶をしていた。
『アイリさんが私の分まで怒ってくれているので、もうなんだかスッキリしましたわ。』
笑いながらカップに口をつけると
「笑い事じゃありません!最近のカリナ様を見ていたら、以前のカリナ様とは違うことが分かります!もっと会話をしてお互いを知ることが必要なんです!
そうしたらきっとあんな失礼なこと出来なかったはずなのに!」
アイリが言ってることが正論だ。
私たちには会話が足りなすぎる。
カリナはわがまま放題で、皇子は外見だけ。本当の意思疎通がはかれる訳がなかった。
「でも以前のカリナ様なら、騒ぎ立てていた場面でも笑って見過ごしたことで、周りもきっと変わったカリナ様に気づいたはずです。」
開会式の時にはアイリと一緒に怒っていたレイカが冷静に言った。
『そうね、そうだといいわ。
こんな事で癇癪を起こす子どもではなくなったことが伝わっていれば。』
「もう..変にポジティブなんですから。
カリナ様がいいならいいんですけど。
それにカリナ様の良さは私たちだけが知ってればいいとも思いますしね!」
「こら!アイリ!それだったら全然意味無いでしょ。」
そうああだこうだ言っているこの時間が、少し沈んでいた気持ちを明るくしてくれる。
「あ、そうだ!最終日のパーティのドレスは皇子は送ってくれているんですか?!」
アイリが思い出したかのように大きな声で言った。
『ええ、一応届いていました。でも真っ赤なドレスで似合うかは分からないわ』
「こういう時は自分と同じ目の色のドレスを送ったりするんですよね。皇子は目が青色なのに。」
きっと自分では選ばなかったのだろう。
店頭に飾ってある1番高いものでも送っておけと言ったのかな、と思えるようなドレスだった。
あれを着たら本当に悪役感満載で好印象を受けることは無理だろうな。
少し困った顔をしてたことに気づいたのか
「カリナ様は目が赤色ですしきっと似合いますよ。というか、何着てもきっと似合ってしまうお顔立ちなので大丈夫です。」
とレイカが励ましてくれた。
『そんなことより明日のお出かけの方が楽しみですわ。』
「そうですね!美味しいもの食べて、可愛いものを見に行きましょうね!」
そうこうしていると夜のパーティの時間になった。
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