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秋葉夕雲

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第二章

122 善意で満ちている

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 テゴ村では決戦を前に宴が始まっていた。宴といっても飲めや歌えという宴会じゃない。祈りを捧げたり、いかに聖人が素晴らしいかを語ったりと文学的だ。
 ただし、食べ物は少ない。それがこの村の現状をよく物語っている。しかしティマチは常に話題の中心にいて、わずかとはいえ他の村人からいくばくかの食べ物を受け取っていた。
 そこに一人の少年が、たまたまティマチの傍を通りかかり、くうとお腹を鳴らせた。
「少年、空腹ですか?」
「いえ、そんなことは……」
 少年は顔を赤くさせながらも謹厳なセイノス教徒らしく振舞おうとするが、腹の虫とは我慢すればするほど収まりがつかぬものだ。
 先ほどよりも大きな音がなってしまい、顔はますます赤くなった。
「遠慮せずとも構いません。さあどうぞ」
 ティマチは煎餅のような食べ物を差し出し、少年はおずおずとそれを受け取り、礼を述べた。
 ティマチが他の村人と話し出すと、なぜか少年は数人の大人たちに連れられ、村の外れに連れられた。

「…………」
「紫水? もしかして怒ってる?」
「ん……まあそうかもな。この先の展開がちょっとだけ予想できるからな」
 少しばかり、嫌な記憶を思い出してしまう。あの大人がやろうとしていることは多分あまり気持ちのいいことじゃない。
 幸運にも少年が連れられた場所は村を見張っている蟻が十分視認できる範囲だった。
 少年は不安そうに一言もしゃべらない、大人たちを見渡している。
 そして少年の体は地面に横倒しになった。
 大人たちの一人が、少年の顔を思う存分ぶん殴ったからだ。
 加減は見られない。もしかしたら死んでしまうかもしれない。そうでなくとも癒えない傷をつけてもいい、そう思える殴り方だった。オレも同じような経験があるから見たらわかる。
 少年は訳も分からず、不安から恐怖に変わった瞳を周りに向ける。
「お前が何故殴られたかわかるか?」
 わかるよ。わかりたくないけど。昔そういう目をした奴らを見たことがある。
「わ、わかりません」
「ならば教えよう。貴様があろうことかティマチ様から食料を頂いたからだ」
「で、ですがアレはティマチ様自らが僕に……」
「あなたは今の状況がわかっているのかしら!? 皆が必死で節制しているのに自分だけがいいものを食べようというの!? なんて図々しい! 断りなさいよ!」
「な、なら、先に教えてくれても……」
「何を言っているのかしら!? そんなことをすればティマチ様のご気分を害するでしょう!? あのお方が我らなどとは比べ物にならない崇高な愛を有しているのだから!」
「そうだ! ルファイ家の御息女の御加減を害してはならん! お前は何が何でも受け取ってはならなかったのだ!」
 めちゃくちゃだなおい。理屈として成り立ってねえぞ。これだから同調圧力って嫌なんだ。
「申し、訳ありません、でした」
 その言葉を聞くと急に優しい声をかけ始めた。
「わかればいい。これも全てお前のためを思ってのことだ。我々は皆で救われ、楽園に旅立たなければならないのだ」

 出たよ。あなたのためを思って。他人を操るのにとても便利な言葉だ。周りの同意もあればその効果は倍増する。
 いかにも思いやりのある言葉に見せかけ、相手を支配しつつ、責任を転嫁する。実にカルトらしいな。これも洗脳教育の賜物だな。
 徹底的に目上の者を不快にさせないように教育する。
 忖度なんて生温い。奴隷根性とでも言うべきかな。……カルトがよくやるやり方だ。このシステムの優れた所は、あえて優れたと形容するけど、被害者と加害者が連鎖していくことだ。
 あの少年が大きくなればきっと今の大人たちと同じことをする。自分がやられたことを他人にしてはいけないとは考えない。自分も同じことをされたのだからこうするべきだと思ってしまう。被害者だった子供はいつか加害者になる。パワハラを受けた部下が、先輩からしごかれた後輩が……同じような事例は山ほどある。
 不愉快な、実に不愉快なデータだけど……虐待を受けた子供は自分の子供を虐待してしまう可能性が高いらしい。
 もちろんそうじゃない人もいる。虐待を受けたからこそ他人に優しくできる人もいるはずだし、そもそも最大で30%だかその程度だったはずだ。連鎖しない人の方がはるかに多い。
 ただ、この光景を見ると、どうにも殴る蹴るが教育の一環としてシステムに組み込まれている気がするんだよね。たかだか一つの村の数人を見ただけだで何言い出すんだとも思うけど。
 聖職者様を敬い続けるヒトモドキを生産し続けるシステム。それを十二分に活かして大量生産された
 こいつらのおかげで高貴な方々は下々に施しをして、私ったらなんて優しいんでしょう! なんて悦に入るわけか。実際には何ひとつとして問題は解決していないのに。
 愛だの正義だの舌触りのいい言葉をしゃべるためにはそこらに転がっている不幸を見ない、ある意味ないふりをすることが肝要なのかね。
 何という欺瞞。何という偽善。しかし……。

「紫水? 偽善って何?」
「お前らには難しいと思うぞ?」
「それでも知りたい」
 小春も最近はちょっと知りたがりが激しくなってるな。それでいいけどな。
「偽善ってのは二種類あると思う。一つは自覚して行う偽善。もう一つは自覚せずに行う偽善。こいつらの場合は後者だな。まあどれが善でどれが偽善なんて簡単に決められるものでもないけどな」
 例えば災害が起こったとき寄付をしたとしよう。それは一般において善だ。しかし売名行為として寄付を行えば紛れもなく偽善だ。では罪悪感に後押しされた場合は? それは判断が難しい。
 何にせよこれらは自覚のある行為だ。これなら文句はない。自覚があるなら改善される可能性もあるかもしれない。それは自分で責任をとれる奴のやることだ。
「オレが気に入らないのは本気でこれが他人の為になると思って他人に迷惑をかける連中だ。無知、非効率、不愉快、三拍子そろった頭をたたき割りたくなるようなアホども。それこそが正真正銘の偽善者だ」
 質の悪いことに、セイノス教はそれを大量生産する宗教。はあ、何だってこんなもんがある世界に転生したかなあ。
「じゃあ、この村人やセイノス教は悪いの?」
 ある意味根源的な質問だ。セイノス教は是か、非か。答えは――――

「いや、セイノス教もあいつらも間違っちゃいない」

 そう。きっと正しいのだろう。
 例えば徹底的に聖職者を慕うことも、冷酷に間引くことも、魔物を救うなんて馬鹿なことを言い出すことも、武器を禁止することもきっとこの国を維持するのに必要なんだろう。
 必要、必要なはずだ。
 ヒトモドキは蟻よりも我が強い。少なくともアグル辺りはそうだ。ちょっとしたことで道を踏み外す。それだけはきっと人間と変わらない。
 だから人間性を剝奪し、社会の駒にしなければこの厳しい世界では生き延びられなかったのかもしれない。無能な怠け者だったか。そういう手駒にするにはちょうどいい性能の生き物を作り続けてきた。
 恐ろしいことにそんな奴らでも自分自身を不幸だとは思っていない。というか思っていたらきっと従わない。盲目的に正しいと信じているからこそ馬鹿馬鹿しい救いとやらを待つことができる。オレには理解できないけど救いとやらは死への恐怖を取り除く舞台装置として機能しているんだろう。多分、間引かれようが使い捨てにされようが、幸せなんだろう。海老も、デバネズミも、ヒトモドキも。
 不幸な奴を救うことはできても幸福な奴を救うことはできない。なるほど、自国民を裏切らせないには自身が幸福だと勘違いさせることが一番なのか。実際にオレもあいつらを自陣に引き入れることに成功しているのは海老と、海老についてきたカミキリスだけだ。厄介なことだ。

 人を救うという行為は誰かが不幸であることを前提として成り立っている。
 例えば重税や悪法に苦しめられる人々がいるとしよう。それならオレが付け入るスキが必ずある。自分が不幸だと思っている奴ほど救われたがっている人間もいないからな。マッチポンプはある意味それを意識的に作り出す作戦だ。
 が、このクワイでは誰も彼もが幸せだ。少なくともいずれ必ず救われると信じている。だから手を差し伸べられてもその手を取る理由がない。
 アプローチの一つとしてそういう手段をこっそり考えていたけどこの様子じゃ無理だな。
 強制労働ではなく善意によるボランティアで戦争ができそうだ。恐るべきローコストで社会を維持している。無茶苦茶に見えるけど、それで上手くいっている。結果的に千年栄えている。
 どれだけ歪んでいようが自身全体を生かす方向に進む社会が悪いはずはない。この仕組みを作った奴は間違いなく天才だ。イかれているかもしれないけどな。
 そしてそれを維持するために比喩なしで誰もが我が身を犠牲にしている。その努力は褒め称えられるべきだろう。努力そのものは。

「紫水はヒトモドキのこと嫌いだと思ってた」
「嫌いだよ。宗教は特にね。でも間違ってないからな。客観的な結論と個人的な感情は全くの別物だ。それに今は間違っていないだけでそのうち間違うかもしれない」
 この国は一種の鎖国状態に近い。武器を禁止したり、上に徹底的に逆らわないようにしたり、他国、正確には他の魔物と全く交流を持たないので文明が大きく発達しない。
 そういう国がどうなったかオレたちは知っている。もしもこの世界のどこかに文明をはるかに発達した国があればどうなるか。多分あの国のようにうまく立ち回って技術を取り入れるなんて無理だろう。だからオレの知識をこの国で役立たせるのは無理だ。
 はっきり言ってこの国はもうダメだ。交渉の余地がないどころかまともに会話すらできない。きっとオレがヒトモドキに転生したとしても無理だっただろう。もうオレの中でクワイと共存、あるいは交易するという考えは皆無だ。
 だってこの国は始めから魔物を排斥し、使役し、文明の発達を拒み、偽善者どもをまき散らす。千年それを続けてきた。いまさらどうしようもない。どうしようもないほど屍の上に平和と安定が据え付けられることに慣れ切ってしまった。悪いわけじゃない。
 自分でもこの世界に来てから変わったと思ってるけど、いや気付いただけか? どっちかはわからないけど宗教そのものに対して嫌悪感はない。宗教は効率よく人を管理する道具、あるいはシステムとして非常に優秀であることがよくわかったからだろう。
 もしかしたらオレも真似をした方がいいと思っているほどに。

「そういうわけだからな。オレがヒトモドキを殺すのは憎いわけでも、可哀そうだからとか、ましてや救うためでもない。ただ邪魔だから殺す。オレにとって不利益だから排除する。オレが生き残るために殺す。何か間違ってると思うか?」
「ううん。私たちにとって紫水が生きることが一番大事だから。紫水の邪魔をする奴は私も殺す」
「うむ。よろしい」
 いやいや全く。小春が親孝行な娘でよかったよ。こいつと殺し合うことになってたらと思うとぞっとする。
 さて明日は長くなりそうだ。今のうちに準備を済ませておくとしよう。もっともその準備も普段やっていることの延長なら細かく指示を出す必要はない。
 幹部級の部下はそこそこ有能。士気は十分。武器兵糧に滞りなし。敵は数こそ多いものの衰弱しており、よくわからない内ゲバらしきものがあるみたいだ。
 これで負けたらオレは相当な無能者だ。怖いのは前みたいにとんでもなく強い魔物とかが乱入してくることかな。その時は腹を括って逃げさせるとしよう。向こうは何が何でも勝たなきゃいけないかもしれないけどこっちは生き延びればいいだけだ。
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