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第1話 ダンジョンを作ってみた
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ダリア王国の王都の近くに存在する『緑碧の森』
ダリア王国とは中央大陸は西方に位置する魔道国家である。
残虐な魔王が大地を蹂躙し、空までも支配していた時代、三千年ほど前の暗黒時代において勇者の従士団の一員として様々な雑用をしていたのが初代国王のダリア一世である。
ダリア一世はダリア王国の建国者として伝説になっている。
その生涯は書記官、クミによってダルムリア記として千二十巻にもわたって記述されており、その原著は王都図書館の地下にある王室書庫にて厳重に保管されている。
民衆向けに簡易に書かれたダルムリア記の内容をお伝えしよう。
『偉大な王は辺境の地にいながら勇者の召喚を予期していた伝説の神官、ヘリオネスの息子として生まれた。生まれたときに勇者の従者としての自らの未来を予言し、瞳から炎を吹き出した。その炎は天まで届くほどだった。
齢十二の時にはサカッ山に巣くう鬼獣、グラムデラスを破り、その三年後にはタラムスの僧から伝説の豪傑、イタムキラの生まれ変わりとして魔剣ミルスを授けられた。
勇者は王を自らの主として従おうとしたが、王は勇者としての責務を説き、臣従の誓いを立てた。勇者はそれに感激し、三日三晩天に向かって感謝したという。
王は勇者を支え、勇者はそれに答えた。魔王を破るための戦いは熾烈を極めた。王が槍を投げると、魔王はそれに恐れおののいた。そして、勇者は魔王に剣を立てた。悪が滅び世界に光が満ち溢れた。
勇者は死を悟ると、王を呼び、自らの跡を継ぐようにいった。王は大地を征服し、地に平和ももたらした。』
もちろんこれは後世の歴史家が王家の正当性を主張するために作った後付けの物語である。
真実はもはやわからない。当時の史書はすべてが失われた。だが、私は真実を伝えよう。もちろん、私から見た『真実』をだが。
『後世においてダリア一世を名乗り、自らを英雄と呼んだ山賊ダリアが現れたのは勇者の誕生から十年ほど前のことだ。詳しい生まれはわからないが、おそらく戦争難民の子どもとして生まれたのだろう。貧困と憎悪に満ちた少年時代を送り、十歳のころには窃盗団の一員となっている。
野心に満ち溢れており、所属していた窃盗団で団長の寝首を欠いて団全体の乗っ取りを図るが人心掌握に失敗。齢十二にしてグラムデラスという奴隷商人に売られた。
タラムスにおいて二束三文で僧に売られたあと、三年ほど奴隷として酷使されるが剣を奪って逃亡、サカッ山で山賊になる。
当時、タラムスは大陸北部の様々な産物が南部へと送られる際に必ず通ることになる重要な交易拠点で、そこへ向かう際にはサカッ山通る必要があった。
解放した奴隷を配下にすることで勢力を増し、数年後にはサカッ山全域を勢力下に置くことに成功する。この際配下にした人材は王国建国以後も付き従い、貴族としてその名を現在まで残すものもいる。
タラムスの民衆はサカッ山の山賊を恐れ、討伐隊を数度送るがすべて返り討ちにされた。最後の討伐隊が返ってこなかったとき、タラムスの人々は勇者を呼び寄せた。
勇者はわざと捕まり、山賊団の本拠地で牙をむいた。素手で戦う勇者に恐れおののいたは山賊ダリアは頭を地面にこすりつけ、許しを乞うた。
勇者はダリアを配下とし、山賊団を自らの手駒として扱った。勇者存命中は常におびえていたという。
そして勇者がその短い天寿を全うすると、勇者配下時代に培った人脈を用いて一気に中央大陸西部を席捲、ダリア王国を打ち立てた。』
さて、こんな話はもういいだろう。
「この辺でいいかな。」
「よいしょ、オッケー。」
「じゃあ召喚、始めちゃおー。」
地面が揺れる。森がさざめく。球形の物体が光り輝きながら浮かび上がると、静かに、ゆっくりと降りていく。
「おっそいなー。そうだ、早めちゃえ。」
突然、木の枝が伸ばされたかと思うと、球形の物体が地面に叩きつけられた。
「これでよし。さっさと終われ~。」
「それにしても、どんな方が私のマスターになるのかな?」
丸い物体は地面に吸い込まれていく、そして、軽い地響きがして、あたりが白い煙に包まれた。
「けほっ、けほっ、何にも見えない。」
煙が見えなくなると、そこには
「お~。」
地下へと続く階段があった。
「よいしょ、よいしょ、暗くて何にも見えないな。」
階段を降りると、まっすぐと突き抜ける長い地下通路があった。
「よーし、走ってあっちまで行こう。」
タッタッタッ
段々と奥が見えてきた。何やら扉が存在する。
「あそこを開けば、マスターに会える!」
タッタッタッ
「あっ。」
ドシーンッ
「ひぃっ。」
「痛た…あれ、さっき声が聞こえた様な?」
ガヂャリ
扉が開かれる。運命的な出会いだ。ここから、一つのダンジョンが始まるのだ。
「だっ、だれだ!」
「あれぇ?」
ダリア王国とは中央大陸は西方に位置する魔道国家である。
残虐な魔王が大地を蹂躙し、空までも支配していた時代、三千年ほど前の暗黒時代において勇者の従士団の一員として様々な雑用をしていたのが初代国王のダリア一世である。
ダリア一世はダリア王国の建国者として伝説になっている。
その生涯は書記官、クミによってダルムリア記として千二十巻にもわたって記述されており、その原著は王都図書館の地下にある王室書庫にて厳重に保管されている。
民衆向けに簡易に書かれたダルムリア記の内容をお伝えしよう。
『偉大な王は辺境の地にいながら勇者の召喚を予期していた伝説の神官、ヘリオネスの息子として生まれた。生まれたときに勇者の従者としての自らの未来を予言し、瞳から炎を吹き出した。その炎は天まで届くほどだった。
齢十二の時にはサカッ山に巣くう鬼獣、グラムデラスを破り、その三年後にはタラムスの僧から伝説の豪傑、イタムキラの生まれ変わりとして魔剣ミルスを授けられた。
勇者は王を自らの主として従おうとしたが、王は勇者としての責務を説き、臣従の誓いを立てた。勇者はそれに感激し、三日三晩天に向かって感謝したという。
王は勇者を支え、勇者はそれに答えた。魔王を破るための戦いは熾烈を極めた。王が槍を投げると、魔王はそれに恐れおののいた。そして、勇者は魔王に剣を立てた。悪が滅び世界に光が満ち溢れた。
勇者は死を悟ると、王を呼び、自らの跡を継ぐようにいった。王は大地を征服し、地に平和ももたらした。』
もちろんこれは後世の歴史家が王家の正当性を主張するために作った後付けの物語である。
真実はもはやわからない。当時の史書はすべてが失われた。だが、私は真実を伝えよう。もちろん、私から見た『真実』をだが。
『後世においてダリア一世を名乗り、自らを英雄と呼んだ山賊ダリアが現れたのは勇者の誕生から十年ほど前のことだ。詳しい生まれはわからないが、おそらく戦争難民の子どもとして生まれたのだろう。貧困と憎悪に満ちた少年時代を送り、十歳のころには窃盗団の一員となっている。
野心に満ち溢れており、所属していた窃盗団で団長の寝首を欠いて団全体の乗っ取りを図るが人心掌握に失敗。齢十二にしてグラムデラスという奴隷商人に売られた。
タラムスにおいて二束三文で僧に売られたあと、三年ほど奴隷として酷使されるが剣を奪って逃亡、サカッ山で山賊になる。
当時、タラムスは大陸北部の様々な産物が南部へと送られる際に必ず通ることになる重要な交易拠点で、そこへ向かう際にはサカッ山通る必要があった。
解放した奴隷を配下にすることで勢力を増し、数年後にはサカッ山全域を勢力下に置くことに成功する。この際配下にした人材は王国建国以後も付き従い、貴族としてその名を現在まで残すものもいる。
タラムスの民衆はサカッ山の山賊を恐れ、討伐隊を数度送るがすべて返り討ちにされた。最後の討伐隊が返ってこなかったとき、タラムスの人々は勇者を呼び寄せた。
勇者はわざと捕まり、山賊団の本拠地で牙をむいた。素手で戦う勇者に恐れおののいたは山賊ダリアは頭を地面にこすりつけ、許しを乞うた。
勇者はダリアを配下とし、山賊団を自らの手駒として扱った。勇者存命中は常におびえていたという。
そして勇者がその短い天寿を全うすると、勇者配下時代に培った人脈を用いて一気に中央大陸西部を席捲、ダリア王国を打ち立てた。』
さて、こんな話はもういいだろう。
「この辺でいいかな。」
「よいしょ、オッケー。」
「じゃあ召喚、始めちゃおー。」
地面が揺れる。森がさざめく。球形の物体が光り輝きながら浮かび上がると、静かに、ゆっくりと降りていく。
「おっそいなー。そうだ、早めちゃえ。」
突然、木の枝が伸ばされたかと思うと、球形の物体が地面に叩きつけられた。
「これでよし。さっさと終われ~。」
「それにしても、どんな方が私のマスターになるのかな?」
丸い物体は地面に吸い込まれていく、そして、軽い地響きがして、あたりが白い煙に包まれた。
「けほっ、けほっ、何にも見えない。」
煙が見えなくなると、そこには
「お~。」
地下へと続く階段があった。
「よいしょ、よいしょ、暗くて何にも見えないな。」
階段を降りると、まっすぐと突き抜ける長い地下通路があった。
「よーし、走ってあっちまで行こう。」
タッタッタッ
段々と奥が見えてきた。何やら扉が存在する。
「あそこを開けば、マスターに会える!」
タッタッタッ
「あっ。」
ドシーンッ
「ひぃっ。」
「痛た…あれ、さっき声が聞こえた様な?」
ガヂャリ
扉が開かれる。運命的な出会いだ。ここから、一つのダンジョンが始まるのだ。
「だっ、だれだ!」
「あれぇ?」
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