ストーカー婚約者でしたが、転生者だったので経歴を身綺麗にしておく

犬野きらり

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15 羨ましくないわ、侯爵令嬢だもん

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サマーパーティー

それは、パーティーと名のつくだけあって社交場。
カラフルな薄く軽い布を纏い、髪の毛を巻いたりアレンジしたり、リボンをつけたり、宝石を嵌めた飾りなんかもつけたり、

開催日が近づけば、そのような話題ばかり。どこのドレスだ、どんな髪型にするとか…

「わぁ~素敵ね、クロエ」

「キャロラインだって、あの店でオーダーメイドて頼むなんて、気合い入ってるじゃない?」

「あら、マリーダなんて昨日二人で、街に出て買い物に行ったんだって。で、髪に結ぶリボンと彼のハンカチーフをお揃いにしたんだって。もうそれって独占欲というか、友達じゃないわよね?」

「違うわよ。たまたま良さげなものというか気に入った物が、一緒だっただけなんだから~。変な勘繰りはよしてよ~」

小声で話しながらもキャッキャッとはしゃぐ友達


それを、見ている私。

はい、この会話に入れないボッチ令嬢こと、リディアです。もちろん私もいるよ、この場にね。天井から見ているわけではないです。
もうほとんど魂出かかっていますけど、かろうじて生きてます。

「あ、ごめんリディ」

と気にしたクロエに、手を振り、

「大丈夫よ。みんなパートナーに夢中じゃない。いつか私に夢中になれて羨ましいとか言っていたけど、やっぱり擬似的な関係でも婚約者みたいな感じになっているじゃない。三人とも良かったわ」

と言えば、キャロラインが申し訳なさそうに、

「先に裏切ってごめんね」

と言ってきた。まず、その顔はやめて!何かイラッとする。
クロエのパートナーが決まってから、私達はパートナーに申し込みをされたとしても、すぐには返事を返さず、じっくり吟味しようと話しあった。
理由は、クロエのパートナー、カルロスとその友達セルジオの軽い会話や失礼な態度を、私が報告したからだ。

バチが当たったのか、報告後の放課後キャロラインの隣の席の男子生徒、あんなに話せない話題がない、興味がないと言っていたのに、パートナーに誘われたのだ。まさかのグループで。慌ててマリーダにキャロラインは縋った。
まぁ、そこまではいい。
グループだよ、何故私を誘わない?

「ごめん、違うクラスだから~」

何その真正面から斬る言葉。
4対4のグループですって。その中でマリーダは抜け駆けをしたって話を今されている最中。
微妙なラインの普通の人達のグループでしょう?全然羨ましくないし!
擬似だし、婚約者じゃない…
大丈夫、まだ大丈夫、これは、擬似、偽物よ、全部偽物の関係


正直辛い。
こんなパーティー企画した奴、無神経すぎるだろう。

今の救い、それは…

「ええ~ごめんなさい、ルーナみんなと一緒にサマーパーティーに参加したいなぁ~って思ってしまうの。パートナーとか選ぶとせっかく誘ってくれたみんなに申し訳なくって。だって、ルーナのこと待っててくれたんでしょう?えへ、すごい嬉しい~な、ルーナが命令されたりしたら庇ってくれる?注意してくれる?本当にー、凄い男らしくて素敵ー」

相変わらず、声が大きい。
男子生徒側の声、一切聞こえないよ。

「またやっているわね」
「何なのあの子、もう停学じゃなくて退学でいいでしょう」
「男子生徒に囲まれてハーレム気分なわけ、いかがわしいわー」

おおー、流石ヒロインポジション。
女子生徒に嫌われているね。頑張ってルーナさん。

「そう言えば、久しぶりにアンネリーネ様と取り巻き様に、あの男爵令嬢が絡まれて、嫌味言われてたわ。怖かったー。トリスタン王子に、わざわざ復学の挨拶しに教室に入って行ったらしいよ」

とキャロライン。

「巻き込まれたの?」

と聞くと

「ちょうど廊下で争っていたから、隠れて耳をすました」

心の中で万歳をした。彼女のおかげで私は、もう主要人物とは関わってませんから。物語上のストーリーからまた飛び出した状態と言うべきか、こういうポジションなんて言うんだっけ?

「ルーナさん、大変ね」

「何故リディが嬉しそうなの?うわぁ、リディ、もしかしてウィルソン様の事を根に持って、仕返しとばかりにザマァミロとか思ってないわよね?あの徳だの善行の話は、どうなったのよ!」

とクロエに指摘された。
顔がニヤけたらしい。
徳、違うところで積むから、大丈夫よ。それに今、あなた達より、徳ゼロ地点にいる私に、少しばかり幸せ(他人の不運)があったっていいじゃない。
私なんて、サマーパーティーの日、体調不良を起こす予定なんだから!
頭が痛くなって、お腹も痛いんだから。
いくつか案は考えているわ。

「食べ終わったから、ここにいるよりキャロライン達はクラスに戻って、隣の席の彼と色々話したらどうなの?仲良くなるチャンスでしょう?二人になる場面もあるかもしれないわよ。いくつか話題は、みつけておけばいいじゃないの、もう五日後よ」

と言えば、彼女達は先に教室に戻った。クロエが心配そうに、

「リディ、あなた本当に大丈夫なの?一人で行動するの?私からカルロスさんに聞いてみようか、友達でまだパートナー決まってない人がいるかどうか…」

「クロエありがとう。だけど何回も言うけど、私、セルジオさんと話して、とても楽しいと思えないの。ごめんなさい、ついね本心が出ちゃうわ。クロエが悪いわけじゃないのだけど、苦手な話し方というか苦手な人だから。あのジッと見る気配も嫌なの、そういうお友達はちょっと無理だから。私なら一人で平気よ。クロエこそ、話せるようになったの?朝とか放課後、待ち合わせしているじゃない?楽しい?」

と聞けば、クロエも困った顔をして、

「私も確かにあのよくわからない語尾を伸ばしたり、突然何がおかしいのか笑い出されたり、いきなりハイタッチを求められたり、お友達の勢いにはついていけないけど、兄弟に聞いたら、男子生徒はそういうノリの人が多いから、慣れるのも大切だって言われたわ」

あれに慣れるなんて、クロエも可哀想ー

「凄く正論ね。パーティーは新しい出会い、交流、社交の場ってポスターに書いてあったわ、クロエなら出来るわ、頑張ってね」

私には無理ーーー
あの連中のノリ?何それ?

私、侯爵令嬢ですから!

私に合わせなさいよ!

ドヤッと言わなかった私を誰か褒めて?
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