今日も楽しくいきまshow!?

犬野きらり

文字の大きさ
5 / 120

5 怒られました

しおりを挟む
穏やかな一週間。
イズリー伯爵、お義父様が迎えに来てくれ、めでたく退院。

「ミランダ嬢、もう余計なことに首を突っ込んではいけないよ~。しかし治りが早かったね。もう痣のみだね」

と医師。

「ありがとうございます、先生のおかげです。良いお薬をベタベタと大量に貼り付けてグルングルンに包帯を巻きつけてくれたおかげでほぼ一週間動けず、破廉恥な姿を見せて、なんとも羞恥に晒された一週間でしたわ」

「おい、おい、
感謝の言葉ではなく、文句?苦言?を言われているのかい。そもそもここは、騎士団病院だよ。若いご令嬢なんて対応しないのに…
何故かこちらに運ばれて、私もてんやわんやだったんだよ」

「いえ、いえ、先生、苦情なんて申し上げておりません。先生が優秀なおかげで立てます、歩けます、感謝です、感謝。一生分の羞恥心を使いましたので、今後は楽しみしかないはずです。私の結婚式には先生を名医として、ご招待致しますので、そのぐらい感謝しております」

「ハハハ、相変わらず、変わったご令嬢だよ、ミランダ嬢は。まぁ、楽しみに待っているよ」



「ミランダ困りますよ、怪我なんてされたら」

「ええ、お義父様。申し訳ございません。ご心配をおかけして。しかし本当におかしな体験ができました。まぁ、物凄く痛かったですけど。目から火花が出るなんて体験初めてでしたし、真っ暗な牢屋は、臭いし、身体中がガタガタ震えて…
本能なんでしょうか、死にたくないって思うものですね。
本当にイズリー家には感謝をしております。改めて、私が出来ることなら何でもしたいのですが、またしても迷惑ばかりかけてしまって申し訳ないですわ」

「そうですね、ミランダ、あなたはもう少し落ちついてください。全く外が楽しくて仕方がない子犬みたいだ。でも良かったよ、無事で、本当に」

私を心配してくれて、私に笑いかけてくれて。
私の恩人のお義父様…

私は、マリングレー王国の別塔からある日突然、外に出た。
暗い石のトンネルを潜って…
案内してくれたのは、私の家庭教師、出口にいたのが、イズリー伯爵とディライド様。

そのまま海を渡りクリネット国に。
王都のイズリー家で、この国の事、礼儀作法をこの家の養女として教わった。

「うっふふ、お義父様ったらお上手な例えだわ。外の世界を知らなかった私にとって、危険がいっぱいと教わりましたけど、まさかこんな事件を体験するなんて思いもよりませんでした。痛くて怖くて、…恥ずかしくて、顔もあげられないなんてなるんですのよ。でも翌日になると普通にお食事も出来るし、頭の中で再生も出来て恥ずかしいのに、何故でしょうね、本当に楽しいの、不思議ですわ」

「ハァーーー
それが、体験とか経験と言うんでしょうね。少しは怖くて動けないを全面に出しなさい!そろそろミランダに首輪をつけなければいけないな…ディライドに手紙を送ったよ、すぐに帰ってくるだろうね」

「まぁ!なんて恐ろしいの、フッフッフ、お義兄様が帰ってくるのね!」

「あぁ、満身創痍の怪我をしたなんて聞いたら、血の涙を流しそうだよ…恐ろしいな…」

「あら、ではすぐに回復して良かったですわ、擦り傷も酷かったですから、まぁ、ラナに叱られましたわ、毎日、毎日…
お義兄様に、バレなきゃいいのですわ、きっと!みんなで内緒にしましょうって言わなきゃいけませんね、なんか悪巧みしているみたいでワクワクしますわ!」

「全く…
本当に顔に傷もなく髪も無事で良かったよ」

「はい、お義兄様のこのスーパー眼鏡で顔は守られておりますから」

「ハァーーーそれだけは褒めないとな。良い品を仕入れてきたなと。最近は、わからない道具や情報を高値で仕入れて…商店を使って売買しているし、勉強はちゃんとしていたのだろうか。不安でいっぱいだ、早く伯爵領の経営も学んで欲しいものだよ。一応来月からディライドの転入手続きはしたが、すぐに夏季休暇だろう、通学するかは本人に任せてあるが…着いたな…
ハァーーー、我が家には犬だらけだな」


馬車を降りるとお義母様や弟のレオン、使用人達みんなが出迎えてくれた。

「何をなさっているの?ミランダ~」

お義母様泣きつかないでくださいまし。めっちゃ注目の的ですし、

「申し訳ありません、お義母様。私、失敗しちゃいました。あんなにお義母様に令嬢同士のやり取りは、気をつけなさいと言われていたのに」

「ハァー、ミランダ義姉様、どれだけ心配したか!全く!みんな駆けつけたかったんですよ病院に。ただ目立ってしまうからという点で、みんな我慢したんです」

「そうね、本当にごめんなさい。まさか攫われるなんてね。巻き込まれ注意だわ!」

「もう、義姉様~、そこじゃなく!そもそも関係ないのに、ご令嬢の後なんて尾けないでください」

「本当にそうね、反省しているわ!でもね。ラナ、すぐに紙を用意して!私の冒険譚を書かなければ!」

「えっ、義姉様?」
レオンが驚いているけど、今は時間がない。

「忘れないうちに、この体験を残しておかないと…貴重な経験になったわ。色々抜けてきそうだから、書き残すわ。みんな後で読んでね~。
読者がいないと私の物語を共有出来ないもの!」

その場を勢いで捩じ伏せ、早歩きで自部屋に着く。
歩けて良かった!
骨が丈夫だったのが幸いでした。



イズリー家の家族の団欒、お茶を飲みながら、義父は肩を震わせながら、発言した。

「このグレゴリー様は耳を癒す声で、アンドル王子様は人間か疑う程の絵本の中の王子とは何かな?ミランダ…」

と言ったのは、一人じゃない。
私の冒険譚より学校の人気者の話の方が、義母も使用人もみんなが食いついた。
いついかなる時も読者の感想は嬉しいけど。

フゥ~ン、少しばかり面白くない。
とんでもない経験をしたのにね。
冒険譚の方が力作だったのに、何故か病院に入院していた取り調べの方が、感想を多く聞く。

先生が、言っていたカッコ良い人気者の若い男性は、入れ食い状態って話は、本当なのね、と一人納得して、やっぱり輪になって話すって楽しくて…
結局、使用人達とキャーキャー言いながら盛り上がって、派生話を妄想で日記に綴ったりして、私も中々のロマンスを書けたりと思って、ラナに見せたら、怒られて、綴った日記のページが切り取られた。

クゥー
せっかく使用人達の中で私の読者がつくか否かだったのに~


更に一週間後、あの満身創痍の負傷から完全復帰をしました。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

転生令嬢は腹黒夫から逃げだしたい!

野草こたつ/ロクヨミノ
恋愛
華奢で幼さの残る容姿をした公爵令嬢エルトリーゼは ある日この国の王子アヴェルスの妻になることになる。 しかし彼女は転生者、しかも前世は事故死。 前世の恋人と花火大会に行こうと約束した日に死んだ彼女は なんとかして前世の約束を果たしたい ついでに腹黒で性悪な夫から逃げだしたい その一心で……? ◇ 感想への返信などは行いません。すみません。

【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!

ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。 ※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。

<完結>溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~

夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」  弟のその言葉は、晴天の霹靂。  アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。  しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。  醤油が欲しい、うにが食べたい。  レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。  既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・? 小説家になろうにも掲載しています。 本編完結済み。 続きのお話を、掲載中です。 続きのお話も、完結しました。

前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!

鳥柄ささみ
恋愛
美人になんて、生まれたくなかった……! 前世で絶世の美女として生まれ、その見た目で国王に好かれてしまったのが運の尽き。 正妃に嫌われ、私は国を傾けた悪女とレッテルを貼られて処刑されてしまった。 そして、気づけば違う世界に転生! けれど、なんとこの世界でも私は絶世の美女として生まれてしまったのだ! 私は前世の経験を生かし、今世こそは目立たず、人目にもつかない喪女になろうと引きこもり生活をして平穏な人生を手に入れようと試みていたのだが、なぜか世界有数の魔法学校で陽キャがいっぱいいるはずのNMA(ノーマ)から招待状が来て……? 前世の教訓から喪女生活を目指していたはずの主人公クラリスが、トラウマを抱えながらも奮闘し、四苦八苦しながら魔法学園で成長する異世界恋愛ファンタジー! ※第15回恋愛大賞にエントリーしてます! 開催中はポチッと投票してもらえると嬉しいです! よろしくお願いします!!

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

本の通りに悪役をこなしてみようと思います

Blue
恋愛
ある朝。目覚めるとサイドテーブルの上に見知らぬ本が置かれていた。 本の通りに自分自身を演じなければ死ぬ、ですって? こんな怪しげな本、全く信用ならないけれど、やってやろうじゃないの。 悪役上等。 なのに、何だか様子がおかしいような?

旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~

榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。 ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。 別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら? ー全50話ー

【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!

白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。 辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。 夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆  異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です) 《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆ 

処理中です...