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38夏の思い出 タヌキ令嬢脱却計画5
結局、氷の雲を食べた時にフリップ王子とは、話せた限りで夕飯まで会えないし、お互い忙しく過ごす。
「ドリー、今日は夕方のトレーニングお休みしてもいいんじゃないかと思うけど…」
「お嬢様、フリップ殿下も頑張っていたお姿見ましたでしょう。気を失ってまで、そしてまた訓練に戻られた、あの根性、素晴らしいと思いますよ。あの方の婚約者なのですから、お嬢様も根性を見せないといけません」
「そんな!?フリップ王子様と私は関係ないわよ。根性とか公爵令嬢には無縁よ」
「では、王族には根性が必要だど思われますか?」
「…わかったわ、ランニングね」
何故、今日ぐらいと思うのに、引き合いに出されてしまうと何とも言えない気持ちになる。
夕食の時のフリップ王子は、お風呂に入った後で綺麗な状態なのに、満身創痍でなんとか少し食事をして、挨拶されて部屋に戻ってしまった。
よほどの事だろうな、食事も取れないなんて。でもこうなることは、予想通りかなぁ。
それを考えたら私は、そこまで厳しくはなかったのだな。
「お可哀想に」
と同情した。そして憐れみの目で王子を見送る。
リサーナは食い意地が凄いだけなのだがと使用人達はみな思っていた。
そして二日目の朝を迎えた。
朝のランニングから、お祖父様の声が高らかに元気いっぱいだ。
「これから、森に行って狩りをしてくる、リサーナもじいじと行こうよ、新鮮な肉でバーベキュー野営をしよう」
ウッホー、魅惑な肉祭りの予感!
しかし狩りは、危険。
危険を回避するのが、私、リサーナですからね。
「オホホッホ、肉のお誘い大変嬉しいのですが、授業が立て混んでいます。屋敷でお祖父様の武勇伝を楽しみに待っています」
とランニングしながら話す。
「そっかぁ、残念だがメリッサが怖いからな、授業はサボるわけにはいかないか。いつからあんな教育熱心な夫人になったのかね?」
そういうことは、もっと声を大きく言っておくれ。
「確かに、あの鬼教官はいつから…?」
振り返ればいつもアグー脱却計画からではないだろうか?
あれから本当に我が家は変わったと思うな。
話が出来たのはここまで、息が荒れ、滝のように流れる汗の中、お祖父様を歩きながら見送る。
「に・く、大量!に、お、ねがい、します…」
これだけ言って、力尽きた。
「大丈夫かい?リサーナ」
と朝から爽やかな顔して声をかけてきたフリップ王子。
「あ、はい。いつも、ですか、ら」
と息が切れ、見上げる王子は、凄い笑顔だ。
「お嬢様、腹筋背筋がまだですよ」
とドリーに言われれば、隣でフリップ王子も同じ姿勢になった。
「何を?」
「同じ事をやるよ、私だけ寝ているわけにはいかないからね、婚約者が苦労しているなら、同じ苦労を共にするよ」
と言われた。
ふたりでやっても回数は減らないけど、二人一緒だと気持ちは楽になるのは何故なのかなぁと思った。
朝食後は、私はカリツォーネ先生の授業、フリップ王子は母様と身体強化の魔法へ。
「随分庭が騒がしくなってきましたね」
先生に言われ、
「予定通り私兵の方達が屋敷裏で野営の準備始めたみたいですね、楽しみです」
お昼は勿論、野営飯。ただ料理人が作る本格派!
丸焼きでも石焼でもなんでも来いだよ。馬車も到着して、ヘンリもクリスも遊びに来た。
「さぁ、いっぱい肉焼いて、いっぱい食べよう」
「凄い人数だな、お嬢様」
とヘンリに言われ、
「兵の野営ってこんな感じってお祖父様が、ドーンと用意して好きなように焼いて好きなように食べるらしいわ」
と言えば、
「お祭りみたいですね、リサーナ様」
とクリスも驚いていた。
「ヘンリ、クリス、紹介したい人がいるのよ、ヘンリは会っているけど、こっち来て」
とまだ、特訓中のフリップ王子は、肉をしっかり仕入れたお祖父様と打ち合っていた。
「早い、早い、倒れるの早すぎだろう」
と片膝をついていたフリップ王子。
「凄いな」
ヘンリの一言は私にもわかる。
汗も泥も全身で、王子とは思えない。やられた訓練兵だ。
これから、サバイバルで野営で野外料理なのに、なんでこんなボロボロになっているのよ。
楽しみが楽しめないなんてつまらないじゃないの、酷いよ、お祖父様。
「なんでこんな状態にしてるんですか!」
と言えば、母様が私の前に手を出して止める。
「何故母様、これから楽しく遊ぶのよ!これじゃ食事も楽しめないじゃないの」
と母様を睨みつけた。
「『僅かな時間しかないから、限りなく極限まで指導して欲しい』と頼んできたわ」
厳しい顔をする母様。
「はぁ!これでは、また気を失ってしまうだけじゃないですか。せっかくの夏休みの思い出が、こんなのつまらないでしょうよ!」
と私が言った時には、フリップ王子は倒れていた。剣も飛ばされているし、すぐに駆け寄る。
「気を失っているだけだよ、魔力が空っぽになって、体力も限界だから当分目を覚さないな」
とお祖父様が言った。
「何故ここまで」
と自分でも信じられないくらい低い声が出た。
可哀想と思った。
「同情しても王子殿下の環境は変わらないし、自分を守れるのは自分だけだ、もし色々知られて本格的にお家騒動が起こったら、王子に味方してくれるのがどれだけいる?まず命を狙われるのは王子自身だ。本人が一番理解している。今までよりも生にしがみつきたくなったから無茶をする」
とお祖父様は言った。
「だからって今日は夏の思い出で楽しい会になるわけで、この会の主役はフリップ王子で」
と言えば
「それも全部リサーナの都合でしょう?その気持ちも王子はわかっていても強くなることを望んだだけよ」
と母様は言った。
残されたのは、ヘンリとクリスと私と気を失っているフリップ王子とメイド数名。
だって満面の笑みで喜んでいたわ。今日の企画…
「ヘンリ、クリス、なんかごめんね。こんな予定じゃなかったのよ。もっと楽しく肉を囲んでいて笑ってお喋りしてって思っていたのに…まずは、先に食べに行ってね。王子が気づいたら一緒に食べに行くわ」
と倒れている王子の手を握る。血豆が酷くて熱くて皮も剥けてる。
さっきから魔力球を送っていても反応がない。本当に限界で指の一本さえも動かせないんだ。
何で?
先にきちんと伝えたはず、今日は野営で、外でみんなで食べようって。
楽しみなのよって。
ちゃんと言ったのに。笑ってもいた。ちゃんと意思疎通出来ていた、はず、
「お願い、食べてきて二人とも…」
何に私はイライラしているんだろう。
自分の思い通りにならなかったこと?友達と仲良く過ごせなかったこと?母様、お祖父様が厳しいこと?フリップ王子が私の言う通りにしてくれなかったこと?
「何でこんなに無理するのよ~」
肉、夏休みの楽しい時間を過ごさなきゃ、王宮でまた取り上げられるんでしょう?王妃様の目の届かない今を楽しまなきゃ。
「この馬鹿~」
と言った後、多分私は両手からポンポンポンポン止まることないぐらいの空気球が手から爆ぜた。
これは怒りだ。何のかはわからないけど、何故王子はここまで追い込まれているのか同じ子供なのに、私の限界なんて超えて耐えているのが、何故彼にさせるのかという、誰に怒っていいかもわからない怒り。
それが全部吐き出した後、私も意識を失った。
気づいた時はベッドの上で、私の手をフリップ王子が握っていた。
「もう大丈夫なんですか、フリップ様?」
「ああ、ごめんね、リサーナ。迷惑をかけてしまったね。リサーナのおかげで擦り傷や打ち身、打撲まで治ったよ。氷魔法で治癒まで出来るのか?全く驚きだよ」
と泣き笑いみたいな顔をまた見せた。
「出来ませんよ、そんなことただ怒りに任せてポンポン何かが手から爆発するみたいに出るだけですから、それがちょうどその時に必要な場所を冷やしてくれたり都合良く回復したように感じるだけじゃないですかね」
「じゃあ、そう言うことにしておこうか。我が婚約者様が、治癒能力なんて言ったら、聖女扱いになって間違いなく私の手の届かないところに行ってしまうから」
「またそんなことを…」
「ハハッ、まだ夕方だよ、ほら肉を食べるんだろう、早く行こうよ、みんな待っていてくれている、リサーナのおかげで私は元気一杯だからね、ご飯が食べれる」
「なら、良かったです、ではお肉へ」
組み木が作られ、夜の野営の準備になっていた。
ヘンリやクリスも待っていてくれた。
挨拶だけして帰っていく二人には申し訳ないことをしたなあと思いながら見送った。
「リサーナの友達には悪いことをしてしまったな。ごめんね、自分の事を優先して」
とフリップ王子が申し訳無さそうに言った。
「何故、限界まで特訓したんですか?」
「王宮に帰ったら出来ないから…私の情報は全部王妃に伝わる。大事なものを取り上げられるだけにすまない事を考えたら、教えてもらえるうちに全てが欲しかった。本気の剣術も出来ない魔法も、限界までここで全部欲しかった、ここは私の我儘をみんな快く受けてくれるから。ごめんね、甘えた」
「何ですか、甘えたって!可愛く言ったって駄目ですよ、あ~私のお肉一食分が食べれなかったですからね、もう動けるならさっさと鳥の甘辛い匂いがする、あの串焼持ってきて下さい」
「あははは、喜んで~」
フリップ王子の背中を見送った。
王子を使用人みたいに使うなんてとドリーに叱られるかしらと思ったけど、メイドは私達から離れた所にいる。
用意してあるテーブルと椅子に飲み物もあった。
「全く気が利くのよ、うちのメイド達は」
笑顔で串焼を持ってくるフリップ王子に手を振りながら、本当に大変な人が婚約者になったのだなぁと改めて感じた。
「ドリー、今日は夕方のトレーニングお休みしてもいいんじゃないかと思うけど…」
「お嬢様、フリップ殿下も頑張っていたお姿見ましたでしょう。気を失ってまで、そしてまた訓練に戻られた、あの根性、素晴らしいと思いますよ。あの方の婚約者なのですから、お嬢様も根性を見せないといけません」
「そんな!?フリップ王子様と私は関係ないわよ。根性とか公爵令嬢には無縁よ」
「では、王族には根性が必要だど思われますか?」
「…わかったわ、ランニングね」
何故、今日ぐらいと思うのに、引き合いに出されてしまうと何とも言えない気持ちになる。
夕食の時のフリップ王子は、お風呂に入った後で綺麗な状態なのに、満身創痍でなんとか少し食事をして、挨拶されて部屋に戻ってしまった。
よほどの事だろうな、食事も取れないなんて。でもこうなることは、予想通りかなぁ。
それを考えたら私は、そこまで厳しくはなかったのだな。
「お可哀想に」
と同情した。そして憐れみの目で王子を見送る。
リサーナは食い意地が凄いだけなのだがと使用人達はみな思っていた。
そして二日目の朝を迎えた。
朝のランニングから、お祖父様の声が高らかに元気いっぱいだ。
「これから、森に行って狩りをしてくる、リサーナもじいじと行こうよ、新鮮な肉でバーベキュー野営をしよう」
ウッホー、魅惑な肉祭りの予感!
しかし狩りは、危険。
危険を回避するのが、私、リサーナですからね。
「オホホッホ、肉のお誘い大変嬉しいのですが、授業が立て混んでいます。屋敷でお祖父様の武勇伝を楽しみに待っています」
とランニングしながら話す。
「そっかぁ、残念だがメリッサが怖いからな、授業はサボるわけにはいかないか。いつからあんな教育熱心な夫人になったのかね?」
そういうことは、もっと声を大きく言っておくれ。
「確かに、あの鬼教官はいつから…?」
振り返ればいつもアグー脱却計画からではないだろうか?
あれから本当に我が家は変わったと思うな。
話が出来たのはここまで、息が荒れ、滝のように流れる汗の中、お祖父様を歩きながら見送る。
「に・く、大量!に、お、ねがい、します…」
これだけ言って、力尽きた。
「大丈夫かい?リサーナ」
と朝から爽やかな顔して声をかけてきたフリップ王子。
「あ、はい。いつも、ですか、ら」
と息が切れ、見上げる王子は、凄い笑顔だ。
「お嬢様、腹筋背筋がまだですよ」
とドリーに言われれば、隣でフリップ王子も同じ姿勢になった。
「何を?」
「同じ事をやるよ、私だけ寝ているわけにはいかないからね、婚約者が苦労しているなら、同じ苦労を共にするよ」
と言われた。
ふたりでやっても回数は減らないけど、二人一緒だと気持ちは楽になるのは何故なのかなぁと思った。
朝食後は、私はカリツォーネ先生の授業、フリップ王子は母様と身体強化の魔法へ。
「随分庭が騒がしくなってきましたね」
先生に言われ、
「予定通り私兵の方達が屋敷裏で野営の準備始めたみたいですね、楽しみです」
お昼は勿論、野営飯。ただ料理人が作る本格派!
丸焼きでも石焼でもなんでも来いだよ。馬車も到着して、ヘンリもクリスも遊びに来た。
「さぁ、いっぱい肉焼いて、いっぱい食べよう」
「凄い人数だな、お嬢様」
とヘンリに言われ、
「兵の野営ってこんな感じってお祖父様が、ドーンと用意して好きなように焼いて好きなように食べるらしいわ」
と言えば、
「お祭りみたいですね、リサーナ様」
とクリスも驚いていた。
「ヘンリ、クリス、紹介したい人がいるのよ、ヘンリは会っているけど、こっち来て」
とまだ、特訓中のフリップ王子は、肉をしっかり仕入れたお祖父様と打ち合っていた。
「早い、早い、倒れるの早すぎだろう」
と片膝をついていたフリップ王子。
「凄いな」
ヘンリの一言は私にもわかる。
汗も泥も全身で、王子とは思えない。やられた訓練兵だ。
これから、サバイバルで野営で野外料理なのに、なんでこんなボロボロになっているのよ。
楽しみが楽しめないなんてつまらないじゃないの、酷いよ、お祖父様。
「なんでこんな状態にしてるんですか!」
と言えば、母様が私の前に手を出して止める。
「何故母様、これから楽しく遊ぶのよ!これじゃ食事も楽しめないじゃないの」
と母様を睨みつけた。
「『僅かな時間しかないから、限りなく極限まで指導して欲しい』と頼んできたわ」
厳しい顔をする母様。
「はぁ!これでは、また気を失ってしまうだけじゃないですか。せっかくの夏休みの思い出が、こんなのつまらないでしょうよ!」
と私が言った時には、フリップ王子は倒れていた。剣も飛ばされているし、すぐに駆け寄る。
「気を失っているだけだよ、魔力が空っぽになって、体力も限界だから当分目を覚さないな」
とお祖父様が言った。
「何故ここまで」
と自分でも信じられないくらい低い声が出た。
可哀想と思った。
「同情しても王子殿下の環境は変わらないし、自分を守れるのは自分だけだ、もし色々知られて本格的にお家騒動が起こったら、王子に味方してくれるのがどれだけいる?まず命を狙われるのは王子自身だ。本人が一番理解している。今までよりも生にしがみつきたくなったから無茶をする」
とお祖父様は言った。
「だからって今日は夏の思い出で楽しい会になるわけで、この会の主役はフリップ王子で」
と言えば
「それも全部リサーナの都合でしょう?その気持ちも王子はわかっていても強くなることを望んだだけよ」
と母様は言った。
残されたのは、ヘンリとクリスと私と気を失っているフリップ王子とメイド数名。
だって満面の笑みで喜んでいたわ。今日の企画…
「ヘンリ、クリス、なんかごめんね。こんな予定じゃなかったのよ。もっと楽しく肉を囲んでいて笑ってお喋りしてって思っていたのに…まずは、先に食べに行ってね。王子が気づいたら一緒に食べに行くわ」
と倒れている王子の手を握る。血豆が酷くて熱くて皮も剥けてる。
さっきから魔力球を送っていても反応がない。本当に限界で指の一本さえも動かせないんだ。
何で?
先にきちんと伝えたはず、今日は野営で、外でみんなで食べようって。
楽しみなのよって。
ちゃんと言ったのに。笑ってもいた。ちゃんと意思疎通出来ていた、はず、
「お願い、食べてきて二人とも…」
何に私はイライラしているんだろう。
自分の思い通りにならなかったこと?友達と仲良く過ごせなかったこと?母様、お祖父様が厳しいこと?フリップ王子が私の言う通りにしてくれなかったこと?
「何でこんなに無理するのよ~」
肉、夏休みの楽しい時間を過ごさなきゃ、王宮でまた取り上げられるんでしょう?王妃様の目の届かない今を楽しまなきゃ。
「この馬鹿~」
と言った後、多分私は両手からポンポンポンポン止まることないぐらいの空気球が手から爆ぜた。
これは怒りだ。何のかはわからないけど、何故王子はここまで追い込まれているのか同じ子供なのに、私の限界なんて超えて耐えているのが、何故彼にさせるのかという、誰に怒っていいかもわからない怒り。
それが全部吐き出した後、私も意識を失った。
気づいた時はベッドの上で、私の手をフリップ王子が握っていた。
「もう大丈夫なんですか、フリップ様?」
「ああ、ごめんね、リサーナ。迷惑をかけてしまったね。リサーナのおかげで擦り傷や打ち身、打撲まで治ったよ。氷魔法で治癒まで出来るのか?全く驚きだよ」
と泣き笑いみたいな顔をまた見せた。
「出来ませんよ、そんなことただ怒りに任せてポンポン何かが手から爆発するみたいに出るだけですから、それがちょうどその時に必要な場所を冷やしてくれたり都合良く回復したように感じるだけじゃないですかね」
「じゃあ、そう言うことにしておこうか。我が婚約者様が、治癒能力なんて言ったら、聖女扱いになって間違いなく私の手の届かないところに行ってしまうから」
「またそんなことを…」
「ハハッ、まだ夕方だよ、ほら肉を食べるんだろう、早く行こうよ、みんな待っていてくれている、リサーナのおかげで私は元気一杯だからね、ご飯が食べれる」
「なら、良かったです、ではお肉へ」
組み木が作られ、夜の野営の準備になっていた。
ヘンリやクリスも待っていてくれた。
挨拶だけして帰っていく二人には申し訳ないことをしたなあと思いながら見送った。
「リサーナの友達には悪いことをしてしまったな。ごめんね、自分の事を優先して」
とフリップ王子が申し訳無さそうに言った。
「何故、限界まで特訓したんですか?」
「王宮に帰ったら出来ないから…私の情報は全部王妃に伝わる。大事なものを取り上げられるだけにすまない事を考えたら、教えてもらえるうちに全てが欲しかった。本気の剣術も出来ない魔法も、限界までここで全部欲しかった、ここは私の我儘をみんな快く受けてくれるから。ごめんね、甘えた」
「何ですか、甘えたって!可愛く言ったって駄目ですよ、あ~私のお肉一食分が食べれなかったですからね、もう動けるならさっさと鳥の甘辛い匂いがする、あの串焼持ってきて下さい」
「あははは、喜んで~」
フリップ王子の背中を見送った。
王子を使用人みたいに使うなんてとドリーに叱られるかしらと思ったけど、メイドは私達から離れた所にいる。
用意してあるテーブルと椅子に飲み物もあった。
「全く気が利くのよ、うちのメイド達は」
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第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!