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半神フウⅡ
半神フウは、ワタルの潜在能力の開花とともに、己の力も上昇しつつあることに気づいた。
ワタルとは、共鳴しあっているのだろうか? 半神フウはそう予測しながらも、面白いとほくそ笑んだ。
半神フウは異臭ただよう死骸だらけの戦場で、糧となる魂を喰らいつづけた。
浄化される魂が増えるごとに、半神フウの神力が増していくことに歓喜した。
この調子なら、ワタルへの加護も強力になる。
この世界はなかなか危険だ。 人間同士の戦いもさることながら、人の悪念や、残留思念によって生まれた魔物が跋扈している。
魔物を討伐するのは、聖人クラスでも困難だ。魔物は総称して『妖魔』と言われている。
数十年修行し、身を清めている身でないと、妖魔の瘴気に狂わされて、死ぬケースが多い。
半神フウは本能的に、妖魔を討伐対象として見すえていた。
ワタルの敵になる種族は、半神フウにとっても敵になる種族だ。
力を蓄えなければ……。『妖魔』ごときに殲滅されてたまるものか。
神への道を半神フウは無意識に歩み始めていた。
妖魔は謎に満ちた種族だった。この世界では死んだ霊が集まってできた種族ともいわれ、魔素や何かの要素で偶然生まれ落ちた種族とも言われる。
高知能で人間より優れた能力をもっている獣に似た種族。彼らは、獰猛で人を襲い、親とも呼べる王を中心に階級社会を作っていた。
それは蜂にも近い社会だった。
雌は女王と呼べるものしか子どもを孕めず、他の雌は不妊であった。
働き蜂のように一生をこの社会に奉仕し続けるのだ。
また、女王は王という証を持った雄としか孕めない種族だった。
ゆえに王が現れないと子どもは生まれない世界になる。
それでも妖魔はほとんど不老不死だったからほとんど問題にはならなかった。
妖魔は、仲間であろうとも死肉を喰らい、その力を己の糧とする。
妖魔の肉と血は力を宿している。強い雄ほど力が内包されている。
時折、妖魔には同胞喰らいが行われる。より優れたものを求める本能が強いのだろうか?
妖魔と戦っている戦士たちも、敵の生態を把握しなければならない。
他にも未知の生物はあり、生き残るために調査しなければならないことは膨大だった。
兵士や識者や学士などは国を挙げて、敵の調査と分析に当たった。
死んだ妖魔から魔素などを採取して、学者たちが己の推論を競い合い、実験と改良を重ね続けた。
身体の液体は酸に近い劇物だったので、被害や身体に影響を受けた者は後を絶たない。彼らは防御服を強化し、妖魔と接触しないように全身を包むようにした。
傭兵は金で危険な任務に携わる。兵士という国家に縛られずに自由に契約を結び、任務を成功したら契約を終了させられる。勿論過酷な任務で、はした金しか得られない傭兵もいるが、名を馳せた名誉ある傭兵隊は、いかなる危険な任務でも遂行することで成功したのだ。
そこには格というものもある。一番優れたものが黄金で二番に優れたものが白銀と呼ばれる。
金狼の部隊は最も優秀で卓越した隊員で集っていた。
彼らは法外な金額で、未知の生物や、妖魔の生態系を調べるため、最も危険なゾーンまで潜入していた。
その中で、古代の遺物や、新種の植物、動物、敗残者の遺骸を見ることも度々あった。彼らはその対処にも長け、ルーツや製造元なども詳細に調べられた。
「今度の任務は無事に終えそうだな。」
「つまらねえの。妖魔討伐は起きないのか?目の前にあるから俺らが隙を見て目を潰したり、弱点を突いたら仕留められるんじゃねえの?」
「駄目だ。軽率に接触してはいけない。それは襲われた場合だ。隊長もそう言っていた。何が起きるか分からない。」
妖魔とは一種の共存関係にある。妖魔は知れば知るほど謎に満ちた種族だった。
個体は多様で、あるものは分裂する種族でもあり、姿は固定化されないものもあった。しかもそれぞれが特有の力を持ち、中には国一つを消滅させかねない猛毒をもった個体もあった。
「よく人間……生き延びられたよな。今みたいに色々な装備や知識もなかったんだろ。昔のやつらはどうやって妖魔を撃退できたんだ?」
隊員は首をひねった。
「多分口伝や伝承で少しずつ妖魔に対する撃退法や何かが発見されたんだろう。さもなくば天才や、神みたいな存在が授けたに違いない。」
そうでなければこんな脆弱な人間がここまで生き延びた意味が説明つかない。
妖魔と人間は意志疎通はできない。中には、脳を弄くって使役する賢い妖魔も居る。
文字通りの弱肉強食の世界だ。
目の前で赤ん坊を喰われて狂った母親もいる。隊員の中には喰われた家族もいる。
彼らはできるなら妖魔を撲滅したかった。
ワタルとは、共鳴しあっているのだろうか? 半神フウはそう予測しながらも、面白いとほくそ笑んだ。
半神フウは異臭ただよう死骸だらけの戦場で、糧となる魂を喰らいつづけた。
浄化される魂が増えるごとに、半神フウの神力が増していくことに歓喜した。
この調子なら、ワタルへの加護も強力になる。
この世界はなかなか危険だ。 人間同士の戦いもさることながら、人の悪念や、残留思念によって生まれた魔物が跋扈している。
魔物を討伐するのは、聖人クラスでも困難だ。魔物は総称して『妖魔』と言われている。
数十年修行し、身を清めている身でないと、妖魔の瘴気に狂わされて、死ぬケースが多い。
半神フウは本能的に、妖魔を討伐対象として見すえていた。
ワタルの敵になる種族は、半神フウにとっても敵になる種族だ。
力を蓄えなければ……。『妖魔』ごときに殲滅されてたまるものか。
神への道を半神フウは無意識に歩み始めていた。
妖魔は謎に満ちた種族だった。この世界では死んだ霊が集まってできた種族ともいわれ、魔素や何かの要素で偶然生まれ落ちた種族とも言われる。
高知能で人間より優れた能力をもっている獣に似た種族。彼らは、獰猛で人を襲い、親とも呼べる王を中心に階級社会を作っていた。
それは蜂にも近い社会だった。
雌は女王と呼べるものしか子どもを孕めず、他の雌は不妊であった。
働き蜂のように一生をこの社会に奉仕し続けるのだ。
また、女王は王という証を持った雄としか孕めない種族だった。
ゆえに王が現れないと子どもは生まれない世界になる。
それでも妖魔はほとんど不老不死だったからほとんど問題にはならなかった。
妖魔は、仲間であろうとも死肉を喰らい、その力を己の糧とする。
妖魔の肉と血は力を宿している。強い雄ほど力が内包されている。
時折、妖魔には同胞喰らいが行われる。より優れたものを求める本能が強いのだろうか?
妖魔と戦っている戦士たちも、敵の生態を把握しなければならない。
他にも未知の生物はあり、生き残るために調査しなければならないことは膨大だった。
兵士や識者や学士などは国を挙げて、敵の調査と分析に当たった。
死んだ妖魔から魔素などを採取して、学者たちが己の推論を競い合い、実験と改良を重ね続けた。
身体の液体は酸に近い劇物だったので、被害や身体に影響を受けた者は後を絶たない。彼らは防御服を強化し、妖魔と接触しないように全身を包むようにした。
傭兵は金で危険な任務に携わる。兵士という国家に縛られずに自由に契約を結び、任務を成功したら契約を終了させられる。勿論過酷な任務で、はした金しか得られない傭兵もいるが、名を馳せた名誉ある傭兵隊は、いかなる危険な任務でも遂行することで成功したのだ。
そこには格というものもある。一番優れたものが黄金で二番に優れたものが白銀と呼ばれる。
金狼の部隊は最も優秀で卓越した隊員で集っていた。
彼らは法外な金額で、未知の生物や、妖魔の生態系を調べるため、最も危険なゾーンまで潜入していた。
その中で、古代の遺物や、新種の植物、動物、敗残者の遺骸を見ることも度々あった。彼らはその対処にも長け、ルーツや製造元なども詳細に調べられた。
「今度の任務は無事に終えそうだな。」
「つまらねえの。妖魔討伐は起きないのか?目の前にあるから俺らが隙を見て目を潰したり、弱点を突いたら仕留められるんじゃねえの?」
「駄目だ。軽率に接触してはいけない。それは襲われた場合だ。隊長もそう言っていた。何が起きるか分からない。」
妖魔とは一種の共存関係にある。妖魔は知れば知るほど謎に満ちた種族だった。
個体は多様で、あるものは分裂する種族でもあり、姿は固定化されないものもあった。しかもそれぞれが特有の力を持ち、中には国一つを消滅させかねない猛毒をもった個体もあった。
「よく人間……生き延びられたよな。今みたいに色々な装備や知識もなかったんだろ。昔のやつらはどうやって妖魔を撃退できたんだ?」
隊員は首をひねった。
「多分口伝や伝承で少しずつ妖魔に対する撃退法や何かが発見されたんだろう。さもなくば天才や、神みたいな存在が授けたに違いない。」
そうでなければこんな脆弱な人間がここまで生き延びた意味が説明つかない。
妖魔と人間は意志疎通はできない。中には、脳を弄くって使役する賢い妖魔も居る。
文字通りの弱肉強食の世界だ。
目の前で赤ん坊を喰われて狂った母親もいる。隊員の中には喰われた家族もいる。
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