8 / 34
掃き溜めに鶴
第7話 カリンの秘密Ⅱ
しおりを挟む
アイラは薄々カリンの能力に気づき、シンに告白していることは、カリンにはつゆ知らず、時々、自分の能力を持て余していた。
二つの能力でカリンは辛うじて命の危機を避け、高級娼婦として勤めを果たしていた。
しかし、ここのところ、別の能力も目覚めたらしい。
異常な心を持った人間だけでなく、本当に人間じゃないモノも見かけるようになった。
変な液状の物体や、昆虫のような気味の悪い物体が、人々に憑き、憑かれた人たちはまるで搾取されるように消耗していった。 普通の人間には見えない妖怪や魔物が見えるようになっていた。
でも、カリンにはその人外に対抗する力はない。唯見えるだけだ。カリンはひたすらに無視することにした。
彼らは運が悪いのだ。弱肉強食。 現実にいる怖い人間。見えないけど搾取しようとする人外共め。
カリンは理不尽な不条理な運命に深い心の奥底で怒りを抱いた。
神様あんまりです。見たくないものばかり見せられて地獄です。
ある日、カリンは馴染の娼婦に、黒い物体が憑くのを見た。娼婦がもがき苦しんでいるのを見てカリンは抑えていた怒りが爆発した。
この化け物め。この女が何をした。理不尽だ。あんまりだ。
黒い物体を思わず強く叩いた。見えない物体がなぜか触れられる。カリンは叩き続けた。この化け物め。消えされ。
彼女は強く思って叩いた。
黒い物体は散り散りになって消滅した。苦しんでいた娼婦は、やっと息ができたようにぜいぜいいいながらカリンを奇妙なものを見るように見つめた。
「カリン。なにを見たの。いきなり窒息しそうに苦しかったけど、カリンが強く叩いたから、息ができるようになったわ。カリンは何もないところを睨んで、私を強く叩いたわ。」
「痛かったけど、何かから解放されたようだった。」
「カリンは見えないものが見える人なの?」
カリンはばれたかと苦々しい顔をした。まさか化け物を叩けるとは思わなかった。退散できるとも思わなかった。
「わからないわ。なにか黒いモノが貴方に憑いているものが見えたのよ。錯覚かもしれない。貴方が苦しんでいるのを見て、思わず黒いモノを叩いたわ。まさか消えるとは思わなかった。」
「わたしにも何もわからないのよ。あれが何だったのか。怖かったけど思わず手が出たの。」
「わたしには何の力もないわ。時々変なものがみえるだけよ。頭がおかしい女と言われたくないからこの事は黙っていて。」
馴染の娼婦は頷いたが、カリンを奇妙なもの。不可思議なものとして見るようになった。
「ありがとう。カリン。」「このことは黙っておくわ。」
彼女はそう言ったが、秘密はいつかはばれる。時間の問題かもしれない。
彼女は時々カリンを珍しいものをみるように見つめるようになった。子どものように彼女につきまとうようになった。
「ねえねえ。何か見た?また黒いモノ?」
彼女は興味深々で、カリンの耳にひそひそと話した。
カリンは眉をしかめて言った。「残念でした。あれから何もないよ。」
そっけなく、あっちいってとあしらった。
彼女は子どものように顔をふくらませた。死にかけたのに、この元気さ。カリンは辟易した。
それをこっそりと見ていた娼婦がいた。何のことだろう?不可解な話に娼婦は首を傾げた。
友人に早速言いふらすことにした。女は噂が好きなのだ。
かくしてカリンには不可解な噂が広まった。
娼館の主人はこの噂は何なのかとカリンに尋ねたが、さあ何のことやらと知らぬ存ぜぬで通した。
馴染の娼婦はジト目で、カリンを見つめた。
二つの能力でカリンは辛うじて命の危機を避け、高級娼婦として勤めを果たしていた。
しかし、ここのところ、別の能力も目覚めたらしい。
異常な心を持った人間だけでなく、本当に人間じゃないモノも見かけるようになった。
変な液状の物体や、昆虫のような気味の悪い物体が、人々に憑き、憑かれた人たちはまるで搾取されるように消耗していった。 普通の人間には見えない妖怪や魔物が見えるようになっていた。
でも、カリンにはその人外に対抗する力はない。唯見えるだけだ。カリンはひたすらに無視することにした。
彼らは運が悪いのだ。弱肉強食。 現実にいる怖い人間。見えないけど搾取しようとする人外共め。
カリンは理不尽な不条理な運命に深い心の奥底で怒りを抱いた。
神様あんまりです。見たくないものばかり見せられて地獄です。
ある日、カリンは馴染の娼婦に、黒い物体が憑くのを見た。娼婦がもがき苦しんでいるのを見てカリンは抑えていた怒りが爆発した。
この化け物め。この女が何をした。理不尽だ。あんまりだ。
黒い物体を思わず強く叩いた。見えない物体がなぜか触れられる。カリンは叩き続けた。この化け物め。消えされ。
彼女は強く思って叩いた。
黒い物体は散り散りになって消滅した。苦しんでいた娼婦は、やっと息ができたようにぜいぜいいいながらカリンを奇妙なものを見るように見つめた。
「カリン。なにを見たの。いきなり窒息しそうに苦しかったけど、カリンが強く叩いたから、息ができるようになったわ。カリンは何もないところを睨んで、私を強く叩いたわ。」
「痛かったけど、何かから解放されたようだった。」
「カリンは見えないものが見える人なの?」
カリンはばれたかと苦々しい顔をした。まさか化け物を叩けるとは思わなかった。退散できるとも思わなかった。
「わからないわ。なにか黒いモノが貴方に憑いているものが見えたのよ。錯覚かもしれない。貴方が苦しんでいるのを見て、思わず黒いモノを叩いたわ。まさか消えるとは思わなかった。」
「わたしにも何もわからないのよ。あれが何だったのか。怖かったけど思わず手が出たの。」
「わたしには何の力もないわ。時々変なものがみえるだけよ。頭がおかしい女と言われたくないからこの事は黙っていて。」
馴染の娼婦は頷いたが、カリンを奇妙なもの。不可思議なものとして見るようになった。
「ありがとう。カリン。」「このことは黙っておくわ。」
彼女はそう言ったが、秘密はいつかはばれる。時間の問題かもしれない。
彼女は時々カリンを珍しいものをみるように見つめるようになった。子どものように彼女につきまとうようになった。
「ねえねえ。何か見た?また黒いモノ?」
彼女は興味深々で、カリンの耳にひそひそと話した。
カリンは眉をしかめて言った。「残念でした。あれから何もないよ。」
そっけなく、あっちいってとあしらった。
彼女は子どものように顔をふくらませた。死にかけたのに、この元気さ。カリンは辟易した。
それをこっそりと見ていた娼婦がいた。何のことだろう?不可解な話に娼婦は首を傾げた。
友人に早速言いふらすことにした。女は噂が好きなのだ。
かくしてカリンには不可解な噂が広まった。
娼館の主人はこの噂は何なのかとカリンに尋ねたが、さあ何のことやらと知らぬ存ぜぬで通した。
馴染の娼婦はジト目で、カリンを見つめた。
0
あなたにおすすめの小説
🥕おしどり夫婦として12年間の結婚生活を過ごしてきたが一波乱あり、妻は夫を誰かに譲りたくなるのだった。
設楽理沙
ライト文芸
2026.1.4 73話見直した際、瑛士の台詞《本音/懺悔》を加筆しました。😇
☘ 累計ポイント/ 200万pt 超えました。ありがとうございます。
―― 備忘録 ――
第8回ライト文芸大賞では大賞2位ではじまり2位で終了。 最高 57,392 pt
〃 24h/pt-1位ではじまり2位で終了。 最高 89,034 pt
◇ ◇ ◇ ◇
紳士的でいつだって私や私の両親にやさしくしてくれる
素敵な旦那さま・・だと思ってきたのに。
隠された夫の一面を知った日から、眞奈の苦悩が
始まる。
苦しくて、悲しくてもののすごく惨めで・・
消えてしまいたいと思う眞奈は小さな子供のように
大きな声で泣いた。
泣きながらも、よろけながらも、気がつけば
大地をしっかりと踏みしめていた。
そう、立ち止まってなんていられない。
☆-★-☆-★+☆-★-☆-★+☆-★-☆-★
2025.4.19☑~
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる