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はじめての人殺し
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どうやら度重なる暴力や、死と凌辱によってわたしの頭は完全にイカレタらしい。
わたしは奇妙にも爽快で頭が突き抜けたような感じなのだ。嗚呼今ならなんでもできる感じがする。なんだろう。この幼児的な万能感は・・。
いやあね。恥ずかしい・・。でもわたしは自然ににっこりとあどけなくキリルに笑顔を向けることができた。
キリルはわたしの笑顔を見て、かすかに目をすがめた。
「あんた・・その笑顔は異常者やおかしなものを引き寄せる餌みたいなもんだよ。ふーん。ユンが気に入るのもわかるな。あんたその気になったら傾城の娼婦になれるかもしれねえよ。」
まあ・・そんなたいそれた女になれるだなんでわたしはおかしくて笑ってしまった。
嗚呼・・でもユンは大丈夫だろうか?
わたしは主人の事を尋ねると、キリルは顔を僅かにしかめて首を振った。
「あいつは天才だがその分不安定なんだ。薬を過剰服用していつもより残酷に任務を果たした。しかし頭が完全にイッテイてな、情欲と凶暴性が止まらなかったんだよ。俺でさえもぞっとしたぜ。仲間が数人止めようとしたが殺された。馬鹿な奴らだよ。怪物に刃向かうから・・。まあ金で結ばれた仲間だからまた新しいのがくるけどな・・。」
うんざりとしたようにキリルは肩を落とした。
まあどこの世界でも上司は大変なのね・・。気の毒に・・。でもそれは貴方が決めた道だわ。
わたしは主人ユンのほうが大事なの。
「主人ユン様は・・どうなるのでしょうか?処分されるのですか・・?」
「いいや、ユンは組織に多大な貢献と恩恵を与えた。これぐらいのトラブルなど処分には至らない。しかしユンはしばらく使い物にならない。その間、ユンの奴隷であるお前が、一人や二人 人を殺せ。代理でやれ。」
なるほどね。使える者は徹底的に使う方針かあ・・。
いいでしょう・・。死人だし、若返った喜びもあることだし、ユン様のために人を殺すなんて大したことはない。
嗚呼でも赤ん坊や子供は嫌だな・・。
わたしはその事を言うと・・キリルは妙に嘲りの笑みを浮かべた。
「へえ・・ユンの奴隷だからどんないかれた女かと思ったら、意外とまともなところもあるんだな。」
「どうして真っ当な奴らは赤ん坊や子供を殺すのを躊躇うのかね。ほとんどがろくでもない悪党や、屑になるだけなのにね・・。女ってやつはわからねえな。」
「・・まっさらな未来があるからじゃないかな・・。わたしのように終わった人にとってはやはりどこか禁忌があるのよ・・。」
「ふーん。俺にとってどれも同じにしか見えないよ・・。」
キリルは虚無の顔を浮かべて無感動に呟いた。
嗚呼・・この人は大切な人もいないんだ。なんか少し寂しいけどそれが貴方の生き方だから仕方がないよね。
でもわたしはユンに会ってしまったし、もう主人と決めたから忠誠することにしたの。
依存かもしれない・・。でもね。綺麗だと思ったのはユンがはじめてなの。
わたしはキリルの命令通り、下品なほどに赤い口紅を引いて、爪も真っ赤にして露出が凄い娼婦にみえる服装をした。化粧も隊員の一人がやってくれた。慣れないからだ。とても上手い化粧だ。
なんでもできるのね・・。
わたしは暗殺するための娼婦として、標的に送られた。
さあはじめての人殺しだ。
ごめんね。わたしは心の中で呟いて、見知らぬ情欲に満ちた男と寝る前に、隙を見て音がしない銃を頭に向けて撃った。それだけで男は呆然とした顔で頭に大きな穴が開いて血が出た。呆気ない最期だ
嗚呼こんなものなんだ。呆気ない。
ごめんね。せっかく気持ちよくなろうとしていたお楽しみの時間が最期の時間になってしまったね。
寝てやればよかったろうか?でもわたしはユンの専属奴隷だから主人の命令以外は寝てはいけないと思った。
だからその前に殺した。ごめんね。
わたしは奇妙にも何も感じなかった。
ああわたしも人殺しになったんだ。ろくでなしだ。
わたしは奇妙にも爽快で頭が突き抜けたような感じなのだ。嗚呼今ならなんでもできる感じがする。なんだろう。この幼児的な万能感は・・。
いやあね。恥ずかしい・・。でもわたしは自然ににっこりとあどけなくキリルに笑顔を向けることができた。
キリルはわたしの笑顔を見て、かすかに目をすがめた。
「あんた・・その笑顔は異常者やおかしなものを引き寄せる餌みたいなもんだよ。ふーん。ユンが気に入るのもわかるな。あんたその気になったら傾城の娼婦になれるかもしれねえよ。」
まあ・・そんなたいそれた女になれるだなんでわたしはおかしくて笑ってしまった。
嗚呼・・でもユンは大丈夫だろうか?
わたしは主人の事を尋ねると、キリルは顔を僅かにしかめて首を振った。
「あいつは天才だがその分不安定なんだ。薬を過剰服用していつもより残酷に任務を果たした。しかし頭が完全にイッテイてな、情欲と凶暴性が止まらなかったんだよ。俺でさえもぞっとしたぜ。仲間が数人止めようとしたが殺された。馬鹿な奴らだよ。怪物に刃向かうから・・。まあ金で結ばれた仲間だからまた新しいのがくるけどな・・。」
うんざりとしたようにキリルは肩を落とした。
まあどこの世界でも上司は大変なのね・・。気の毒に・・。でもそれは貴方が決めた道だわ。
わたしは主人ユンのほうが大事なの。
「主人ユン様は・・どうなるのでしょうか?処分されるのですか・・?」
「いいや、ユンは組織に多大な貢献と恩恵を与えた。これぐらいのトラブルなど処分には至らない。しかしユンはしばらく使い物にならない。その間、ユンの奴隷であるお前が、一人や二人 人を殺せ。代理でやれ。」
なるほどね。使える者は徹底的に使う方針かあ・・。
いいでしょう・・。死人だし、若返った喜びもあることだし、ユン様のために人を殺すなんて大したことはない。
嗚呼でも赤ん坊や子供は嫌だな・・。
わたしはその事を言うと・・キリルは妙に嘲りの笑みを浮かべた。
「へえ・・ユンの奴隷だからどんないかれた女かと思ったら、意外とまともなところもあるんだな。」
「どうして真っ当な奴らは赤ん坊や子供を殺すのを躊躇うのかね。ほとんどがろくでもない悪党や、屑になるだけなのにね・・。女ってやつはわからねえな。」
「・・まっさらな未来があるからじゃないかな・・。わたしのように終わった人にとってはやはりどこか禁忌があるのよ・・。」
「ふーん。俺にとってどれも同じにしか見えないよ・・。」
キリルは虚無の顔を浮かべて無感動に呟いた。
嗚呼・・この人は大切な人もいないんだ。なんか少し寂しいけどそれが貴方の生き方だから仕方がないよね。
でもわたしはユンに会ってしまったし、もう主人と決めたから忠誠することにしたの。
依存かもしれない・・。でもね。綺麗だと思ったのはユンがはじめてなの。
わたしはキリルの命令通り、下品なほどに赤い口紅を引いて、爪も真っ赤にして露出が凄い娼婦にみえる服装をした。化粧も隊員の一人がやってくれた。慣れないからだ。とても上手い化粧だ。
なんでもできるのね・・。
わたしは暗殺するための娼婦として、標的に送られた。
さあはじめての人殺しだ。
ごめんね。わたしは心の中で呟いて、見知らぬ情欲に満ちた男と寝る前に、隙を見て音がしない銃を頭に向けて撃った。それだけで男は呆然とした顔で頭に大きな穴が開いて血が出た。呆気ない最期だ
嗚呼こんなものなんだ。呆気ない。
ごめんね。せっかく気持ちよくなろうとしていたお楽しみの時間が最期の時間になってしまったね。
寝てやればよかったろうか?でもわたしはユンの専属奴隷だから主人の命令以外は寝てはいけないと思った。
だからその前に殺した。ごめんね。
わたしは奇妙にも何も感じなかった。
ああわたしも人殺しになったんだ。ろくでなしだ。
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