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馬酔木の章
第7話 犯人不明
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結婚式の大量殺人だ。この田舎にとっては大きな醜聞でもある。怪しい人を見かけた人はいっぱいいるだろう。
すぐに犯人が見つかるはずだ。多くの人々の期待は直ぐに打ち砕かれた。
オカシイのだ。いないのだ。目撃者が。
調査している人たちも何か変だなあと怪しみはじめた。だれか一人ぐらいはいるはずなのにな。
まるで黙秘されたように、誰も申し出てなかった。これは相当な圧力がかかっているな。と貴族階級や偉い人が悪戯でやったのだろうか?それにしては残虐だ。
そこまで、被害者は憎まれていたのだろうか? 調査すると、それほど恨まれる人ではない善良な人だったらしい。
婚約者も綺麗なものだった。浮気とかはなかった。
非の打ちどころのない善良な貴族たちが幸福になるはずだったのに・・
それは多くの人にとって何か憂鬱で不安にさえるものであった。どんなに善良でも禍いはいつ来るか分からないのだ。田舎の人々は家の扉と鍵を頑丈にしてくれと職人に多くの注文を寄せた。富裕層は新しい金庫を買った。もしくは別荘へ避難することにした。禍が来ることを恐れてだ。
それは至極当然の行動でもあった。
彼らはしばらく神経を張り詰めてぴりぴりした。
敏感な女は、猫のように威嚇し、ヒステリックになったりして心療の医者に診てもらったりした。
シスター参ったね。教会でひそひそと男と馴染の娼婦たちは話し合った。
皆、怖くてビリビリしているよ。早く犯人が捕まらないと、冤罪や魔女狩りが起きるかも。
そういう暴動が前にもあったっていうし。そうなると、一番立場の弱いあたしらが真っ先に標的になるよ。
そういうところは勘が鋭すぎる女達であった。
シスターも分かっているわ、これはあまりよくない流れだわ。
このまま二次被害がでるよりは、犯人を見つけなければ・・・
ん?と男は首を傾げた。シスター、心あたりはあるのか?
ないわ?でも貴族の結婚するはずだったアセビという令嬢が自殺したの。どうも暴行されていたみたい。
可哀相に。耐えられなかったのね。犯人を見つけてくださいと遺書を残して、首を吊ったの。
親戚の幼馴染の男が泣き崩れながら、遺体を下ろしたようよ。最低ね。最悪だわ。
実は、私復讐してくれる人を知っているの。その人に頼んでみるわ。
殺された人たちの墓場へ連れて行くわ。
男は不思議がった。どうして墓場へ?
復讐してくれる人はね、殺された人たちの遺体を糧に呪力で、花を咲かすの。とても怖い花を咲かして殺した奴らのところへ行かせるの。
そうすれば、殺した奴らは花に殺されるの。
アセビという令嬢もそこに葬られたというし。
貴方は心がまだ弱いから見ない方が良い。私が頼んでみるから。
男は信じられなかった。呪力者。怖い花を咲かす復讐者?お伽噺みたいだ。
でもシスターは嘘を言わない性質だ。
男と娼婦たちはこの事は誰にも言わないようにとシスターと秘密の沈黙の誓いを立てた。
弱い者が生き延びるには、軽口は禁物だ。
シスターはどこかへ行った。しばらくしてシスターは憔悴しきった様子で帰ってきた。
ああよかった。ホッとした。まるで母親や保護者が戻ってきたような子どもの気分だった。
これから1か月ぐらい待ちましょう。呪力者もなかなか連絡がつかないし。とりあえず依頼だけはしたわ。
それから息をひそめるように彼ら弱者は、ひっそりと暮らした。
1か月後,犯人はまた見つからない。やがてシスターはある人と会った。呪力者だ。
シスターは深夜ひっそりと墓場へ連れて行った。
それはまさに怪奇と呼べる現状だった。
男と娼婦たちははこっそりとシスターと呪力者を追いかけて見た。呪力者の血と肉で、墓場に植えた種がみるみる成長し、歯がついた花が生えたのだ。
この花は、殺した奴らに持っていくと呪力者はあっという間に消えた。
夢のようで、呆然と男と娼婦たちはお互いの頬をつねったりした。
なあ、これは現実だよな。
うん・・びっくりした。
シスターの言ったことは本当だったんだ。
男は益々シスターの事を信頼するようになった。
すぐに犯人が見つかるはずだ。多くの人々の期待は直ぐに打ち砕かれた。
オカシイのだ。いないのだ。目撃者が。
調査している人たちも何か変だなあと怪しみはじめた。だれか一人ぐらいはいるはずなのにな。
まるで黙秘されたように、誰も申し出てなかった。これは相当な圧力がかかっているな。と貴族階級や偉い人が悪戯でやったのだろうか?それにしては残虐だ。
そこまで、被害者は憎まれていたのだろうか? 調査すると、それほど恨まれる人ではない善良な人だったらしい。
婚約者も綺麗なものだった。浮気とかはなかった。
非の打ちどころのない善良な貴族たちが幸福になるはずだったのに・・
それは多くの人にとって何か憂鬱で不安にさえるものであった。どんなに善良でも禍いはいつ来るか分からないのだ。田舎の人々は家の扉と鍵を頑丈にしてくれと職人に多くの注文を寄せた。富裕層は新しい金庫を買った。もしくは別荘へ避難することにした。禍が来ることを恐れてだ。
それは至極当然の行動でもあった。
彼らはしばらく神経を張り詰めてぴりぴりした。
敏感な女は、猫のように威嚇し、ヒステリックになったりして心療の医者に診てもらったりした。
シスター参ったね。教会でひそひそと男と馴染の娼婦たちは話し合った。
皆、怖くてビリビリしているよ。早く犯人が捕まらないと、冤罪や魔女狩りが起きるかも。
そういう暴動が前にもあったっていうし。そうなると、一番立場の弱いあたしらが真っ先に標的になるよ。
そういうところは勘が鋭すぎる女達であった。
シスターも分かっているわ、これはあまりよくない流れだわ。
このまま二次被害がでるよりは、犯人を見つけなければ・・・
ん?と男は首を傾げた。シスター、心あたりはあるのか?
ないわ?でも貴族の結婚するはずだったアセビという令嬢が自殺したの。どうも暴行されていたみたい。
可哀相に。耐えられなかったのね。犯人を見つけてくださいと遺書を残して、首を吊ったの。
親戚の幼馴染の男が泣き崩れながら、遺体を下ろしたようよ。最低ね。最悪だわ。
実は、私復讐してくれる人を知っているの。その人に頼んでみるわ。
殺された人たちの墓場へ連れて行くわ。
男は不思議がった。どうして墓場へ?
復讐してくれる人はね、殺された人たちの遺体を糧に呪力で、花を咲かすの。とても怖い花を咲かして殺した奴らのところへ行かせるの。
そうすれば、殺した奴らは花に殺されるの。
アセビという令嬢もそこに葬られたというし。
貴方は心がまだ弱いから見ない方が良い。私が頼んでみるから。
男は信じられなかった。呪力者。怖い花を咲かす復讐者?お伽噺みたいだ。
でもシスターは嘘を言わない性質だ。
男と娼婦たちはこの事は誰にも言わないようにとシスターと秘密の沈黙の誓いを立てた。
弱い者が生き延びるには、軽口は禁物だ。
シスターはどこかへ行った。しばらくしてシスターは憔悴しきった様子で帰ってきた。
ああよかった。ホッとした。まるで母親や保護者が戻ってきたような子どもの気分だった。
これから1か月ぐらい待ちましょう。呪力者もなかなか連絡がつかないし。とりあえず依頼だけはしたわ。
それから息をひそめるように彼ら弱者は、ひっそりと暮らした。
1か月後,犯人はまた見つからない。やがてシスターはある人と会った。呪力者だ。
シスターは深夜ひっそりと墓場へ連れて行った。
それはまさに怪奇と呼べる現状だった。
男と娼婦たちははこっそりとシスターと呪力者を追いかけて見た。呪力者の血と肉で、墓場に植えた種がみるみる成長し、歯がついた花が生えたのだ。
この花は、殺した奴らに持っていくと呪力者はあっという間に消えた。
夢のようで、呆然と男と娼婦たちはお互いの頬をつねったりした。
なあ、これは現実だよな。
うん・・びっくりした。
シスターの言ったことは本当だったんだ。
男は益々シスターの事を信頼するようになった。
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