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第七十五話
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「すげー九尾! めっちゃかっこいいじゃん! モデルの中でも一番目立ってるぞ」
「ありがとう」
「で、今日の撮影は……」
そう言いかけた時、撮影スタッフの大声に遮られてしまった。
「はーい、じゃあシューティング始めますので、よろしくお願いしまーす!」
「あ……すまない、晴斗。また後で」
「あ、ああ……」
スタスタと輪の中に入ってしまう九尾。そして当たり前のようにカメラの前に立ち、カメラマンの指示通りにポーズを決め始めた。
「…………」
たくましくなったな、と思った。以前はどこに行くにも後ろからついてきた九尾が、今は自分の目の前で活躍している。たくさんの人に注目されて、その中心でスポットライトを浴びている。顔つきにも自信が出て来て、どんどん美しくかっこよくなっていた。
――九尾……。
彼は今、玉藻前に会うために頑張っている。その目的を考えれば、ああして活躍しているのは喜ばしいことなのだが、個人的には――かなり正直なことを言えば――複雑な気分にならなくもなかった。多数の雑誌に載って知名度が上がれば上がるほど、九尾がだんだん遠い存在になっていくみたいで……。
「晴斗」
夕方近くになり、ようやく撮影が終わった。私服に着替えていつもの格好に戻った九尾が、こちらに寄ってきた。
「すまない、かなり長い間待たせてしまって」
「いや、お前こそ長い間撮影頑張ってただろ。お疲れさん。ご褒美に、いなり寿司専門店のおいなりさん買いに行くか?」
「いなり寿司専門店? そんな店があるのか?」
「ああ。スカイツリーの近くにあるらしいぞ。いつか行こうと思って調べておいたんだ」
「そうなのか。どんないなり寿司があるんだろう……」
九尾が顔を綻ばせていると、一緒に撮影していたモデルの一人が声をかけてきた。
「ありがとう」
「で、今日の撮影は……」
そう言いかけた時、撮影スタッフの大声に遮られてしまった。
「はーい、じゃあシューティング始めますので、よろしくお願いしまーす!」
「あ……すまない、晴斗。また後で」
「あ、ああ……」
スタスタと輪の中に入ってしまう九尾。そして当たり前のようにカメラの前に立ち、カメラマンの指示通りにポーズを決め始めた。
「…………」
たくましくなったな、と思った。以前はどこに行くにも後ろからついてきた九尾が、今は自分の目の前で活躍している。たくさんの人に注目されて、その中心でスポットライトを浴びている。顔つきにも自信が出て来て、どんどん美しくかっこよくなっていた。
――九尾……。
彼は今、玉藻前に会うために頑張っている。その目的を考えれば、ああして活躍しているのは喜ばしいことなのだが、個人的には――かなり正直なことを言えば――複雑な気分にならなくもなかった。多数の雑誌に載って知名度が上がれば上がるほど、九尾がだんだん遠い存在になっていくみたいで……。
「晴斗」
夕方近くになり、ようやく撮影が終わった。私服に着替えていつもの格好に戻った九尾が、こちらに寄ってきた。
「すまない、かなり長い間待たせてしまって」
「いや、お前こそ長い間撮影頑張ってただろ。お疲れさん。ご褒美に、いなり寿司専門店のおいなりさん買いに行くか?」
「いなり寿司専門店? そんな店があるのか?」
「ああ。スカイツリーの近くにあるらしいぞ。いつか行こうと思って調べておいたんだ」
「そうなのか。どんないなり寿司があるんだろう……」
九尾が顔を綻ばせていると、一緒に撮影していたモデルの一人が声をかけてきた。
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