市川先生の大人の補習授業

夢咲まゆ

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夏休み編

第25話

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「しょうがねぇな。まあ、こっちも上物だし……たっぷり可愛がってやろうぜ」
「っ……!」

 顔にかすり傷のある男が、舌なめずりしながらこちらに迫ってきた。風車をぶつけられた分もまとめていたぶってやろうと考えているようだ。

 こんなヤツらに乱暴されるわけにはいかない。

 夏樹は掴まれていた袖を思いっきり振り回した。勢いで袖が裂け、袂が外れた。

 その隙をつき、急いで神社の境内に逃げ込んだ。

「あっ! 待てコラ!」

 男どもがバタバタと追いかけてくる。

 必死に走ったけれど、靴擦れができている足では上手く走れず、あっという間に追いつかれてしまった。

「こいつ! もう逃がさねぇぞ!」
「あっ!」

 後ろから肩を掴まれ、叫ぼうとした矢先に頬を叩かれる。

 痛みに怯んだ隙にひょいと身体を担ぎ上げられ、夏樹は手足をばたつかせた。はずみで下駄がどこかに飛んで行ってしまった。

「放せっ! 放せよっ!」

 タイミング悪く、ドーン、という音が聞こえてきた。夜空に色鮮やかな花が咲いた。花火が始まってしまったようだ。

 夏樹の悲鳴は、夜空の大輪に掻き消された。

「うわっ……!」

 ワゴンタイプの車に放り込まれ、ピシャリとドアを閉められてしまう。後ろの座席は予め全て倒されており、広めのスペースが出来上がっていた。

「いやだ! 触るなっ!」

 身体を捩ってなんとか男たちから逃れようとしたけれど、両腕を頭上で押さえられ、身動きがとれなくなる。

「げへへ……勇ましい姉ちゃんだ。たっぷり可愛がってやるからな」
「っ……!」

 知らない男たちに組み敷かれ、全身から冷や汗が噴き出してきた。恐怖と緊張で心拍数が急上昇し、無意識に奥歯がカチカチ鳴り始める。
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