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冬休み編
第20話
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クリスマス当日というだけあって、道路はどこも混雑していた。
いつものホームセンターに行くのにも随分時間がかかってしまったが、夏樹にとっては楽しい時間だった。市川と他愛のない話をしていると、なんとなく元気になれるような気がした。
「それで夏樹、次は何を育てる予定なんだ?」
ホームセンターの菜園コーナーを見ていたら、市川が声をかけてきた。
どうせ育てるなら食べられるものがいいと思い、夏樹はミニトマトの種を手に取った。
「この種一袋買ったら、どのくらいのミニトマトが採れるんですかね?」
「いや、それは育ててみないとわからないんじゃないか? 普通に世話すれば、ある程度の収穫は見込めると思うけどさ。というか、家庭菜園をやるつもりなら近所の畑借りてみる?」
「……いや、さすがにそんな本格的なものはできないので」
いずれは本格的な土いじりもやってみたいが、いきなりそれはハードルが高い。まずは手軽な植木鉢でミニトマトやパセリを育てるのがいいだろう。
ポイポイと市川に預けた買い物カゴに種を放り込み、ついでに必要な肥料やプランターも買い込んだ。もちろん、全部市川の奢りである。
一通りの道具をカゴに入れ、スマホを取り出して時間を確認した。
次の瞬間、さっと血の気が引いた。
(あっ……)
いつものホームセンターに行くのにも随分時間がかかってしまったが、夏樹にとっては楽しい時間だった。市川と他愛のない話をしていると、なんとなく元気になれるような気がした。
「それで夏樹、次は何を育てる予定なんだ?」
ホームセンターの菜園コーナーを見ていたら、市川が声をかけてきた。
どうせ育てるなら食べられるものがいいと思い、夏樹はミニトマトの種を手に取った。
「この種一袋買ったら、どのくらいのミニトマトが採れるんですかね?」
「いや、それは育ててみないとわからないんじゃないか? 普通に世話すれば、ある程度の収穫は見込めると思うけどさ。というか、家庭菜園をやるつもりなら近所の畑借りてみる?」
「……いや、さすがにそんな本格的なものはできないので」
いずれは本格的な土いじりもやってみたいが、いきなりそれはハードルが高い。まずは手軽な植木鉢でミニトマトやパセリを育てるのがいいだろう。
ポイポイと市川に預けた買い物カゴに種を放り込み、ついでに必要な肥料やプランターも買い込んだ。もちろん、全部市川の奢りである。
一通りの道具をカゴに入れ、スマホを取り出して時間を確認した。
次の瞬間、さっと血の気が引いた。
(あっ……)
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