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春休み編
第38話
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またしばらく会えなくなるのだから、この機に言いたいことは全部言ってしまいたい。せっかく翔太が気を利かせてくれたのに、このまま「はい、さようなら」と別れてしまうのはもったいない。
「先生……」
「ん? どうした?」
さんざん迷った挙句、夏樹の口から出て来たのはごくシンプルな言葉だった。
「……浮気、しないでくださいね」
「するわけないだろ。俺は最初から夏樹一筋なんだぞ?」
「それでも心配になるんです。先生、変態だけど見た目はいいし……次期家元って肩書きもあるから、変な人が寄ってくるんじゃないかって」
「誰も来ないよ。もし誰かに言い寄られても、『俺にはちゃんと恋人がいます』って断るからさ」
「そりゃそうでしょうけど……」
「大丈夫だよ。夏樹が心配することは何もない。俺はずっと夏樹のことが好きだから、ちょっとくらい離れてても気持ちは変わらないよ」
「……祐介さんが側にいても、ですか?」
「え? なんでそこに祐介が出てくるんだ?」
「それは……その……」
夏樹はチラリと市川を見た。そして俯きがちに呟いた。
「……祐介さん、多分先生のこと好きだから」
「そりゃあな……祐介は弟だし、一緒に育ってきた家族だし。好きは好きだけど、そういう感情はないと思うぞ」
「……そうですかね。俺には、弟以外の感情がある気がしてならないんですけど」
「なんでそう思うんだよ?」
「恋人のカンです」
そう言い切ったら、市川がポカンと口を開けた。
この際だからと、夏樹は開き直って答えた。
「先生……」
「ん? どうした?」
さんざん迷った挙句、夏樹の口から出て来たのはごくシンプルな言葉だった。
「……浮気、しないでくださいね」
「するわけないだろ。俺は最初から夏樹一筋なんだぞ?」
「それでも心配になるんです。先生、変態だけど見た目はいいし……次期家元って肩書きもあるから、変な人が寄ってくるんじゃないかって」
「誰も来ないよ。もし誰かに言い寄られても、『俺にはちゃんと恋人がいます』って断るからさ」
「そりゃそうでしょうけど……」
「大丈夫だよ。夏樹が心配することは何もない。俺はずっと夏樹のことが好きだから、ちょっとくらい離れてても気持ちは変わらないよ」
「……祐介さんが側にいても、ですか?」
「え? なんでそこに祐介が出てくるんだ?」
「それは……その……」
夏樹はチラリと市川を見た。そして俯きがちに呟いた。
「……祐介さん、多分先生のこと好きだから」
「そりゃあな……祐介は弟だし、一緒に育ってきた家族だし。好きは好きだけど、そういう感情はないと思うぞ」
「……そうですかね。俺には、弟以外の感情がある気がしてならないんですけど」
「なんでそう思うんだよ?」
「恋人のカンです」
そう言い切ったら、市川がポカンと口を開けた。
この際だからと、夏樹は開き直って答えた。
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