333 / 393
体育祭編
第49話*
しおりを挟む
「よし、ここなら大丈夫だな。というわけで夏樹、早速ヤろうぜ」
「ヤろうぜじゃないっ! 少しは時と場所を考え……んっ」
そう怒鳴ろうとしたのだが、市川に唇を塞がれてしまったので、それ以上言うことができなかった。
下唇に噛みつかれ、怯んだ隙に舌を入れられ、逃げ回る舌を絡め取られる。濡れた粘膜同士がぴちゃ、と擦れ合い、相手の呼気が直接頬に触れて、反射的に背筋がぞくぞくしてくる。身体の力も抜け、体温も上がっていく中で、夏樹は徐々に諦めモードに入っていた。
「んんぅ……んっ、ふ……あっ」
長くて濃厚なキスが終わり、ようやく唇が離れていった。
肩で大きく息をしながら市川を見上げたら、彼はさも嬉しそうな顔をして言った。
「ありがとな、夏樹。あんなに俺を想ってくれて」
「っ……! あ、あれは、その……つい勢いで言っちゃっただけで」
「それでも嬉しかったんだよ。夏樹、いつも憎まれ口ばっかりでああいうこと滅多に言ってくれないもんな」
「それは……」
「……この際だからぶっちゃけると、時々ちょっとだけ不安になるんだ。夏樹は本当に俺のこと好きなのかなぁってさ」
「えっ……?」
ポカンとしていると机に仰向けに押し倒されて、真上からまじまじと見下ろされた。端整な顔と目が合って、ついドキッとしてしまう。
「ヤろうぜじゃないっ! 少しは時と場所を考え……んっ」
そう怒鳴ろうとしたのだが、市川に唇を塞がれてしまったので、それ以上言うことができなかった。
下唇に噛みつかれ、怯んだ隙に舌を入れられ、逃げ回る舌を絡め取られる。濡れた粘膜同士がぴちゃ、と擦れ合い、相手の呼気が直接頬に触れて、反射的に背筋がぞくぞくしてくる。身体の力も抜け、体温も上がっていく中で、夏樹は徐々に諦めモードに入っていた。
「んんぅ……んっ、ふ……あっ」
長くて濃厚なキスが終わり、ようやく唇が離れていった。
肩で大きく息をしながら市川を見上げたら、彼はさも嬉しそうな顔をして言った。
「ありがとな、夏樹。あんなに俺を想ってくれて」
「っ……! あ、あれは、その……つい勢いで言っちゃっただけで」
「それでも嬉しかったんだよ。夏樹、いつも憎まれ口ばっかりでああいうこと滅多に言ってくれないもんな」
「それは……」
「……この際だからぶっちゃけると、時々ちょっとだけ不安になるんだ。夏樹は本当に俺のこと好きなのかなぁってさ」
「えっ……?」
ポカンとしていると机に仰向けに押し倒されて、真上からまじまじと見下ろされた。端整な顔と目が合って、ついドキッとしてしまう。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
603
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる