転生したらいろんな意味で兄に可愛がられています~ヴァルハラで死合いましょう~

夢咲まゆ

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第3章~新たなる試練~

第166話

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「なあピピ、ちょっとそこにいてくれないか?」
「ぴ?」
「うさぎの木彫りを作ってみようかと思って。最初だからあまり上手くいかないかもしれないけど……」
「ぴー!」

 任せろ、と胸を張るやいなや、一旦部屋に駆け戻り、作ったばかりの寝床を引っ張ってくる。それをベランダに敷き、ごろんと寝そべり始めた。自分はここにいるから、好きなだけモデルにしてね……と言っているみたいだ。

「ありがとう、ピピ」

 アクセルは早速小刀を構え、丸太の端から少しずつ削っていった。

 最初は硬くて削りづらかったが、根気よく回りの皮を取り除き、剥き出しになった木肌を丸く削ってうさぎの胴体を作る。

 ――って、ここからどうやって耳をつければいいんだ?

 別の木で耳を作って接着剤でくっつけるのか? いや、それはないか。木彫りの像は何度か見たことがあるが、パーツの繋ぎ目などなかった。

 ということは、うさぎの耳、顔、胴体、足、尻尾を全部この丸太で削らなきゃいけないということで……。

 ――結構難しくないか、それ……。

 しかも、元の丸太よりかなり小さくなりそうだ。少なくとも、実物大のピピを作るには、その倍くらいの大きさの丸太を用意しなければならない気がする。

「でも、うちにそんな大きな丸太はないしな……」
「ぴ?」
「なあピピ、木彫りって意外と難しいぞ。ヒマだからやるけど」
「ぴー」
「今度は木から探して来ないとダメかもな」

 少なくとも、暖炉用の堅い木でやるべきではない。削りづらいし、乾いているので作業中にヒビが入りやすくなる。

 最初だし、マスコット的な可愛いうさぎにしよう。手足をつけたら絶対難しい。
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