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第5章~神々の国へ~
第3話
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アクセルは真っ直ぐゲートに歩いていった。振り返ることはなかった。今生の別れではないし、すぐまた帰って来られると思ったのだ。
――帰ったら、兄上と暮らす準備をしてみよう。
ベッドを新調するとか、家具・食器を買い換えるとか。いや、それ以前にどのくらいランクを上げれば同居が許されるのか調べないと……。
帰った時の楽しみをあれこれ考えながら、アクセルはゲートをくぐった。
数歩歩いたところで出口が見えてきた。ゲートを抜け出て、周囲を見回してみる。
到着した場所は、ヴァルハラとさほど変わらなかった。世界樹・ユグドラシルも――全ての世界を貫いて存在しているだけあって――ゲートのすぐ側に佇んでいる。同じアース神族の世界だから、文明的な差はあまりないのかもしれない。
「ああ、もしかしてきみかな?」
ゲートを出てすぐに、とある人物に声をかけられた。アクセルはそちらに目をやった。
「えっ……?」
思わず小さく声が漏れる。
その人物は……何というか、たった今別れてきた兄によく似ていたからだ。
もちろん、似ているというだけで別人なのはわかっている。
が、金色の髪といい、青い目といい、美しい容姿といい、ふんわりした雰囲気といい、思った以上に兄・フレインとの共通点が多かったのだ。
彼は胸元に軽く手を当てて、言った。
――帰ったら、兄上と暮らす準備をしてみよう。
ベッドを新調するとか、家具・食器を買い換えるとか。いや、それ以前にどのくらいランクを上げれば同居が許されるのか調べないと……。
帰った時の楽しみをあれこれ考えながら、アクセルはゲートをくぐった。
数歩歩いたところで出口が見えてきた。ゲートを抜け出て、周囲を見回してみる。
到着した場所は、ヴァルハラとさほど変わらなかった。世界樹・ユグドラシルも――全ての世界を貫いて存在しているだけあって――ゲートのすぐ側に佇んでいる。同じアース神族の世界だから、文明的な差はあまりないのかもしれない。
「ああ、もしかしてきみかな?」
ゲートを出てすぐに、とある人物に声をかけられた。アクセルはそちらに目をやった。
「えっ……?」
思わず小さく声が漏れる。
その人物は……何というか、たった今別れてきた兄によく似ていたからだ。
もちろん、似ているというだけで別人なのはわかっている。
が、金色の髪といい、青い目といい、美しい容姿といい、ふんわりした雰囲気といい、思った以上に兄・フレインとの共通点が多かったのだ。
彼は胸元に軽く手を当てて、言った。
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