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第5章~神々の国へ~
第49話
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――そう言えば兄上、「昔は治安がよくなかった」って言ってたような……?
ということは、兄はヴァルハラが徐々に改革されていくのを、目の当たりにしている可能性がある。兄自身はそういった昔話をほとんどしてくれなかったが、この際だからじっくり聞いてみるのも悪くない。
……いや、今は直接話す手段がないのだけれど。
――また手紙を書いてみるか……。
今日の分はもう書いてしまったから、明日の分に回してみよう。
というか、こういうことは手紙でちまちまやり取りするのではなく、直接話して詳しく聞きたいところだ。
「そう言えば、きみのお兄さんは今ヴァルハラにいるんだよね?」
と、バルドルが聞いてくる。
「戦士になって何年くらい経ってるの?」
「ええと、少なくとも十年以上は経っていますが」
「そっか。十年だと戦士としてはまだ新人の方なのかな? あそこには一〇〇年超えのベテラン戦士もたくさんいるもんね」
「……そうなんですか? 俺は誰がどのくらいの年季が入ってるか、あまり聞いたことがないので……」
「おや、きみはそういうことに興味がないの?」
「いえ、その……今までは兄に追いつくことで必死だったので……」
言外に「他のことに興味を持つ余裕がありませんでした」と言ったら、バルドルに軽く笑われた。
彼は頬杖をついて、言った。
ということは、兄はヴァルハラが徐々に改革されていくのを、目の当たりにしている可能性がある。兄自身はそういった昔話をほとんどしてくれなかったが、この際だからじっくり聞いてみるのも悪くない。
……いや、今は直接話す手段がないのだけれど。
――また手紙を書いてみるか……。
今日の分はもう書いてしまったから、明日の分に回してみよう。
というか、こういうことは手紙でちまちまやり取りするのではなく、直接話して詳しく聞きたいところだ。
「そう言えば、きみのお兄さんは今ヴァルハラにいるんだよね?」
と、バルドルが聞いてくる。
「戦士になって何年くらい経ってるの?」
「ええと、少なくとも十年以上は経っていますが」
「そっか。十年だと戦士としてはまだ新人の方なのかな? あそこには一〇〇年超えのベテラン戦士もたくさんいるもんね」
「……そうなんですか? 俺は誰がどのくらいの年季が入ってるか、あまり聞いたことがないので……」
「おや、きみはそういうことに興味がないの?」
「いえ、その……今までは兄に追いつくことで必死だったので……」
言外に「他のことに興味を持つ余裕がありませんでした」と言ったら、バルドルに軽く笑われた。
彼は頬杖をついて、言った。
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