646 / 2,483
第6章~ラグナロクの始まり~
第59話
しおりを挟む
「少し考えてたんだ」
「何を?」
「ホズ様は、あの時どんな気持ちでヤドリギを投げたのかって……」
「どんなって……」
「使ってみてわかったんだが、このヤドリギは強い感情がないと反応しないんだ。しかも負の感情の方が圧倒的に反応しやすい」
懐に入れていたヤドリギを取り出してみる。今はただの種として、おとなしくしているが……。
「バルドル様もホズ様も、お互いを想い合ういい兄弟だった。端から見ていても、羨ましくなるくらい仲良しだった。それなのに、ホズ様が投げた途端変形するなんて……」
「…………」
「それってホズ様が、その……バルドル様を……」
「『腹立たしい』と思ってた?」
「う……」
「そりゃ、どんなに仲のいい兄弟だって、少なからず思うところはあるでしょうよ。時に『腹立たしい』とか『面白くない』とか感じることはあるって」
あまりに当たり前のように言うので、アクセルは驚愕して兄を見た。
兄は至極当然のように続けた。
「お前だって、私にイラッとすることあるじゃないか。だからさっきヤドリギが反応したんでしょ。そんなの全然不思議じゃないし、感情を持ってる生き物なら当たり前のことだよ」
「そ、それはそうだけど、さすがに殺すほどではないんじゃ……」
動揺しているのを畳みかけるように、真顔でこんなことを言われてしまう。
「何を?」
「ホズ様は、あの時どんな気持ちでヤドリギを投げたのかって……」
「どんなって……」
「使ってみてわかったんだが、このヤドリギは強い感情がないと反応しないんだ。しかも負の感情の方が圧倒的に反応しやすい」
懐に入れていたヤドリギを取り出してみる。今はただの種として、おとなしくしているが……。
「バルドル様もホズ様も、お互いを想い合ういい兄弟だった。端から見ていても、羨ましくなるくらい仲良しだった。それなのに、ホズ様が投げた途端変形するなんて……」
「…………」
「それってホズ様が、その……バルドル様を……」
「『腹立たしい』と思ってた?」
「う……」
「そりゃ、どんなに仲のいい兄弟だって、少なからず思うところはあるでしょうよ。時に『腹立たしい』とか『面白くない』とか感じることはあるって」
あまりに当たり前のように言うので、アクセルは驚愕して兄を見た。
兄は至極当然のように続けた。
「お前だって、私にイラッとすることあるじゃないか。だからさっきヤドリギが反応したんでしょ。そんなの全然不思議じゃないし、感情を持ってる生き物なら当たり前のことだよ」
「そ、それはそうだけど、さすがに殺すほどではないんじゃ……」
動揺しているのを畳みかけるように、真顔でこんなことを言われてしまう。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
802
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる