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第6章~ラグナロクの始まり~
第142話
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だけど、ラグナロクにはそれがない。最終的に全てが滅ぼされるのなら、例え戦いに生き延びたところでその先はない。
だとすれば、自分たちは一体何のために戦わされているのだろう……。
兄が苦い表情で言った。
「死の予言を覆せれば簡単なんだけどね……。まあとにかく、オーディン様の都合で滅ぼされるわけにはいかないからさ、どうにかしないと」
「予言を覆す……?」
アクセルははたと前を向いた。
そうか、ラグナロクが起こったのも元を正せばオーディンが「ラグナロクでフェンリルに飲み込まれて死ぬ」という予言を受けたからだ。その予言があったからオーディンは、地上の強者を眷属としてヴァルハラに集め、戦力増強に努めていたのだ。
けれど予言通りラグナロクは起こり、神々と巨人族が潰し合うという不毛な争いに発展している……。
ならば、その予言そのものを覆してやればいいのではないか。オーディンを死の恐怖から解放してやればいいのではないか。
そうすれば、この不毛な争いも終わる。再び平和な世界に戻る。
アクセルは顔を上げ、言った。
「兄上、予言を覆すにはどうしたらいいんだろう」
「ええ? そんなのわからないよ。というか、それができるんならオーディン様だって最初からこんなことしないんじゃない?」
だとすれば、自分たちは一体何のために戦わされているのだろう……。
兄が苦い表情で言った。
「死の予言を覆せれば簡単なんだけどね……。まあとにかく、オーディン様の都合で滅ぼされるわけにはいかないからさ、どうにかしないと」
「予言を覆す……?」
アクセルははたと前を向いた。
そうか、ラグナロクが起こったのも元を正せばオーディンが「ラグナロクでフェンリルに飲み込まれて死ぬ」という予言を受けたからだ。その予言があったからオーディンは、地上の強者を眷属としてヴァルハラに集め、戦力増強に努めていたのだ。
けれど予言通りラグナロクは起こり、神々と巨人族が潰し合うという不毛な争いに発展している……。
ならば、その予言そのものを覆してやればいいのではないか。オーディンを死の恐怖から解放してやればいいのではないか。
そうすれば、この不毛な争いも終わる。再び平和な世界に戻る。
アクセルは顔を上げ、言った。
「兄上、予言を覆すにはどうしたらいいんだろう」
「ええ? そんなのわからないよ。というか、それができるんならオーディン様だって最初からこんなことしないんじゃない?」
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