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第12章~不穏な空気~
第131話
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かつては手のひらに乗っかるほど小さくて、オオカミが現れると脅えて隠れてしまうようなうさぎだったのに。それが自ら狩りの手伝いを名乗り出るとか、随分たくましくなったものだ。身体が大きくなったのもあるだろうが、番犬並みの頼もしさがある。
微笑みつつ、アクセルは隣を歩いているピピを撫でた。
「ありがとう、ピピ。じゃあ今度狩りに行く時はついてきてくれ。頼りにしてるよ」
「ぴー♪」
「さて、いつ行こうかな……。なるべく早い方がいいけど……明日はダメだし、明後日は……。そういや、次の死合いっていつだったっけ……」
一人でブツブツ言いながら、庭を歩き回る。
そうしてウォーキングを続けていたら陽がだんだん傾いてきたので、家に戻って夕食の準備をした。兄の好きなステーキ用の肉を切らしていたので、干し肉を切り刻んでシチューにした。本当に、よく食べる人が家にいると食料がすぐなくなる。
「ねえ、これ味見しちゃダメかな」
兄が豆のスープが入った鍋を覗き込み、チラチラとこちらに視線を送ってきた。もうすぐ食事も出来上がるんだから、それまでおとなしく待っていて欲しい。
さすがに呆れてしまい、アクセルは溜息混じりに答えた。
「……それはアロイスに届けるスープだぞ。ダメに決まってるだろ」
「でも、味見をして確かめておいた方がいいじゃない?」
「兄上は『味見』と称してがっつり食べちゃうからダメだ。それに、味見はもう俺がしておいたから問題ない」
「えー……?」
微笑みつつ、アクセルは隣を歩いているピピを撫でた。
「ありがとう、ピピ。じゃあ今度狩りに行く時はついてきてくれ。頼りにしてるよ」
「ぴー♪」
「さて、いつ行こうかな……。なるべく早い方がいいけど……明日はダメだし、明後日は……。そういや、次の死合いっていつだったっけ……」
一人でブツブツ言いながら、庭を歩き回る。
そうしてウォーキングを続けていたら陽がだんだん傾いてきたので、家に戻って夕食の準備をした。兄の好きなステーキ用の肉を切らしていたので、干し肉を切り刻んでシチューにした。本当に、よく食べる人が家にいると食料がすぐなくなる。
「ねえ、これ味見しちゃダメかな」
兄が豆のスープが入った鍋を覗き込み、チラチラとこちらに視線を送ってきた。もうすぐ食事も出来上がるんだから、それまでおとなしく待っていて欲しい。
さすがに呆れてしまい、アクセルは溜息混じりに答えた。
「……それはアロイスに届けるスープだぞ。ダメに決まってるだろ」
「でも、味見をして確かめておいた方がいいじゃない?」
「兄上は『味見』と称してがっつり食べちゃうからダメだ。それに、味見はもう俺がしておいたから問題ない」
「えー……?」
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