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第13章~獣化の秘密~
第46話
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――眠れない……。
目は閉じているのに、頭は不安で覚醒してしまって全然寝付けない。
兄はどうしているのか、いつ帰ってくるのか、治療は順調なのか……みたいな、考えても仕方がないことばかり頭に浮かび、また目頭が熱くなってきた。
とうとう我慢できず、アクセルはガバッと起き上がって自分の枕を掴んだ。そして庭に出て、新しく作ったピピのうさぎ小屋を訪ねた。
「ピピ、ちょっといいか?」
「……ぴ?」
「今夜は一緒に寝ていいかな……? 一人じゃ眠れそうにないんだ」
「ぴ……」
「いい大人が、みっともないのはわかってる。でもこのままじゃ、朝まで一睡もできなさそうで……」
「ぴー♪」
するとピピは「ようこそ!」とでも言うかのように、小屋の隅に寄ってスペースを空けてくれた。それだけのことだが、涙が出るほど嬉しかった。
「ありがとう。じゃあお邪魔するよ」
少し腰を屈め、小屋の中に入る。そして空けてくれたスペースに枕を置いて横になった。自分が足を延ばしてもまだ余裕があり、隣にピピがいてもさほど窮屈に感じない。我ながら、大きめに小屋を作っておいてよかったと思う。
「ピピ……」
アクセルはゆっくりとピピを撫でながら、呟くように言った。
「俺……兄上がなんで浮気しちゃうのか、ちょっとだけわかった気がする」
「ぴ……?」
目は閉じているのに、頭は不安で覚醒してしまって全然寝付けない。
兄はどうしているのか、いつ帰ってくるのか、治療は順調なのか……みたいな、考えても仕方がないことばかり頭に浮かび、また目頭が熱くなってきた。
とうとう我慢できず、アクセルはガバッと起き上がって自分の枕を掴んだ。そして庭に出て、新しく作ったピピのうさぎ小屋を訪ねた。
「ピピ、ちょっといいか?」
「……ぴ?」
「今夜は一緒に寝ていいかな……? 一人じゃ眠れそうにないんだ」
「ぴ……」
「いい大人が、みっともないのはわかってる。でもこのままじゃ、朝まで一睡もできなさそうで……」
「ぴー♪」
するとピピは「ようこそ!」とでも言うかのように、小屋の隅に寄ってスペースを空けてくれた。それだけのことだが、涙が出るほど嬉しかった。
「ありがとう。じゃあお邪魔するよ」
少し腰を屈め、小屋の中に入る。そして空けてくれたスペースに枕を置いて横になった。自分が足を延ばしてもまだ余裕があり、隣にピピがいてもさほど窮屈に感じない。我ながら、大きめに小屋を作っておいてよかったと思う。
「ピピ……」
アクセルはゆっくりとピピを撫でながら、呟くように言った。
「俺……兄上がなんで浮気しちゃうのか、ちょっとだけわかった気がする」
「ぴ……?」
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