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第16章~里帰り~
第22話
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「お前は何かに夢中になると、すぐに罠にかかる変な癖があるからね。地上では特に気を付けなきゃダメだ。目的を果たすことも大事だけど、『また今度でもいいや』くらいの軽い気持ちでいること。猪突猛進になるとロクなことがないしね」
確かにその通りだ。周りが見えなくなり、致命的なミスをした経験は山ほどある。その度に兄がフォローしてくれて、危ないところを何度も助けてもらった。
自分の都合で地上に下りたのに、また兄に迷惑をかけるわけにはいかない。棺や泉に入れないならなおさらだ。
アクセルはひとつ深呼吸をし、気持ちを落ち着かせて答えた。
「……わかった。肝に銘じるよ」
「よしよし、じゃあアロイスくんの実家を探そうか。距離的には決して遠くないと思うんだけどな」
兄が横から地図を眺めてくる。
アロイスは元木こりらしく、実家も森の近くにあるようだ。今いる森を抜けられれば、実家もすぐに見つかるだろう。
「太陽は……あっちか」
アクセルは木の陰の傾きから、太陽の位置をおおよそ割り出した。時間的に今は夕方間近みたいなので、太陽が落ちている方向が西側ということになる。それを踏まえて地図の向きを合わせれば、どちらに進めばいいかざっくりとわかるはずだ。
「……こっちかな」
「うん、多分そうだね」
と、兄も賛成してくれる。
確かにその通りだ。周りが見えなくなり、致命的なミスをした経験は山ほどある。その度に兄がフォローしてくれて、危ないところを何度も助けてもらった。
自分の都合で地上に下りたのに、また兄に迷惑をかけるわけにはいかない。棺や泉に入れないならなおさらだ。
アクセルはひとつ深呼吸をし、気持ちを落ち着かせて答えた。
「……わかった。肝に銘じるよ」
「よしよし、じゃあアロイスくんの実家を探そうか。距離的には決して遠くないと思うんだけどな」
兄が横から地図を眺めてくる。
アロイスは元木こりらしく、実家も森の近くにあるようだ。今いる森を抜けられれば、実家もすぐに見つかるだろう。
「太陽は……あっちか」
アクセルは木の陰の傾きから、太陽の位置をおおよそ割り出した。時間的に今は夕方間近みたいなので、太陽が落ちている方向が西側ということになる。それを踏まえて地図の向きを合わせれば、どちらに進めばいいかざっくりとわかるはずだ。
「……こっちかな」
「うん、多分そうだね」
と、兄も賛成してくれる。
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