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第16章~里帰り~
第42話
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「……いや、一緒に入れるほど大きな風呂ではないだろ。俺は後でいいから、兄上が先に入ってくれ」
「そうかい? 旅行先でイチャイチャできないのは残念だねぇ」
……などとわけのわからないことをのたまい、兄はその場でサッと服を脱いだ。そしてドボンと風呂に飛び込んだ。
先程子供たちが入っていた時は大丈夫だったのだが、大人が入った途端ザザーッと溢れてこぼれてきた。危うくお湯で風呂の火が消えるところだった。
「明日スープのレシピ覚えたら、ヴァルハラに帰ろうね」
「ああ、そうだな。アロイスにも報告してやりたいし」
その後は、他愛のない会話をしながら質素な風呂を楽しんだ。
***
翌日、アニータは約束通り「豆のスープ」を作ってくれた。
「うちの場合は、最後の仕上げにサワークリームを入れるんだよ。こうすると味が締まって更に美味しくなるのさ」
「なるほど……」
アクセルは彼女が料理するところを隣で見ながら、しっかりとレシピを記憶した。
市場で食べた裏メニューの豆のスープには、最後のサワークリームが入っていなかった。それが味の違いになって、アロイスに「これじゃない」と言われてしまったのだろう。
――でも、もうレシピは覚えたからいくらでも自力で作れるな。
「そうかい? 旅行先でイチャイチャできないのは残念だねぇ」
……などとわけのわからないことをのたまい、兄はその場でサッと服を脱いだ。そしてドボンと風呂に飛び込んだ。
先程子供たちが入っていた時は大丈夫だったのだが、大人が入った途端ザザーッと溢れてこぼれてきた。危うくお湯で風呂の火が消えるところだった。
「明日スープのレシピ覚えたら、ヴァルハラに帰ろうね」
「ああ、そうだな。アロイスにも報告してやりたいし」
その後は、他愛のない会話をしながら質素な風呂を楽しんだ。
***
翌日、アニータは約束通り「豆のスープ」を作ってくれた。
「うちの場合は、最後の仕上げにサワークリームを入れるんだよ。こうすると味が締まって更に美味しくなるのさ」
「なるほど……」
アクセルは彼女が料理するところを隣で見ながら、しっかりとレシピを記憶した。
市場で食べた裏メニューの豆のスープには、最後のサワークリームが入っていなかった。それが味の違いになって、アロイスに「これじゃない」と言われてしまったのだろう。
――でも、もうレシピは覚えたからいくらでも自力で作れるな。
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