転生したらいろんな意味で兄に可愛がられています~ヴァルハラで死合いましょう~

夢咲まゆ

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第20章~トーナメント・第三死合い~

第46話

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「ぴー、ぴー」
「……丸太? これをどうするんだ?」
「ぴー!」

 ガリガリと丈夫な前歯で齧っているピピ。

 比較的柔らかい木材を持ってきたようで、みるみるうちに木肌が削れて白っぽい木目が露わになった。

 それを見て、ようやく合点がいった。

「あ、木彫りか……。そういや随分やってなかったな。すっかり忘れてたよ」
「ぴー」
「久々にちょっとやってみようかな。どうせこれ以上鍛錬もできそうにないしさ」
「ぴー♪」

 ピピも「それがいいよ」とアクセルの側に寝そべり始めた。さも「自分をモデルにしろ」と言っているみたいで、ちょっと笑みがこぼれた。そう言えば、以前も留守番してた時にこんなことがあったなぁ……。

 ――せっかくだし、ピピの木彫りでも作ってみるか。

 ナイフを持ってきて丸太を適当な大きさに削り、ピピのような饅頭型に整えていく。

 形を整えるだけでも結構な時間がかかり、気づいたらいつの間にか陽が傾きかけていた。

「ただいまー」

 玄関先から兄の声が聞こえ、もうそんな時間だっけと顔を上げる。

 時計を見たら五時を少し過ぎたところだった。……仕事にしては解散が早いな?

「ただいま、アクセル。いい子で留守番してた?」
「してたよ。今日はどこにも行ってないしな。……兄上のせいで」
「まあたまにはいいじゃない。ところで何してたの? 木彫り?」
「ああ、久しぶりにちょっとやってみようかと。どうせ外には出られないし、庭で鍛錬もできないしな」

 アクセルは削りかけの丸太を置いて立ち上がった。
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