3 / 20
序章
『神童』の本領
しおりを挟む
「なっ!?」
エルロンドは思わず驚きの声を上げた。たった一合打ち合っただけで目の前の少年が昨日とは別人のように実力をつけていると感じた。
彼の剣にはもはやほとんど隙がない。
「『風装』」
目の前の少年が何かの詠唱をした。瞬間、エルロンドは身体強化魔法の強化倍率を引き上げ、飛び上がる。
レイの剣はエルロンドの背後より迫っていた。
「ほう、これをよけられるとは。さすがだな。まだまだ改良の余地がある。」
レイはエルロンドに正面から語り掛ける。
「なんだと、っ!?ぐわっ!」
レイはエルロンドに踵落としを炸裂させる。しかし、さすがはエルロンド。腕をクロスし、頭を守る。
だが、その勢いは衰えず、エルロンドは高所から地面にたたきつけられる。
(なんという重い一撃だ。だが…)
「子供に負けたくはないのでなぁ、恨まねえでくださいよ、坊ちゃん。」
「安心しろ。子供でも、『神童』なのだ。言い訳をするには十分な事実だろう。」
「ぬかせ!」
エルロンドが攻めに入る。切り上げ、突き、袈裟切り…そのどれもが洗練された動きだった。
だが、レイはそのどれも最小限の動きで避けている。
(おいおい、冗談だろう?)
エルロンドは目の前の少年の動きがどんどん洗練されたものになっているのを感じ、冷や汗をかいた。
「どうした?この程度か?」
(なら、これでどうだ!)
エルロンドはレイの言葉を無視し、瞬間的に高倍率の身体強化をかけた、自分の最高速の一閃を放った。
だが…
(ッ!?流されただと!?あり得ん!)
エルロンドの攻撃は流され、レイは追撃を加える。
ギャリリリ…
エルロンドは何とかその攻撃を受け止める。
「少し肝が冷えたぞ?その調子だ。」
レイは笑っていた。
「なら、これはどうだ!」
エルロンドは土魔法でレイの足場を崩す。そして上段からの攻撃を加える。
「無駄なことを。」
レイの姿勢は崩れることなく、エルロンドの剣を受け流し、そのまま自分の剣をエルロンドの首筋に当てる。
レイは『風装』を全身に纏っている。そのため、空中でも…いや、むしろ地上より踏ん張りがきく状態になっている。そのため、地面がどうなろうと、空を踏みしめ、このような芸当ができるのだ。
「俺の勝ちだな?エルロンド。」
レイは笑顔で話しかける。
「っ!…ああ。まさか、本当に負けるなんてなぁ。油断した気はなかったが…さすがは『神童』といったところですねぇ。」
(ありえねえ。なんだ、今の動きは!?剣術だって、昨日のものとは全く違う、しかも何の違和感もない動きだったぞ!?…いや、それより、なによりも恐ろしいのは、この短い間でとんでもないほど成長していやがった。)
なんとか平静を保とうとしたが、内心穏やかなものではなかった。
「フン。当たり前だろう。俺は最高で最強な男なのだからな。」
エルロンドにはその言葉を否定できなかった。
(もはや、この男に勝てる者など…だが、いずれはこのお方に仕える事ができるのなら。)
「ふふ」
エルロンドは口元を綻ばせた。
まさか、自分を圧勝するような者が現れるとは思わなかったのだ。しかもそれが十歳の少年。
これからが楽しみである。
エルロンドは思わず驚きの声を上げた。たった一合打ち合っただけで目の前の少年が昨日とは別人のように実力をつけていると感じた。
彼の剣にはもはやほとんど隙がない。
「『風装』」
目の前の少年が何かの詠唱をした。瞬間、エルロンドは身体強化魔法の強化倍率を引き上げ、飛び上がる。
レイの剣はエルロンドの背後より迫っていた。
「ほう、これをよけられるとは。さすがだな。まだまだ改良の余地がある。」
レイはエルロンドに正面から語り掛ける。
「なんだと、っ!?ぐわっ!」
レイはエルロンドに踵落としを炸裂させる。しかし、さすがはエルロンド。腕をクロスし、頭を守る。
だが、その勢いは衰えず、エルロンドは高所から地面にたたきつけられる。
(なんという重い一撃だ。だが…)
「子供に負けたくはないのでなぁ、恨まねえでくださいよ、坊ちゃん。」
「安心しろ。子供でも、『神童』なのだ。言い訳をするには十分な事実だろう。」
「ぬかせ!」
エルロンドが攻めに入る。切り上げ、突き、袈裟切り…そのどれもが洗練された動きだった。
だが、レイはそのどれも最小限の動きで避けている。
(おいおい、冗談だろう?)
エルロンドは目の前の少年の動きがどんどん洗練されたものになっているのを感じ、冷や汗をかいた。
「どうした?この程度か?」
(なら、これでどうだ!)
エルロンドはレイの言葉を無視し、瞬間的に高倍率の身体強化をかけた、自分の最高速の一閃を放った。
だが…
(ッ!?流されただと!?あり得ん!)
エルロンドの攻撃は流され、レイは追撃を加える。
ギャリリリ…
エルロンドは何とかその攻撃を受け止める。
「少し肝が冷えたぞ?その調子だ。」
レイは笑っていた。
「なら、これはどうだ!」
エルロンドは土魔法でレイの足場を崩す。そして上段からの攻撃を加える。
「無駄なことを。」
レイの姿勢は崩れることなく、エルロンドの剣を受け流し、そのまま自分の剣をエルロンドの首筋に当てる。
レイは『風装』を全身に纏っている。そのため、空中でも…いや、むしろ地上より踏ん張りがきく状態になっている。そのため、地面がどうなろうと、空を踏みしめ、このような芸当ができるのだ。
「俺の勝ちだな?エルロンド。」
レイは笑顔で話しかける。
「っ!…ああ。まさか、本当に負けるなんてなぁ。油断した気はなかったが…さすがは『神童』といったところですねぇ。」
(ありえねえ。なんだ、今の動きは!?剣術だって、昨日のものとは全く違う、しかも何の違和感もない動きだったぞ!?…いや、それより、なによりも恐ろしいのは、この短い間でとんでもないほど成長していやがった。)
なんとか平静を保とうとしたが、内心穏やかなものではなかった。
「フン。当たり前だろう。俺は最高で最強な男なのだからな。」
エルロンドにはその言葉を否定できなかった。
(もはや、この男に勝てる者など…だが、いずれはこのお方に仕える事ができるのなら。)
「ふふ」
エルロンドは口元を綻ばせた。
まさか、自分を圧勝するような者が現れるとは思わなかったのだ。しかもそれが十歳の少年。
これからが楽しみである。
0
あなたにおすすめの小説
鬼死回生~酒呑童子の異世界転生冒険記~
今田勝手
ファンタジー
平安時代の日本で魑魅魍魎を束ねた最強の鬼「酒呑童子」。
大江山で討伐されたその鬼は、死の間際「人に生まれ変わりたい」と願った。
目が覚めた彼が見たのは、平安京とは全く異なる世界で……。
これは、鬼が人間を目指す更生の物語である、のかもしれない。
※本作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ネオページ」でも同時連載中です。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで
六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。
乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。
ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。
有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。
前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる