自分らしく居られる場所を

親の目を盗んで

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一章

サーシャという少女

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「さて、ここなら邪魔が入らない。ゆっくりと、話をしようじゃないか?」

レイは屋敷の客間のソファーに座るよう少女に促した。

「は、話って…」

その少女、サーシャはレイに問う。

「ん?『なんでもする』のだろう?…なら、働いてもらおうと思ってな。まあ、安心しろ。ちゃんと金はやる。それに、献身的に活動するなら、連れの安全だって保障しよう。」

「働く…それってやっぱり、体が目当てってことなんだよね?」

サーシャはまだ十三歳。だが、スラムで育てばそういうことも自然と耳に入る。いつかは自分もそうなるかもしれないと感じていたのも事実である。

「ん?まあ、確かに、そうだな。俺はお前の体が目当てで連れてきた。…これでどうだ?」

レイは金貨が詰まったサーシャの頭くらいの袋を出した。

「っ!?」

(こ、これだけあれば、毎日あの子達に贅沢してあげられる。…でも、)

「そして今、俺に忠誠を誓うなら、お前たち四人全員この屋敷の使用人として雇ってもいい。…もちろん給料もいいし、何より安全だ。」

「っ!」

(身の安全の保障はありがたい。それでも…)

「さらにこれも追加だ。…もちろん一月ごとに。」

レイは同じ大きさの金貨の袋をサーシャの前の机に置く。

「え…」

サーシャは戸惑いの声を上げる。いくらなんでも気前が良すぎる。

「さあ、今決めろ。五秒以内だ。」

「お、お願いします!」

サーシャは折れた。今まで盗賊まがいのことをして何とか生き延びてきたが、もう限界だと感じていたのだ。そのため、今回のことは渡りに船といえよう。

「うむ。決まりだな。ほかの三人にも使いの者を出そう。」

「わ、分かった。」

サーシャは覚悟を決めたような顔をした。目の前の男は顔がいい。抱かれるにしても悪くないのではないか。そう思うことで自分の気持ちを誤魔化したのだ。

「では、早速始めようか。」

レイは席を立つ。

「え///…も、もうするの?」

サーシャは顔を真っ赤にして後ずさる。

「ああ。善は急げというだろう?」

レイはにじり寄る。

「~~///」

「エルロンド、入ってこい。」

「はいよ、ご当主様。」

レイが扉に向かってエルロンドを呼ぶ。

それに応えるようにエルロンドが客間に入ってくる。

「へ?」

サーシャは呆然とする。

「さて、少女よ。お前の相手はこいつだ。俺は急ぎの用があるのでな…」

「ま、待ってください!ボ、ボク、なにかしてしまいましたか?もしそうなら謝らせてください。お願いします。」

サーシャは顔を真っ青にして体を震わせている。…無理もない。エルロンドの顔はかなり厳つく、そのうえ、サーシャの二倍以上の身長の筋骨隆々の巨漢である。

「おい、あまりご当主様の手を煩わせるな。こっちに来い。行くぞ。」

「ひゃ!、やだやだやだ!助けて!お願いします!」

エルロンドは子猫をぶら下げるようにしてサーシャの首根っこを掴み、訓練場へと向かう。

レイはエルロンドに、サーシャを訓練し、使えるような実力者に育てさせるように命じていた。

だが、そんなことを知る由もない哀れなサーシャは自分がこれからこの男に犯されると思い込み、これからの人生に絶望したのだった。
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