幸せの在り方

親の目を盗んで

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一章

目覚め

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…転生は成功だ。

無事、オリバーの肉体を乗っ取ることができた。元々この体に入っていた魂はベルに捧げた。今頃は美味しく頂かれていることだろう。

さて、今、オリバーは自宅謹慎中か。

オリバーの記憶はある。が、やはり感情も一部残るようだ。

つまり、ソフィアへの情欲が酷い。

うわ~、思春期の体って、こんななの?

僕は五十歳だったから、もう忘れたよ。

…まあ、そのうち精神も体に合わせて変化するだろうけど。

魔力制御にもかなりムラがあるな。この辺の調整もしておこう。


さて、この世界の魔法だが、仕組みは非常にシンプルだ。

まず、生き物は皆、魔力を持っている。魔法を使うためには、自分の魔力を使い、イメージをすることで発動する。イメージがはっきりしていないと、消費魔力が格段に増え、一瞬で魔力枯渇に陥ることになってしまう。

しかし、僕がベルから教わった、もう一つの魔力運用法がとても有用なのだ。

…というか、チートだ。反則だ。

大気中には、魔力の元となる『魔素』と言うものがある。魂は、この『魔素』を自分の『魔力』に変換する臓器の様な働きもする。そして、変換した『魔力』で魔法を使う。

しかし、僕はこの『魔素』そのものを利用し、自分の魔力を一切使わずに魔法を発動できる。さらに、大気中の魔素は『虚数次元』という所から絶えることなく供給されるらしい。

つまり、この方法を知っていれば無限の魔力を持ったも同義なのだ。

これがあればイメージが多少曖昧でも、大量の魔力を消費して魔法が発動できる。

これで分かっただろう?僕は理論上、何だってできてしまうのだ。…まあ、ベルには手も足も出なかったけど。ベルは次元が違うんだよ。

まあ、それはいい。とりあえず、このオリバーの体を人間のものから意志生命体に転化させる。

これで意志力が尽きるまで死ぬことは無いし、寿命だって無くなった。

僕は自分だけの時間を加速させ、超高速で魔力制御の練習をする。…魔力制御はとても重要だ。一度に使える魔力の出力はそれに依存するし、狙い通りに魔法が発動できるかも魔力制御次第なのだ。魔力制御は、制御している時間によって上達する。そのため、自分の時間を操り、その時間を確保している者も多いとか。

僕の場合は、体感時間は外と同じだが、もうすでに何百年も魔力制御の修行をしているような感じだ。

…だいぶ上達したな。これはずっと続けるが、魔法の発動も確認しておくか。

まずは、寿司だ。『創造』。

瞬間、僕の目の前に寿司、醬油、ワサビ、小皿が現れた。

…え?ふざけてないよ?お腹が減ったし、転生記念という事で、豪華なものを創ったのさ。

…モグモグ、うん。ちゃんと寿司だ。まあ、多少僕のイメージの影響が味にも表れるから、そう思うのも当然だ。やっぱり、魔法では新しい味を開拓するのはできないんだよね。

僕はそんなことを考えながら、うろ覚えの手際でマグロを炙ってみる。…このくらい、かな?

…うん、これは良い。気に入った。





コトン。

扉の方から音がした。まあ、探索魔法で知っていたんだけどね。食事だ。パンとスープだけだけど。

もうお腹いっぱいなんだよね。いつか食べよう。

僕は収納魔法でそれらを仕舞う。もちろん時間は止めてあるから、ずっとそのままにしていても温かいままだ。

…入学式まであと一週間。今すぐにここを出てアイツを殺したい衝動に駆られるが、それではダメだ。もっとゆっくり、じっくり苦しめないと、だ。

もっと他にも確認しておこう。何かあっても、すぐに対処できるように。…いつでも、アイツを殺せるように。

フフフフフ。
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