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――森最強の少女、今度は“迷子”を救う――
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森の朝は今日も平和……と言いたいところだが、森の奥ではすでに緊急警報が鳴っていた。
「赤ずきんが……また来るぞ!!」
森中の動物たちが一斉に木の上へ避難する。
昨日のおつかいで倒れた木々は、未だにナナメのまま並んでいる。
その原因である少女――赤ずきんちゃんは、今日も赤いフードをひらめかせながら森の入口に立っていた。
「よーし! 今日は“迷子ちゃん救出ミッション”だよ!」
そう、今日はおばあちゃんではない。
村の家族から「子どもが森で迷子になった」と連絡が入り、
“森最強の少女に頼めば3分で見つかる”
という恐ろしい評判のもと、赤ずきんが派遣されたのだ。
腰にはハイパーブレード。
背中には大型スピーカー。
そして今日は新装備――
「ハイパードローン・MKⅡ(おやつ投下機能つき)」 を持っている。
「迷子の子は泣いてるはず! まずは音の位置を特定しよっ!」
赤ずきんは大型スピーカーのスイッチを押した。
ゴオオオオオオオオオ!!
森全体が揺れ、葉っぱが空を舞い上がる。
動物たち「やめろーーーーー!!」
おとなしい鹿は腰を抜かし、
うさぎは巣穴から飛び出し、
オオカミは地面に伏せて耳を押さえた。
しかし赤ずきんは気づかない。
「うん……この反響音……北西の方だね!」
■ 迷子発見
赤ずきんは全力疾走……ではなく、今日は迷子探しなので“安全速度”に調整。
――といっても、木々がバッタバッタ倒れるレベル。
しばらく進むと、小さな泣き声が聞こえた。
「うわあああん! ままーーー!!」
泣いていたのは、村の子ども・ルルちゃん。
木の陰で丸くなって震えていた。
「ルルちゃん発見!!」
赤ずきんが笑顔で近づくと、
震えていたルルちゃんは目を丸くした。
「……え? 森の怪物……?」
「怪物じゃないよ! 赤ずきんだよ! 迷子救助係!」
ルルちゃんは半信半疑だったが、赤ずきんが優しく抱き上げると、少し安心した顔になる。
「怖かったよぉ……オオカミが追いかけてきて……」
「オオカミ? どこ?」
その瞬間、木の陰から小さな影が出てきた。
■ オオカミ、釈明する
「ち、違うんだ赤ずきん! 俺はこの子を助けようとしただけで……!」
赤ずきんはニコッと微笑んだ。
「へぇ~? じゃあ、なんで泣いてたのかなぁ?」
「そ、それは……俺が『森は危ない』って説明したら……泣き出して……」
「脅したってことじゃん!!」
赤ずきんの笑顔が、一瞬だけ“森の終焉の顔”になった。
オオカミは全力で土下座した。
「ごめんなさい!!」
ルルちゃんもポツリと言う。
「でもね、オオカミさん……木陰で震えてたの……赤ずきんが来るって聞いて……」
赤ずきん「ん?」
オオカミ「だからそれは誤解で!!」
赤ずきんの笑顔がさらに輝く(危険度が増す)。
■ ハイパー帰宅ミッション開始
帰り道、赤ずきんはルルちゃんを背中に乗せ、ローラーブーツで滑走しようとした。
が、
「やめて!! まっすぐ歩いて!!」
と泣かれたため、今日は徒歩にした。
しかし、徒歩でも木々がなぎ倒れる。
「赤ずきんちゃん、静かに歩くって知ってる……?」
「知ってるよ! これでも“静かモード”!」
オオカミは遠巻きについてきた。
「な、なぁ……俺もう帰っていいか?」
「ダメ! 迷子事件の証人として同行してね!」
オオカミは涙目で頷いた。
■ 村に帰還
村に着くと、ルルちゃんの母親が抱きついた。
「ありがとう赤ずきんちゃん!!」
「任せて! 次の迷子も3分以内に見つけるよ!」
村人「……倒木、どうするんだ?」
赤ずきん「森の自然現象です!!」
誰も反論できなかった。
■ オオカミの末路
帰ろうとするオオカミを赤ずきんが引き止めた。
「オオカミさん、ちょっとお願いがあるの!」
「……ひぃ……な、なんでしょう……?」
赤ずきんはほほ笑んだ。
「ルルちゃんの“お友達役”してあげて?」
「え?」
気づけばルルちゃんがオオカミの前に立っていた。
「お兄ちゃん、遊ぼ!」
オオカミは赤ずきんよりも怖いものを見た顔になった。
「し、しまった……逃げ道が……」
赤ずきん「はい、第二話は“友情編”だからね!」
オオカミ「そんなメタな理由ーー!!」
こうして、
“森最強の少女・赤ずきんちゃん”と
“被害担当オオカミ”と
“元気になったルルちゃん”は、
なぜか仲良く村で遊び回った。
森は今日も騒がしい。
だが、みんな笑顔だった。
――たぶん。
「赤ずきんが……また来るぞ!!」
森中の動物たちが一斉に木の上へ避難する。
昨日のおつかいで倒れた木々は、未だにナナメのまま並んでいる。
その原因である少女――赤ずきんちゃんは、今日も赤いフードをひらめかせながら森の入口に立っていた。
「よーし! 今日は“迷子ちゃん救出ミッション”だよ!」
そう、今日はおばあちゃんではない。
村の家族から「子どもが森で迷子になった」と連絡が入り、
“森最強の少女に頼めば3分で見つかる”
という恐ろしい評判のもと、赤ずきんが派遣されたのだ。
腰にはハイパーブレード。
背中には大型スピーカー。
そして今日は新装備――
「ハイパードローン・MKⅡ(おやつ投下機能つき)」 を持っている。
「迷子の子は泣いてるはず! まずは音の位置を特定しよっ!」
赤ずきんは大型スピーカーのスイッチを押した。
ゴオオオオオオオオオ!!
森全体が揺れ、葉っぱが空を舞い上がる。
動物たち「やめろーーーーー!!」
おとなしい鹿は腰を抜かし、
うさぎは巣穴から飛び出し、
オオカミは地面に伏せて耳を押さえた。
しかし赤ずきんは気づかない。
「うん……この反響音……北西の方だね!」
■ 迷子発見
赤ずきんは全力疾走……ではなく、今日は迷子探しなので“安全速度”に調整。
――といっても、木々がバッタバッタ倒れるレベル。
しばらく進むと、小さな泣き声が聞こえた。
「うわあああん! ままーーー!!」
泣いていたのは、村の子ども・ルルちゃん。
木の陰で丸くなって震えていた。
「ルルちゃん発見!!」
赤ずきんが笑顔で近づくと、
震えていたルルちゃんは目を丸くした。
「……え? 森の怪物……?」
「怪物じゃないよ! 赤ずきんだよ! 迷子救助係!」
ルルちゃんは半信半疑だったが、赤ずきんが優しく抱き上げると、少し安心した顔になる。
「怖かったよぉ……オオカミが追いかけてきて……」
「オオカミ? どこ?」
その瞬間、木の陰から小さな影が出てきた。
■ オオカミ、釈明する
「ち、違うんだ赤ずきん! 俺はこの子を助けようとしただけで……!」
赤ずきんはニコッと微笑んだ。
「へぇ~? じゃあ、なんで泣いてたのかなぁ?」
「そ、それは……俺が『森は危ない』って説明したら……泣き出して……」
「脅したってことじゃん!!」
赤ずきんの笑顔が、一瞬だけ“森の終焉の顔”になった。
オオカミは全力で土下座した。
「ごめんなさい!!」
ルルちゃんもポツリと言う。
「でもね、オオカミさん……木陰で震えてたの……赤ずきんが来るって聞いて……」
赤ずきん「ん?」
オオカミ「だからそれは誤解で!!」
赤ずきんの笑顔がさらに輝く(危険度が増す)。
■ ハイパー帰宅ミッション開始
帰り道、赤ずきんはルルちゃんを背中に乗せ、ローラーブーツで滑走しようとした。
が、
「やめて!! まっすぐ歩いて!!」
と泣かれたため、今日は徒歩にした。
しかし、徒歩でも木々がなぎ倒れる。
「赤ずきんちゃん、静かに歩くって知ってる……?」
「知ってるよ! これでも“静かモード”!」
オオカミは遠巻きについてきた。
「な、なぁ……俺もう帰っていいか?」
「ダメ! 迷子事件の証人として同行してね!」
オオカミは涙目で頷いた。
■ 村に帰還
村に着くと、ルルちゃんの母親が抱きついた。
「ありがとう赤ずきんちゃん!!」
「任せて! 次の迷子も3分以内に見つけるよ!」
村人「……倒木、どうするんだ?」
赤ずきん「森の自然現象です!!」
誰も反論できなかった。
■ オオカミの末路
帰ろうとするオオカミを赤ずきんが引き止めた。
「オオカミさん、ちょっとお願いがあるの!」
「……ひぃ……な、なんでしょう……?」
赤ずきんはほほ笑んだ。
「ルルちゃんの“お友達役”してあげて?」
「え?」
気づけばルルちゃんがオオカミの前に立っていた。
「お兄ちゃん、遊ぼ!」
オオカミは赤ずきんよりも怖いものを見た顔になった。
「し、しまった……逃げ道が……」
赤ずきん「はい、第二話は“友情編”だからね!」
オオカミ「そんなメタな理由ーー!!」
こうして、
“森最強の少女・赤ずきんちゃん”と
“被害担当オオカミ”と
“元気になったルルちゃん”は、
なぜか仲良く村で遊び回った。
森は今日も騒がしい。
だが、みんな笑顔だった。
――たぶん。
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