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第三十八話 恋の祭りは鬼火の如し
ナガレ・ウエストのワルツ
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「ガッテン承知ッス。とはいえ、オラたちもだいぶ没収されてしまってるッス……オラたちの武器は儀礼用のサーベルッス」
言われてみれば、ベネットとニンフォは腰のベルトに、キラキラしたサーベルを下げている。残念ながら扱いやすい鉄製バトンは没収されてしまったようだ。
「……おい、ガード。少し来てくれ」
ジョーがニンフォも呼びつけた。クールに駆け寄る……ように見えて、ニンフォは「はぁ~あ……」とため息をついた。
「こんなガワだけ綺麗なナマクラサーベルじゃ、ニンゲンどころか犬っころですら斬れるか怪しいわ。無いよりはマシだけど、これじゃほとんど鈍器ね」
「厳しいけど、やるしか無い。任せたよ」
ナガレの言葉に、ニンフォとベネットは頷いた。そして恭しくステッキを受け取り下がっていく。
それと同時に、周囲を少しだけ観察した。誰か隠れられそうな場所はあるか。テーブルクロスの下、細長い蝋燭立ての近くにある。
(……何者かが潜んでいるかもしれん)
こうなればやべー奴のフリしてナイフを持っているいるジョーはさておき、ナガレは完全に丸腰だ。
チャンチャララ~ン……♪
……と、ピアノの音がした。演奏が始まり、クラシックな音楽が流れ始める。
「……始まったな」「あぁ。互いのバックを監視しよう。もちろん、ダンスは集中してな」
そうして二人手を繋ぎ、もう片方では互いの二の腕に手を添える。
チャチャチャチャーン、チャチャララ~ ♫
コナキ地方の社交ダンスは、エンペリオン地方と同じく宮廷クラシック。
「…………(大汗)」
「焦りすぎだもっとリラックスしろって!」
ジョーの手が緊張でしっとりしている……若干の気持ち悪さを感じつつ、息ぴったりの社交ダンス。
足並み揃えてリバース・ターン。一回転するターンもバッチリだ。
シャラララ~……♬
ジョーが腕を上げ、ナガレはそれを軸に回転。それを逆方向もう一回……。
「……ここだ」「あぁ!」
刹那、ナガレは相手にもたれ掛かる。正確に抱き返すジョー。背中を任せつつ、足を高く上げてバランスを取る。
「すごい!」「やりおる……」「なかなかですわ……!」
この楽曲のダンスの中でも、かなり上級の振り付けだ。……それとチラ見せされた太腿に、多くの招待客から感嘆の声が上がった。
「……ナガレ、どうだ?」「いいや、まだ怪しい奴は見えてないな」
先ほどのフクスーニィ会の老人も、カッパートのマダムものんびり踊っている。特に怪しい人物はいない……が。
言われてみれば、ベネットとニンフォは腰のベルトに、キラキラしたサーベルを下げている。残念ながら扱いやすい鉄製バトンは没収されてしまったようだ。
「……おい、ガード。少し来てくれ」
ジョーがニンフォも呼びつけた。クールに駆け寄る……ように見えて、ニンフォは「はぁ~あ……」とため息をついた。
「こんなガワだけ綺麗なナマクラサーベルじゃ、ニンゲンどころか犬っころですら斬れるか怪しいわ。無いよりはマシだけど、これじゃほとんど鈍器ね」
「厳しいけど、やるしか無い。任せたよ」
ナガレの言葉に、ニンフォとベネットは頷いた。そして恭しくステッキを受け取り下がっていく。
それと同時に、周囲を少しだけ観察した。誰か隠れられそうな場所はあるか。テーブルクロスの下、細長い蝋燭立ての近くにある。
(……何者かが潜んでいるかもしれん)
こうなればやべー奴のフリしてナイフを持っているいるジョーはさておき、ナガレは完全に丸腰だ。
チャンチャララ~ン……♪
……と、ピアノの音がした。演奏が始まり、クラシックな音楽が流れ始める。
「……始まったな」「あぁ。互いのバックを監視しよう。もちろん、ダンスは集中してな」
そうして二人手を繋ぎ、もう片方では互いの二の腕に手を添える。
チャチャチャチャーン、チャチャララ~ ♫
コナキ地方の社交ダンスは、エンペリオン地方と同じく宮廷クラシック。
「…………(大汗)」
「焦りすぎだもっとリラックスしろって!」
ジョーの手が緊張でしっとりしている……若干の気持ち悪さを感じつつ、息ぴったりの社交ダンス。
足並み揃えてリバース・ターン。一回転するターンもバッチリだ。
シャラララ~……♬
ジョーが腕を上げ、ナガレはそれを軸に回転。それを逆方向もう一回……。
「……ここだ」「あぁ!」
刹那、ナガレは相手にもたれ掛かる。正確に抱き返すジョー。背中を任せつつ、足を高く上げてバランスを取る。
「すごい!」「やりおる……」「なかなかですわ……!」
この楽曲のダンスの中でも、かなり上級の振り付けだ。……それとチラ見せされた太腿に、多くの招待客から感嘆の声が上がった。
「……ナガレ、どうだ?」「いいや、まだ怪しい奴は見えてないな」
先ほどのフクスーニィ会の老人も、カッパートのマダムものんびり踊っている。特に怪しい人物はいない……が。
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