崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第八話 炎の化身

飛ぶ斬撃

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 放たれた斬撃はサラマンダーの腕にクリーンヒット。ウロコが切り裂かれ、腕の炎が一瞬弱まった。
「ガウッ!?」
 苦痛に目を細めるサラマンダー。
「効いてるわ~!」と歓喜したヒズマだったが、その直後サラマンダーが紫の業火を吐き出した。火炎ブレスだ!
 ボォォォォォッ!
「きゃあっ!?」
 慌てて飛びのいたヒズマの横を、炎の帯が突き抜けていく。さらにサラマンダーはそのまま体を回転させて、一面を薙ぎ払ってきた!
「みんな、伏せろ!」
「どっひゃーー!?」
 ジョーの指示でみんな一斉に体を地面に投げ出した。頭上を灼熱の炎が通過していく……。
「あっぶねぇ……後ろの景色が焼け野原だ! てかこれ効いてんの……!?」
「そ、そんなこと言わないで! 当たり所が悪かったのよ~!」
 ナガレの言葉に憤慨するヒズマ。しかしジョーはそれを無視して走り出す!
「はぁぁぁぁぁっ!」
 飛び込みざまダガーの鋭い一撃! サラマンダーは一瞬仰け反るも、すぐに立て直し噛みついてきた。ジョーは華麗な宙返りで回避する。
「相手は人間じゃない、モンスターだ。攻撃の後には必ず隙ができる! そこを突いて攻撃するんだ」
「分かった! オレも行くぞっ!」
「俺たちも上がるぜ!」
 ナガレも飛び出し、マルチスタッフを叩きつける。タネツは勢いよく飛び上がり、シールドを地面に叩きつけた。その衝撃は波動となり、サラマンダーに激突する!
「必殺! シールドクエイク!」
 ガガガガガッ!
「グェェェーーッ!?」
 堅い岩地をカチ割る衝撃波に、サラマンダーはひっくり返った。そこへヒズマが再び飛ぶ斬撃を叩きこむ!
「今度こそ! でいやぁーっ!」
 バシュッ……ズガーン!
 ひっくり返った腹部を傷つける……のだが、サラマンダーはあっさりと起き上がった。「ガァァァァ!」と元気に叫んでいる。
「ちょっとちょっと!? 全然効いてなさげんですけど!?」
「そ、そんなはずないわ!」

「クソっ、俺様に任せておけ!」
 ここで今までずっと逃げ回っていたケンガが、ついに杖を振り上げる。するとケンガの頭上に、人間の頭くらいの大きさをした、氷の球が現れた! 
「凍れ! アイスボール!」
 ケンガが腕を振り下ろすとともに、大気を凍らす剛球が打ち出された! 猛烈な勢いで突き進む……のだが。

 ヒュンヒュン……ヒュン……ヒュン……。
 なぜか途中から急に失速していく。そしてサラマンダーに着弾する前に溶けてなくなってしまった。
「オメーだって効いてねえじゃねえかぁぁぁぁっ!」
「いやマジ何やってんだよ!? しっかりしろケンガ!」
「え、えーと……これはアレだな! きっとサラマンダーの熱が強すぎて、氷が途中で溶けてしまったのだ。いやあ、強敵だなあ……」 
 しどろもどろに言い訳するケンガ。それを見ていたジョーはキッと目を細める。
(魔力で発動させた氷の魔法は、そうそう消えるものではない……まさかデバフスキルというのは)
 何か思い当たる節があるようだ。しかしサラマンダーには関係なく、態勢を立て直してナガレたちに突進!
「ガアアアア!」
「いかん、避けろ!」
「ぐはっ!」
 ケンガを庇い咄嗟にガードの姿勢を取ったナガレだが、巨体の突進を防ぎきれず炎に包まれた。
(ぐっ、アツい……!)
「転がって火を消すんだ!」
 タネツの言葉を聞いてハッとし、ゴロゴロ転がるナガレ。しかしサラマンダーはスピードのある火球を吐き出してきた。狙いはケンガだ!
 コォォォォッ!
「うわ!?」
「くっ、しっかりしろ!」
 ジョーがタイミングよくダガーを振り、火球を打ち消した。その隙を狙い再びヒズマが「はぁぁぁぁ!」と飛ぶ斬撃を発動するが……。
 バシュッ……カーン!
 なんと顔面に着弾したはずの斬撃は、あっさり弾かれ消滅してしまった。
「う、嘘よ! どうして効かないの!?」
「飛距離はあるが、勢いが足りないんだ。遠くから打ち出しても威力が弱まってしまう! サラマンダーの堅いウロコでは深くまで斬撃が届かない……!」

















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